北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年7月現在の「道の駅 摩周温泉」の車中泊情報をご紹介。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 摩周温泉」での車中泊には、第2駐車場が適している。
「道の駅 摩周温泉」 DATA
道の駅 摩周温泉
〒088-3203
北海道川上郡弟子屈町湯の島3丁目5−5
☎015-482-2500
営業時間
5月~10月:8時~18時
11月~4月:9時~17時
年末年始(12/30~1/3)休館
「道の駅 摩周温泉」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第1回
登録日/1993年4月22日
2011年7月16日 ※現在の第2駐車場の位置から向かいに移転。
「道の駅 摩周温泉」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.09.01
2011.07.06
2011.09.16
2012.07.31
2013.07.30
2016.06.15
2018.07.13
2021.07.15
2022.08.05
※「道の駅 摩周温泉」での現地調査は2022年7月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年6月に更新しています。
道の駅 摩周温泉【目次】
「道の駅 摩周温泉」のロケーション
下の「道東セカンドルート」の記事にも記しているが、このマップを見れば「弟子屈(てしかが)町」にある「道の駅 摩周温泉」が、道東の主だった観光地に対して、放射状にアクセスできる好立地にあることがよくわかる。
そのためリピーターならずとも、旅人がここに着目するのは当然だ。
だがそうなると、必然的に「道の駅 摩周温泉」には車中泊旅行者が集まり、夏は夕方遅く行ったのでは停められないという噂がSNSで拡散される(笑)。
事実、その話はウソではない。
しかしだからと云って、ここが前日や昼過ぎから場所取りをするほどのところだとは思わない。
名前は摩周温泉になっているが、敷地にあるのは「足湯」だけで、日帰り温泉は併設していない。
また仮に満車の場合は、釧路川を挟んだ「水郷公園」でも車中泊ができる。
現在はトイレにウォシュレットが完備され、以前にも増して快適だ。
ただし「オートキャンプ禁止」と明記されているので、車外にイスやテーブルを出すような「キャンプ行為」は控えよう。
自炊がしたい人には、「道の駅 摩周温泉」から約2キロ離れたところに「RECAMP 摩周(旧:桜ヶ丘森林公園オートキャンプ場)」がある。
「道の駅 摩周温泉」の施設
2011年7月16日、弟子屈町に周辺地域の新たな観光拠点としての期待を担う、摩周観光交流館「道の駅・摩周温泉」がオープンした。
ただ古くからの北海道リピーターなら、この道の駅が移設リューアルオープンした施設であることをご存知だと思う。
「道の駅 摩周温泉」は、1993年に初登録された「日本で一番最初の道の駅」のひとつだが、駅舎が老朽化したため、隣接する広い旧「ヨーロッパ民芸館」跡に移転することで、課題だった機能の充実を図ることに成功している。
当初の摩周温泉は、規模が小さく、お世辞にも旅行者を満足させるものとは云えなかった。
ゆえにそのリニューアルは、道東へのリピーターにとっても待望久しいものだったといえる。
現在の道の駅の館内は、課題とされてきた休憩機能と地域の連携機能が見事に改善されている。
テーブル席と座り心地の良いソファーがゆったりとレイアウトされ、まるでホテルのロビーのようだ。
また一画には観光案内所を兼ねたインフォメーションデスクがあり、インターネットが自由に閲覧できるパソコンのほか、幼児や急病者を寝かせることができる座敷スペースも設けられている。
こちらは売店。ただし飲食ブースはない。
メインの駐車場の奥にドッグランもある。
なお前述したように、駅名に「温泉」はつくが、ここには足湯があるだけで入浴施設はない。
理由は、「地域の連携」を既存の商業施設と差別化できる切口から見出そうとしていることにあるという。
確かに好立地に建つ道の駅で、必要以上の物販や飲食、温泉などを提供すれば、地元住民の生活を脅かしかねない。
商い事は専門業者に任せ、道路利用者が希望するサービスを提供することで、間接的に地域を潤すのが、サービスエリアやドライブインにはマネのできない”道の駅の独自性であり、存在価値の正論”でもある。
もちろん収益面での脆弱さは指摘されるだろうが、リニューアルとともに、あえて道の駅の正論に挑むことを選択した、摩周温泉関係者の勇気には拍手を送りたい。
ちなみに道の駅の前の「湯の島通」を挟んだ向かいには、雑貨屋とカフェ・レストランを兼ねた店がある。
今度は車中泊について。
写真はメインの駐車場だが、全体に緩やかな傾斜がかかっており、フラットで寝やすい場所はわずかしかない。
24時間トイレは敷地の奥にあり、もっとも多くのクルマが停められる駐車スペースからは、一番遠い場所になる。
トイレはウォシュレットを完備している。
実は、この道の駅でいちばん車中泊に適しているのは、かつて駅舎が建っていた現在の「第2駐車場」だ。
ここはフラットなだけでなく、24時間トイレにも近い。
2022年8月再確認
駐車場の一画に、期間限定で1日1500円の有料電源区画が登場
これは2019年に初導入されたらしいのだが、筆者が2021年に訪ねた時は、対象期間外で用意されていなかったために気づかずにいた。
というか… そもそも道の駅の公式サイトに、まったくこれに関する記載がないのはどういうことなんだ?
運営している「タイムズのB」のホームページには、以下のように記されている。
【ご利用にあたって】
※当駐車場は2021年7月21日から9月27日までの期間限定で利用が可能です。
※利用可能時間が10:00~24:00と表示されていますが、実際には「10:00~翌日10:00」までご利用頂くことが可能です。
※天災その他不可抗力により、予約をキャンセルさせていただく場合がございます。予めご了承下さい。
※利用料金には駐車区画に付帯する「電源設備の利用」が含まれております。
※期間中のみオレンジ色のラインテープにより区画を表示しています。白線ではないのでお気をつけ下さい。
【駐車場内でのトラブルについて】
※当駐車場においてトラブルがあった場合は必ず「タイムズのB」コンタクトセンターへ連絡をお願いします。
【駐車方法について】
※駐車区画の中央にコーンが設置してあります。入庫の際はコーンを駐車や通行の支障とならない場所に移動させてください。なお、出庫の際はコーンを区画の中央へ再設置をお願いします。
【ゴミの回収について】
※道の駅売店にてゴミ袋の販売・回収を実施しています(9:00~16:00)。
【マナーについて】
道の駅が禁止する行為及び周囲に迷惑がかかる行為はお控え下さい。
ただ2022年8月にも同様の景色がそこにあり、「常設」になっている可能性は高い。
2019年8月10日に発信されたFNNプライムオンラインのこの記事を読む限り、情報提供者もライターも、実際の車中泊の世界を自ら勉強しているとは思えない、的外れな受け売りぶりに苦笑せざるを得ないのだが、わずか3台だけといえども喜ぶ人はあったのだろう。
だがこの話が広まれば、それはそれで、またひと悶着あるとは思う。
そもそも、普通ならノウハウを持っているRVパークに協力を仰ぐと思うし、オフィシャルサイトで告知もしそうなものだ。
だがそのどちらでもない中途半端な対応は、利用者側からみれば、本当に車中泊旅行者のために行っているようには感じられない。
もし現実が見えているのなら、普通は第2駐車場を全部RVパークにしようとするのが本筋だ。
道の駅が移動して以来、第2駐車場が車中泊旅行者のみならず、こういう人たちにも「いいように使われている」ことなど、もうリピーターの誰もが知っている(笑)。
こちらは2022年8月の第2駐車場の写真。
電源を所望しそうなキャブコンが4台、有料区画ではなくここにいる。
なぜなら…
涼しい北海道ではエアコンをかける必要性はなく、1泊程度ならお金を払ってまで電源区画に行く必要がない。
「道の駅 摩周温泉」の車中泊好適度
「道の駅 摩周温泉」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:有料で回収
缶・ビン・・ペットボトル:ゴミ箱あり(屋外で24時間利用可能)
「道の駅 摩周温泉」には、可燃物用のゴミ箱はないものの、敷地内で販売している飲料の空き缶・ビン・ペットボトル用のゴミ箱は置いてあった。
北海道ではそれすらも置いていない、”日本の常識”が通じない道の駅が多々ある中で、ここにはまだまともな責任者がおられるようだ。
もっとも…
あるのが当たり前の話で、褒められるほどのことではない(笑)。
なお可燃物のゴミは、有料で引き取ってもらえる。
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 摩周温泉」最寄りの温泉&買い物施設
ビラオの湯
※徒歩圏内(阿寒湖方面に約500メートル)
☎0154-82-2979
10時~20時30分・無休
大人400円
コンビニ
ローソンまで約600メートル
スーパーマーケット
「スーパーフクハラ摩周店」まで約600メートル
「道の駅 摩周温泉」アクセスマップ