この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「水郷公園」は、道の駅摩周温泉の”第三駐車場”的存在。
「水郷公園」は、弟子屈にある「道の駅 摩周温泉」の釧路川を挟んだ対岸にある。
2002年に筆者は偶然その存在に気づいたのだが、以降は風呂にも買出しにも便利で、適当に自然が残る静かなこの公園が、弟子屈周辺の車中泊スポットでは、一番のお気に入りになっていた。
というのは、2011年に移転リニュアルオープンするまでの「旧:道の駅 摩周温泉」は、規模が小さく夏は満車になることが多かった。
弟子屈の町は阿寒・釧路・根室・網走方面に通じる道東観光の要に位置しており、摩周湖までは15分、屈斜路湖でも30分ほどの好立地にある。
そのため今も昔も、各方面から車中泊の旅人が集結してくる。
近くには高規格の「RECAMP 摩周(旧:桜ヶ丘森林公園オートキャンプ場)」もあるが、観光目的の旅で夕方から早朝までしか利用しない場合は、さすがにもったいなくて使いづらい。
しかし水郷公園は、年を追うごとに車中泊のクルマが増えて荒れ始める。
2002年当時はこの公園にもゴミ箱が置かれていたが、2008年にはもうゴミ箱は見当たらず、2011年にはトイレに「キャンプ禁止(オートキャンプ含む)」の注意書きが貼られていた。
そんな経緯があり、「道の駅 摩周温泉」が移転リニューアルして以降は、筆者はこちらで車中泊はしていない。
今は「水郷公園」でしなくてもいいだけのキャパが、道の駅に用意されている。
2022年追記
久しぶりに「水郷公園」をのぞいてみると、なんとトイレがウォシュレットに改修されていた。
「道の駅 摩周温泉」の難点は、駐車場に傾斜があることと、駐車場から24時間トイレが遠いことだ。
逆に水郷公園にはフラットなうえに、トイレにも近い。
ただし管理者が、「車中泊とオートキャンプは別物である」と認識しているかどうかはわからない。
この看板は洞爺湖にある「噴水公園」の無料駐車場の入口に建てられたものだが、もし本気で車中泊を禁止するなら、たぶんこのような記述になるはずだ。
その意味からすれば、水郷公園は車外での炊事や食事を禁止しているのであって、車中泊そのものまで規制するつもりはないとも受け取れる。
読者の中には「聞けばいい」と思っている人がいるかもしれないが、筆者はそうは思わない。
安易な問い方は「深い思慮に基づかない、適当で無責任な答え」を誘発する可能性を秘めている。
なので、もし注意されたら「車中泊はできると思ってました。ゴメンナサイ。」と素直に謝り、道の駅に移動しよう(笑)。
この日は実際に車中泊をしてみたが、注意されることはなかった。
なお車中泊の定義については、こちらを参照に。国土交通省は明らかに間違った情報発信をしている。