北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年7月現在の「ニセコを車中泊で旅する際に役立つ情報」をご紹介。
このサイトは車中泊とクルマ旅関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、20回以上に及ぶ北海道クルマ旅による実取材をもとに、旅行者目線から書き上げたリアルな情報を掲載しています。

ゆったりと時を過ごすのが、リピーターたちのニセコ・ライフ
「ニセコ」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2009.07.08
2010.09.01
2011.09.14
2012.08.06
2012.07.02
2014.07.29
2016.09.15
2018.07.26
2020.08.04
2021.07.06
2022.08.09
※ニセコの取材は2022年8月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年7月に更新しています。
ニセコ 車中泊旅行ガイド
ニセコがリピーターから愛される理由
「ニセコ」は、国立公園に認定されている東側の「羊蹄山」と、国定公園に認定されている北側の「ニセコアンヌプリ」を含んだ「ニセコ連山」を有する、道内でも指折りのリゾート地。
札幌の中心街から「道の駅 ニセコビュープラザ」までは、クルマで約100キロ・2時間ほど、新千歳空港からも、ほぼ同じ距離と時間のところにある。

出典:日本気象協会
筆者が若い頃から、ニセコはパウダースノーで有名ゲレンデだったが、近年は外国人客が増加し、一段とリゾート開発に拍車がかかっている。
そのため、「るるぶ」や「まっぷる」で紙面が割かれているのは、オシャレなレストランとカフェ、あるいはリゾートホテルや旅館の庭園に設けられたゴージャスな温泉ばかり…
それは、車中泊で北海道を旅する年金ライフの中高年を、ニセコから遠ざけている要因のひとつでもあるだろう(笑)。
だが…
実際のニセコは、羊蹄山のまわりに広大な畑が広がる農場地帯で、意外にも中高年の車中泊リピーターに人気がある。
なぜなら、ひとしきり北の大地を周れば、旅の興味は「発見」や「感動」から、「居心地のよさ」へと変わっていく。
温泉とスキーという強い柱を持ち、国内だけでなく海外からも滞在型の観光客が数多く訪れるニセコが、そんな車中泊の旅人の「お眼鏡に叶う」のは、むしろ当然のなりゆきだ。
特に温泉が好きなら、そんなニセコにあなたのクルマ旅をシンクロさせよう。
湯元温泉のそばにある大湯沼には散策路が整備されており、歩けば立ち昇る湯気と硫黄の匂いに圧倒される。
途中には「湯さわり階段」と足湯があり、そこでは直接お湯に触れることも可能だ。
そもそも、ワンパターンの車中泊術で楽しめるほど北海道は小さくない。
ベテランたちは、こういうところで北海道における車中泊ロングステイのハウツーを身につけている。
爽快な高原ライフを満喫
ニセコに滞在するリピーターは、異国の雰囲気が漂う店で寛いだり、直売所や牧場で仕入れた新鮮な食材を使って野外料理に勤しんだり、リゾートホテルの温泉を日帰りで利用したりしながら、ニセコならではの高原ライフを謳歌している。
たとえば、ニセコのグルメはレストランに行かなくても味わえる。
この地のグルメの本質は、料理というよりも高原野菜や乳製品、また天然酵母を使った自家製のパンといった「素材」にあり、直売所や牧場に行けば、それらはテイクアウトで手に入れることができる。
特に夏は、じゃがいもや人参などの根菜類に加え、トマトやレタス・アスパラなどの新鮮な高原野菜とフルーツを、道の駅などにある直売所で安く買える。
規模が大きくて品揃えが豊富なのは、ニセコビュープラザだ。
あとはテーブル&チェアと調理グッズさえあればいい。
ニセコには、あまり車中泊に使い勝手の良いキャンプ場はないのだが、探せば無料や格安で利用できる施設は見つかる。
またニセコのグリーンシーズンは登山とラフティングのイメージが強いが、高原ライフを謳歌する中高年の旅行者は、もっとライトな遊びを選択している。
その典型がパークゴルフだ。
ニセコには有料のコースが多いが、それでも料金は500円ほど。もちろんワンラウンドでなく終日での話だ(笑)。
あとは名峰・羊蹄山を、様々な場所から眺めて過ごす。
「1000メートル台地展望台」は、正面に羊蹄山を望み、洞爺湖や日本海、さらに噴火湾まで見渡せるビュースポットで、北海道屈指のスキーリゾート地として知られるニセコアンヌプリの中腹にある。
こちらは友人が提供してくれた羊蹄山山頂からの眺めだが、筆者は羊蹄山は富士山と同じく、”登るよりも見て楽しむ山”だと思っている。
というより登るのはけっこうキツイと聞いているので、もう行くのは諦めた(笑)。
それよりクルマで行けて、羊蹄山を眺めながら適度な散歩が楽しめるのは、細川たかしの銅像が建つ「真狩川河川公園」だ。
ちなみに、これほど整備された公園内を流れる川でも、オショロコマは釣れる。
もちろん、たまにはドライブやハイキングに出かけることもある(笑)。
「神仙沼」はチセヌプリ溶岩台地にある神仙沼湿原最大の沼で、標高は756 メー
トル。駐車場からは散策路を片道25 分ほど歩く。
高山植物や赤エゾ松が生える湿地帯には木道が整備されており、数あるニセコ山系の沼の中で最も美しいとされている。
イチオシのコンテンツは「ニセコ温泉郷めぐり」
北海道の温泉地といえば、登別・定山渓・層雲峡・阿寒湖あたりが有名で、一般的な団体ツアーは、そのどこかに宿泊地を構えるのが常道だ。
しかし車中泊のクルマ旅では、「ニセコ温泉郷」がその宿泊地において、他を圧倒しているといっても過言ではない。
ニセコはアウトドア・リゾートのイメージが強いが、実は過去1万年以内の噴火実績により、2003年に北海道の活火山リストに追記されている。
「ニセコ温泉郷」は、そんなニセコ連山の麓に点在する温泉地の総称で、多種多様な泉質と施設が揃う、温泉ファンのパラダイスになっている。
ちなみにニセコにある4つの道の駅は、それぞれ近くに日帰り温泉施設がある。
通常の観光地ならそれで十分かもしれないが、北海道有数の温泉地であるニセコでは、できることならゴージャスなリゾートホテルや、人気の温泉宿のおゆばにも、身を沈めてみたいものだ。
そんな人にオススメなのが、この「ニセコ湯めぐりパス」。
2016年に制度がリニューアルされ、現在は1枚のパスを夫婦で利用することができるようになっている。筆者はこのチケットを2年続けて購入し、6件の温泉を訪ねてきた。
ニセコ 車中泊旅行ガイド


日本全国 車中泊旅行ガイド
クルマ旅のための車中泊入門サイト
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