この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

「道の駅 北前船松前」は、松前城下町のすぐ近くにある海に面した道の駅
「道の駅 北前船松前」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回 /第30回
登録日/ 2009年3月12日
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2012.08.08
2015.08.08
2021.04.20
※「道の駅 北前船松前」での現地調査は2021年4月が最終で、この記事はそれに友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2022年9月に更新しています。
道の駅 江差【目次】
「道の駅 北前船松前」のロケーション
2009年4月に開業した「道の駅 北前船松前」は、江戸にもないと云われた松前藩の城下を通る国道228号の道の駅。
まさに松前観光の拠点とも呼べる場所にあるだけに、「道の駅 北前船松前」での車中泊を検討する旅行者は多いと思う。
だが道南の日本海側には、そこそこ距離を置いて道の駅が点在するため、車中泊がしたい道の駅と観光のタイミングを合わせるのが難しい。
函館を出たあと「道の駅 北前船松前」で車中泊をするなら、午後2時頃に松前に到着し、市内観光を済ませてからのほうがいいだろう。
そうすると、翌日は朝から観光施設が開くまでの時間に江差に向けて移動できる。
さて。松前の見どころと云えば「お城」。
松前城のある松前公園は「日本さくら名所100選」に選ばれ、250種1万本とも云われる桜が早咲き、中咲き、遅咲きと順次開花をしていく。
しかしご多分に漏れず、桜が咲く頃には、やはりこういう事態が生じる(笑)。
これは2019年4月28日の「道の駅 北前船松前」のFacebookに投稿された記事に添付されていたのだが、このポスターはともかくとしても、記事の投稿者はあまりの怒りでアタマに血がのぼり、現実が正しく把握できていないようだ。
要は早朝からやってくる人間を含めて、駐車場代を払いたくない観光客が「長時間駐車」をしていることに問題があるだけで、本州の桜の名所はどこも、同じ問題を抱えてきた。
しかし期間限定で、日中は「観光保全料」といった名目で有料化するなどの対策を講じ、問題を解消した道の駅もある。
自分たちの勉強不足を、全部車中泊旅行者にぶつけられるのはいい迷惑だ。
もう「松前藩のおかみ」の時代はとっくの昔に終わっている。
人気の観光地では、限りある駐車場が取り合いになるのは「世の常」。
車中泊の連泊者がいなくなっても、無料にしている限り、ほとんど事態は変わらない。それほど腹が立つなら、トイレや食事の人には気を使って1時間まで無料。以降は1時間につき1000円くらいに設定すれば、きっと閑古鳥が鳴くはずだ。
さて。
松前城のルーツは1606年まで遡るが、現在の城は幕末の1849年に外国船出没に備えて津軽海峡の警備強化図るため、幕府の命で築かれたもの。ゆえに「最後の日本式城郭」と呼ばれている。
残念ながら当時の天守は、1949年(昭和24年)の松前町火災の飛び火で焼失しているが、1961年(昭和36年)に復興され、日本100名城にも名を連ねている。
それにも増して良かったのは、城下の町並を再現したのが松前藩屋敷だ。
海の関所「沖の口船問屋」、藩士の暮らした「武家屋敷」のほか、「商屋」「廻船問屋」など14棟が軒を連ね、リアルな人形とともに出迎えてくれる。
ともに有料だが、共通割引券がある。
ただ、アイヌを酷使し搾取を繰り返した松前藩には、その残忍な行いを幕府に暴露された、北海道の名付け親である「松浦武四郎」との確執がある。
北海道ファンなら、その歴史を少しは知っておいても損はないだろう。詳しい経緯は以下でご覧いただける。
北海道150年記念ドラマ『永遠のニㇱパ ~北海道と名付けた男 松浦武四郎』
筆者が手厳しいコメントをするのは、この話と無関係ではないかもね(笑)。
「道の駅 北前船松前」の施設
さて。
「道の駅 北前船松前」で車中泊をする際に、もっとも懸念すべき点は風と音だ。
ご覧の通り、駐車場は国道と海に挟まれた「ウナギの寝床」なので、風を避けられるところがない。
危険を感じるようなら、松前公園にもトイレ付きの無料駐車場がある。ただ残念ながら24時間出入りが可能かどうかまではわからない。
売店で気になったのはコレ。グルメにとって松前と云えば「松前漬け」だ。
それが数の子、スルメ、昆布を醤油で漬けこんだ、松前藩発祥の郷土料理であることは知っていたが、売れるキーワードが「女将」ということまでは知らなかった(笑)。
2020年5月現在、かつての「北前食堂」は「うみかぜ食堂」に名前を変えて営業しているようだ。
とはいえメニューの柱はやはり「松前本マグロ」。
松前は津軽海峡の東側に面しており、大間と同じくクロマグロ漁が盛んな土地だが、値段は遥かにこちらのほうが安い。ただし営業時間は11時から15時まで。
「道の駅 北前船松前」車中泊好適度チェック!
ゴミに対する対応
可燃ゴミ:トイレ横にあり
缶・ビン・ペットボトル:同上
専用のゴミ箱コーナーを用意しているのは好感度大。特に北海道では珍しい。
【プロの寸評】
2021年の訪問時に、もう少し中の様子を詳しく取材できれば良かったのだが、五稜郭の桜を撮影するため、函館にとんぼ返りする必要があったため、時間がなかった。
間違いなく云えるのは、「道の駅 江差」よりずっといい。
「道の駅 北前船松前」最寄りの温泉
約5キロ・クルマで10分弱
☎0139-42-4919
大人400円
11時~21時(受付最終20時30分)・火曜定休
コンビニ
セイコーマートまで約500メートル。
スーパーマーケット
約2キロのところにある「ラルズマート 松前店」。
「道の駅 北前船松前」アクセスマップ
北海道の道の駅 車中泊好適度チェック!
日本全国 車中泊旅行ガイド
クルマ旅のための車中泊入門サイト
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