この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
確実にたどり着く秘訣は、宗谷岬公園にあり。
宗谷丘陵にある「白い道」【目次】
白い道とは…
「白い道」は、地質的に珍しい「周氷河地形」として北海道遺産に登録されている宗谷丘陵に設けられた、全長約11㎞の「宗谷丘陵フットパスコース」の、ゴール側(宗谷地区)約3㎞部分に、ホタテの貝殻を砕いて敷き詰めた道のこと。
ホタテの貝殻は再利用する方法がなく、それまでは産業廃棄物として捨てられていたが、フットパスの砂利道を歩きやすくすると同時に、青い空と海、そして周囲の緑に白さが映えるという景観の良さを求めて、2011年(平成23年)に当時の稚内市産業観光課職員のアイデアで誕生した。
SNSで絶景の噂が広まった今では、この美しい景観を維持するために、市の職員を動員しての草抜き作業が、年に数回行なわれているという。
ただバイクやクルマで行くと、この「白い道」の在り処は実に分かりにくい。
筆者も一度目は小さな案内看板を見落とし、通行止めの道に紛れ込んでしまった。
そこでその経験から、マイカーやバイクで行くための正確なルートガイドを用意することにした。
宗谷岬公園からスタートする
道である以上どこかには通じているわけだが、「白い道」は最終的に宗谷岬と稚内市内を結ぶ、国道238号に合流する。
ゆえに稚内方面から来る人は、途中で「白い道」に切れ込もうとするわけだが、そちらからのアクセスルートには、いっさい案内表示はない。
なぜなら「白い道」は幅が狭く、クルマが対抗できない部分が大半であるため、稚内市と観光協会は混雑を避けるために「案内上の一方通行」を貫いているからだ。
しかし逆方向の宗谷岬の山の手に広がる「宗谷岬公園」からは、「白い道」に行く途中の5ヶ所に小さいながらも案内表示がつけられており、ゆっくり走って見落とさないように進めば、確実に到着できる。
もっとも見落としやすいのは4つ目の案内表示のあるこの三叉路。筆者も一度目はこれを見落としてしまった。
ここを無事通過できれば、200メートル手前に最後の案内表示がある。
道路状況は?
さて。クルマにとってはこれが次に重要な点なのだが、「白い道」に通じる前後の道は、すべて舗装され、ほぼ片側1車線が確保できている。
キャンピングカーでも走れるの?
確証はないが、通るだけならジルクラスのキャブコンでも大丈夫そうだ。
ただし対向車が来ると、ところどころに設けられた退避場所までバックしてもらうことになるため、場所によっては相手にかなり迷惑がかかるだろう。