北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年7月現在の「道の駅 スワン44ねむろ」の車中泊情報をご紹介。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 スワン44ねむろ」は、可燃物が捨てられる根室半島唯一の道の駅だが、駐車場の傾斜がきつく車中泊には適していない。
道の駅 スワン44ねむろ DATA
道の駅 スワン44ねむろ
〒086-0073
北海道根室市酪陽1
☎0153-25-3055
4月~10月:9時~17時
11月~3月:10時~16時
レストランは
4月~10月:11時~15時30分
(LO/15時)
11月~3月:11時~14時30分
(LO/14時)
月曜定休
「道の駅 スワン44ねむろ」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第15回
登録日/1999年8月27日
「道の駅 スワン44ねむろ」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.07.11
2010.09.04
2011.09.16
2012.10.25
2015.08.07
2020.08.01
2021.07.07
2022.08.02
※「道の駅 スワン44ねむろ」での現地調査は2022年8月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年6月に更新しています。
道の駅 スワン44ねむろ
「道の駅 スワン44ねむろ」のロケーション
国道44号に面した「道の駅 スワン44ねむろ」は、根室半島の付け根にある「風蓮湖」の畔に建つ道の駅。
周辺には”モノのみごと”に道の駅がなく(笑)、下調べをしない車中泊の旅人は、ひたすらここを頼りに霧多布から東に向かうのだろう。
その突き当りに当たる「納沙布(のさっぷ)岬」は、ロシアとの”国境が見える地”として知られている。
「納沙布岬」からは、好天であれば国境を示す貝殻島がはっきり見え、ロードサイドには僕らが子供のことに耳にした、「取り戻そう、北方領土」ではなく、「返せ、北方領土」と強い口調で記された看板があちこちに立てられている。
「納沙布岬」ではぜひ「北方館」に立ち寄り、今なお解決の糸口さえ見えない北方領土についての見識を深めてきてほしいと願うのだが、「道の駅 スワン44ねむろ」からは約40キロ・1時間ほど離れている。
だが根室の市街地には、知る人ぞ知るベスト車中泊スポットの「明治公園」がある。
ゆえに野鳥に興味がないのであれば、「道の駅 スワン44ねむろ」には、車中泊をするより休憩で立ち寄るほうがいい。
ちなみに「風蓮湖」には、道の駅の名にスワンの文字があるように、秋になるとオオハクチョウが飛来する。
しかし琵琶湖と同じで、「風蓮湖」でその姿が見られるのは夕方から翌朝まで。
白鳥たちは日中は丘にあがり、落穂をひたすら食べて過ごしている(笑)。
また「風蓮湖」と根室湾を区切るように伸びる「春国岱(しゅんくにたい)」は、「ラムサール条約」に登録された野鳥の楽園で、湿地に設けられた木道から、無料で生き物たちを観察をすることができる。
「春国岱」には野生のタンチョウやオジロワシも生息しており、朝からその観察に行くなら、ここでの車中泊はお勧めだ。
「道の駅 スワン44ねむろ」の施設
車中泊で「道の駅 スワン44ねむろ」を利用する場合の難点は2つ。
ひとつは駐車場の傾斜だ。
上のマップの国道44号沿いに設けられているのが普通車用の駐車スペースだが、根室に向かってひたすら下り坂が続いている。
目の前にゴミステーションがあって駅舎にも近く、そのうえ唯一とも云えるフラットな場所は、残念にもバス・トラック用になっている。
そのため、静けさを求めると傾斜のある場所に行かざるをえない。
もうひとつは利便性。
コンビニやスーパーに加えて、入浴施設さえも根室市内まで行かなければない。
そして、そこまで行くなら「明治公園」はもうすぐそこになる。
いっぽう「道の駅 スワン44ねむろ」の館内は、全面ガラス張りになっており、「風蓮湖」や「春国岱」が一望できる。
窓際には備え付けのフィールドスコープが用意されており、ワイルドライフが好きなら、ここから野鳥を探したり、展示された写真を見ながら、ゆっくり時間を過ごすのはお勧めだ。
24時間トイレは入口の外にある。
「道の駅 スワン44ねむろ」は2000年の開業だが、トイレはきちんとウォシュレットに改修済だ。
売店には、カップの「花咲がにラーメン」などの、いかにも根室らしいオリジナル商品が並んでいるほか、一部鮮魚やカニの販売も行っている。
写真左はタラバ、右が花咲ガニ。
ただしいずれも正式にはヤドカリの仲間で、本当のカニじゃない。
さて。
奥にあるレストランでは、根室のソウルフード「エスカロップ」が食べられる。
「エスカロップ」は、タケノコが入ったバターライスの上にトンカツをのせ、上からデミグラスソースをかけた根室市の地方料理で、語源はフランス語の「エスカロープ(escalope=肉の薄切り)らしい。
写真はその発祥の店「モンブラン」の味を引き継ぎ、50年以上にわたって「元祖エスカロップ」を守り続ける「ニューモンブラン」のエスカロップ。
根室市内には、他にも「どりあん」などの有名な店がある。
「道の駅 スワン44ねむろ」の車中泊好適度
「道の駅 スワン44ねむろ」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:駐車場前にあり24時間利用可。
缶・ビン・ペットボトル:同上
小動物どころかヒグマも生息する北海道だけに、ちゃんとゴミが荒らされないように工夫されている。
なお、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 スワン44ねむろ」の最寄りの温泉&周辺買物施設
みなと湯
大人480円
15時~22時・月曜定休
コンビニ、スーパーマーケットともに約16キロ離れた根室市街まで行かないとない。
「道の駅 スワン44ねむろ」のアクセスマップ