この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。

道東の名だたる名所を車中泊で辿る、あこがれの旅路
道東ファーストルート【目次】
道東ファーストルートの概要
「道東ファーストルート」とは、釧路から根室・知床を経由して、網走さらにサロマ湖へといたる海岸沿いの観光地を、時計回り、もしくはその反対回りでめぐる、まさに「道東観光の王道」と呼ぶに相応しい旅路だ。

「頂点」は知床半島
まずは北海道全域の中でも知名度が高く、日本離れした体験ができる、世界自然遺産「知床半島」の話から始めよう。
上のマップを見れば分かる通り、「知床半島」は紋別から続く「オホーツク・ライン」と、釧路から根室半島を周回して北上してくる「釧路・根室ライン」がぶつかる、いわば「道東ファーストルート」の「頂点」にあたる。
それもあって両ラインから独立させているのだが、筆者のガイドはバスツアーとはかなり異質で、車中泊の旅人には「知床半島」を独立させても十分に成り立つだけのコンテンツを有している。
それだけに、読めば間違いなく北海道に来た気になれること請け合いだ。
ただし「ワイルドライフ」が好きという条件付きになるけどね(笑)。
「世界自然遺産」とはいえ、知床半島は好き嫌いがはっきり分かれる場所だ。
前述したようにワイルドライフが好きな人にはいいが、そうでもない人には不便なだけで、さほど楽しいところではあるまい。
だが、そもそも羅臼もウトロも、スーパーマーケットひとつない最果ての漁師町…

稚内から始まる「オホーツク・ライン」
「オホーツクライン」は、道北の稚内と道東の網走を結ぶ国道238号の別称だが、最近は網走を超えて、国道244号、国道334号で知床半島のウトロに至る、複合広域ルートを指して呼ぶことが多いし、実勢にも即している。



グルメな旅人ほどハマる「釧路・根室ライン」
釧路といえば、湿原を走るノロッコ号の車窓から見える、「手つかずの原野」をイメージする人が多いと思う。
だが「釧路・根室ライン」までくれば、これが国道から見える光景となり、もはや原野が”特別”というわけではなくなる(笑)。
そこで、ここでは「おいしい自然の恵み」についても言及したい。
もちろん、有名店や行列店にもそれなりに足を運んでいるので、その食レポも掲載しているが、読者が当サイトに期待しているのは、既に数多の旅行系ブロガーに紹介し尽くされた場所より、「車中泊ならでは」というグルメが味わえるところだと思っている。
たとえば、釧路と根室の中間に位置する厚岸(あっけし)は、年間を通じて牡蠣が水揚げされることで知られており、「コンキリエ」の愛称で知られる「道の駅 厚岸グルメパーク」に行けば、レストランでその牡蠣が味わえる。
しかし、そこからクルマで5分たらずの場所にある、厚岸漁協の直売所「エーウロコ」に行けば、新鮮なナマの牡蠣が1個からでも購入できる。
しかも店内では電子レンジと調味料が無料で使えるので、自炊用品を持たない旅人でも、好きな数だけ食べることが可能だ。
また、かつて厚岸駅で販売していた名物駅弁「かきめし」も、駅前の「氏家待合所」に行けば、今でもテイクアウトすることができる。
さらに根室では、この地でしか水揚げされない花咲ガニが有名だが、地元のスーパーでは、本来のダシが効いた鉄砲汁用に、茹でていないナマのままの「切り身」を、アッと驚くようなプライスで売っている。

道東ファーストルート 車中泊旅行ガイド
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