北海道のナキウサギ 生息・観察・撮影地ガイド【クルマ旅のプロが解説】

ナキウサギ未登録
「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
「日本クルマ旅先100選」 ~テーマはディスカヴァー・ジャパン~
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年9月現在の「日本クルマ旅先100選」をご紹介。
スポンサード・リンク

誰もがナキウサギに出会える場所は、北海道内に2ヶ所ある。

北海道のナキウサギ 生息・観察・撮影地ガイド 【目次】

ナキウサギとは…

お勧めの観察スポット

自ら動いて探すほうがいい、十勝岳望岳台

じっくり待って現れるのを待つほうがいい、然別

撮影アドバイス

スポンサード・リンク

ナキウサギとは…

ナキウサギ

ナキウサギは、日本では北海道だけに生息する小さなウサギだが、不思議なことに、国の天然記念物には指定されていない。

大陸と北海道が陸続きになった氷河期に移動してきたといわれ、大雪山系、日高山脈から夕張山地、北見山地を中心に生息している。

ナキウサギは寒さには対応できるが、熱さに弱く、15度以下でなければ生きることができない。そのため、飼育することが難しいとされている。

然別湖

住処は標高1500メートルほどの岩場で、付近にはエゾマツ、ダケカンバなどの森林地帯がある。

冬眠しないナキウサギは、ここで春から秋の間に新鮮な草を集め、それらを積んで干し草を作り、巣穴に運び込んで貯蔵する。

●習性
警戒心は強いが、昼行性で昼間に活発に活動する

●鳴き声
「キチッキチッ」「ピィッピィッ」

●サイズ
15センチ、体重130グラムほど

●食べ物
コケモモなどの草の葉や茎、シダ、蘚苔類、茸などの植物

動画は手持ちによる超望遠撮影によるもの。三脚を出す前に現れたため、そのまま録画を開始した。

画面が多少揺れ動いているのが残念だが、どうしようもなかった。

スポンサード・リンク

お勧めの観察スポット

駒止湖

ナキウサギの観察スポットで一般的に知られているのは、美瑛の白金温泉に近い十勝岳望岳台の自然探勝路と、東大雪にある然別湖に近い駒止湖の遊歩道の2ヶ所だろう。

筆者はどちらにも足を運んで撮影してきたが、両者には大きな違いがある。

簡単に云うと、アニマルウォッチングには2通りの手法がある。

自ら動いて探すほうがいい、十勝岳望岳台

望岳台のナキウサギは、登山道ではなく、駐車場の逆サイドにあたる望岳台探勝路の溶岩地帯に棲んでいる。

十勝岳望岳台

探勝路といっても、道は未舗装でブッシュが覆い、人がひとり通れるだけのようなところもある。

その探勝路を駐車場から15分ほど歩くと、大きな溶岩の山が見えて視界が広がり、ナキウサギの声が聞こえてくる。

つまりここでは、比較的広いエリアをナキウサギの居そうなところを歩いて探す必要がある。

しんどいのは確かだが、見つけた時の喜びは大きい。

望岳台

なお十勝岳望岳台には、2016年に真新しい「防災シェルター」ができており、休憩はもちろん車中泊をすることも可能だ。

マップをグーグルナビに切り替える方法
スマートフォンでご覧の方は、「拡大地図を表示」をタップし、画面が切り替わったら下の「ナビ開始」をタップするとナビゲーションが始まります。 高速道路か国道にするかを選びたい場合は、「ナビ開始」ボタンの左にある「経路」をタップすると表示されます。
スポンサード・リンク

じっくり待って現れるのを待つほうがいい、然別

ナキウサギ

然別のナキウサギ観察ポイントは、数ヵ所に分かれている。

だがネットで検索しても、自慢の写真ばかり並び、肝心な場所の説明が曖昧なサイトが大半で、正直云ってほとんど役に立たなかった(笑)。

プロとアマチュアの作る記事の違いは、そういうところに表れる。

ここでは現地のガイドさんに話を伺い、素直にそのアドバイス通りに動いて撮影に成功した、「とっておきの場所と方法」を紹介しよう。

ナキウサギ

何のためにネットで検索しているかと云えば、そりゃ自分のカメラで、かくも愛くるしいナキウサギを写したいからに決まっている。

「どうせなら、そっちを詳しく教えてくれよ~」と強く思ったものだ。

然別橋

さて。

筆者が撮影できた場所は、この「然別橋」を帯広方面から然別湖に向けて渡ったすぐのところにある。

「然別橋」は、上記マップのゴールにしている「湖底線路」より、少し帯広寄りを流れる然別川に架かる短い橋だが、徐行しながらでないと間違いなく通り過ぎてしまうと思う。

然別橋

そしてナキウサギが居るのは、なんとクルマの真横。

ここのナキウサギは完全にクルマ慣れしているので、エンジン音に驚きもしない。

クルマは橋の両側を合わせて、5.6台ほど駐められる。

ただし、夕方に訪れた一度目は姿を見せてくれなかった。

ナキウサギ

撮れたのは翌日の朝7時過ぎ。やはり早朝のほうが確率は高いようだ。

然別湖 湖底線路

ちなみにこちらが然別湖の「湖底線路」。SNSで話題になり、近年若者を中心に訪れる人が急増している。

然別湖畔公園

なお早朝にナキウサギを狙うなら、トイレがある然別湖湖畔公園の無料駐車場での車中泊が近くて便利だ。

スポンサード・リンク

撮影アドバイス

ナキウサギ

まずスマホでナキウサギをまともに撮影するのは不可能に近い。

ナキウサギ

こちらは、ほぼ同じ位置からiPhone12の最大望遠で撮影した画像。

これでもかなり近くで撮れたほうだが、サイズの違いにご注目(笑)。

ニコン超望遠カメラ

筆者が愛用しているカメラは、「野鳥モード」という超望遠&高速連写機能が搭載されたニコン製のデジカメで、画像なら手持ちで確実に射止められる。

ラッコ

ちなみにこちらのラッコも同じカメラで撮影してきた。

しかし観察だけなら話は別。

もちろん双眼鏡は必要だが、見つけるコツは、鳴き声が聞こえた方角にある見晴らしの良さそうな岩の上を丹念に探すことだ。

筆者の印象では、ナキウサギは好奇心が旺盛で、人が自分たちのテリトリーに近づいたら、必ずどこかでこちらの動きを観察しようとする。

ゆえにシャッターチャンスは「出会いがしら」にあることが多い。

また鳴き声は聞こえるが、なかなか姿を見つけられない時は、一度そこを離れて油断させ、しばらく間を開けてから再びアプローチをしてみよう。

自然観察には根気と運がモノをいう。

最低でも2時間は粘るつもりで…

フェイスブック
インスタグラム

この記事がよく読まれています。

車中泊クルマ旅は、日本の新しい「旅のカタチ」
自由奔放。行きたいところに、行きたい時に、居たいだけ。そんな車中泊でクルマ旅の紹介です。
【車中泊のゴミ対策】道の駅で車中泊旅行中に出るゴミを捨てるのはOK!<クルマ旅のプロが解説 2022年12月更新> 
【2022年12月更新】車中泊旅行歴25年のクルマ旅のプロがまとめた、道の駅での旅行ゴミの処分に関する記述です。
車中泊のお勧めグッズ&アイデア 一覧
これまで取材してきた、車中泊のお勧めグッズとアイデアの一覧です。
RENOGY(レノジー)リチウムイオン・サブバッテリーの取り付けと載せ替える際の注意点と依頼先
この道25年の現役クルマ旅専門家がまとめた、RENOGY(レノジー)のリチウムイオン・サブバッテリーの、取り付けと載せ替える際の注意点と依頼先の情報です。
オートパッカーの「プロモデル」キャンピングカー ”ハイエースWiz”
車中泊旅行歴25年の現役のクルマ旅専門家・稲垣朝則が実践している、車中泊旅行スタイル「Auto-Packer(オートパッカー)」の、”プロモデル”として使われているハイエース・キャンピングカーWizの実使用レポートです。
スポンサード・リンク
タイトルとURLをコピーしました