この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
「柳月スイートピア・ガーデン」の隣にできた「道の駅おとふけ」で車中泊して、朝から並ぶのが確実
柳月「三方六の切れ端」の確実な購入法【目次】
柳月の三方六とは
十勝を舞台に2019年に放送された、NHKの朝ドラ「なつぞら」に登場する和菓子屋「雪月」のモデルでは?
そう噂されたことで一躍全国にその名を知られることになった柳月は、「六花亭」と双璧をなす帯広の老舗和菓子メーカーとして、昔から道内では有名だ。
「六花亭」に比べると店数は少ないが、道外からの車中泊旅行者は、フェリーが発着する苫小牧東港の近くにあるイオンに出店しているので、足を運べば商品を直接手にすることができる。
その柳月を代表する銘菓が、この「三方六(さんぽうろく)」だ。
白樺の木肌をホワイトチョコとミルクチョコで表現した、この上品なバウムクーヘンは、三角に割られた薪をイメージに切り分けられ、1965年(昭和40年)に北海道開拓100年の記念品として発売されて以降、ロングセラー商品となっている。
北海道の開拓時代には、開墾のために伐採が各地で行われ、まっすぐな木は建築のために、その他は薪に割られ、厳しい冬の燃料として使われた。
その薪の三方のサイズが、それぞれ六寸(約18センチ)であったため、薪は「三方六」と呼ばれていたそうだ。
「三方六のはじっこ」を確実にゲットする手順
さて。
その「三方六」を焼く際に必ず出るのが、この「端クズ」だ。
柳月ではこれを「三方六のはじっこ」と呼んで、毎朝開店前にプレーンを1キロ500円という破格値で販売している。
筆者は以前に道内の友人から頂いたことがあるので知っていたが、特に「なつぞら」の放送以降は噂が広がり、今では平日でもこの状況(笑)。
さらに隣にできた「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」のいい噂が広まれば、これに道外ナンバーの観光客が加わり、もしかしたらインバウンドまでが並び出すかもしれない。
というわけで、絶対に外さない購入方法を伝授しておこう。
なぜなら、公式サイトや他のサイトに書かれている「販売時間の9時前には並んでおく」ではもう絶対に間に合わないからだ。
「三方六のはじっこ」を買うには「整理札」が必要
行列が定着して以降、柳月ではその日の販売メニューと個数に合わせた「整理札」を用意し、事前に配布している。
スタッフがそれを持って行列の前に姿を現すのは、だいたい8時15分から20分頃で、そこでメニューと買い方などの説明を行い、それから整理札を配り始める。
つまりこの時点で、出遅れていたらアウトということ。
日によって違うと思うが、2022年7月の平日段階で、7時30分なら余裕でセーフ、8時ではギリギリという感じだった。
ただ最近は正規のサイズが売り切れた後、プレーンのハーフサイズ(500グラム)を350円で追加販売しており、できるだけ数を増やしている。
ちなみに「三方六のはじっこ」は、大人でも子供でも「ひとり1個」が買える。
今は「整理札」をもらった後も、並び続けなければならない。
これは以前とは明らかに変わったところで、2021年までは整理札を受け取ったら一度解散して、開店後にゆっくり受け取りに行けた。
しかし現在は整理札を受け取ってからも、そのままの位置でレジがオープンするまで並び続けなければならなくなっている。
ということは…
7時半から並んで9時までは、必ず行列に参加しなければいけないということだ。
ゆえにベテランさんたちは、イスと朝食を持参でやってくる(笑)。
もっとも…
正規の「三方六」が1本1000円もしないので、「わざわざこんな面倒なことをしなくてもいい」と云ってしまえばそれまでだが(笑)、旅行者にとってこれは「買い物」というより「ゲーム」。
そう、「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」で車中泊をする際の「余興」、すなわちアトラクションだ。
後日このことを知る友人から、「ええ~、道の駅おとふけで車中泊したのに、柳月には行ってないの~!」と云われたくない人、逆にそう云ってやりたい人には、絶賛お勧めだと思う(爆)。
なお「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」と「柳月スイートピア・ガーデン」は、敷地が通じているので歩道を通れば自由に行き来ができる。
また両者の駐車場の間にも大きな門があるので、開いていればクルマでも行けるのだが、開門時間は日によって違うようだ。
最後に「道の駅 おとふけ なつぞらのふる里」の車中泊に関する情報は、こちらの記事に詳しくまとめている。