北海道・太平洋フェリー「名古屋~仙台~苫小牧便」乗船レポート【クルマ旅のプロが解説】 

太平洋フェリー

25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、名古屋~仙台~苫小牧を就航している太平洋フェリーの乗船レポートです。

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車中泊

この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。

車中泊旅行者にとって、本当に役立つ「車中泊スポット情報」とは?【車中泊旅行家が解説】
25年のキャリアを誇る車中泊旅行家が、自分たちにとって本当に有益といえる「車中泊スポット情報」とは何かを、具体的にわかりやすく解説しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。


 

~ここから本編が始まります。~

北海道航路で、もっともゴージャスな船旅が味わえる太平洋フェリー

太平洋フェリー

太平洋フェリーの筆者の利用記録

2017.10.09 名古屋港→仙台
2021.04.22 苫小牧→名古屋
2021.07.15 苫小牧→名古屋
2022.07.19 名古屋→苫小牧
2022.08.10 苫小牧→名古屋
2024.10.22 仙台→名古屋
2025.06.06 仙台→名古屋

太平洋フェリーの乗船は、2025年6月が最新です。

太平洋フェリー【目次】

太平洋フェリーはシニアに人気

太平洋フェリーは、仙台で一時下船が可能

太平洋フェリーの船内

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太平洋フェリーはシニアに人気

「太平洋フェリー」は名古屋~苫小牧間を約40時間で結んでいるため、船内で2泊が必要だ。

そのため、現役世代のように北海道での滞在時間が限られる旅行者には、どうしても敬遠されやすい。

同じ苫小牧に着岸する「新日本海フェリー」の敦賀便は、約20時間の航行で夜の20時30分に到着する。

ライダーや現役世代は、それから目的地に向けて出発するが、夜間の走行が億劫になる中高年の場合は、着いてもすぐ近くで車中泊がしたくなる(笑)。

「太平洋フェリー」が苫小牧に到着するのは、翌日の午前11時。

時間差の大半は深夜に当たるので、活動できる実質的な時間の差はせいぜい5時間ほどしかない。

太平洋フェリー

それなら、空調が効いた快適な船内で泊まる方がいいという考え方もできる。

しかも「太平洋フェリー」は、他社の船に比べると明らかに船内はゴージャスで、ちょっとリッチな船旅気分が味わえる。

なお船舶には「きそ」と「いしかり」があり、設備には若干の違いがあるようだ。

名古屋港

加えて、「太平洋フェリー」は名古屋港を19時に離岸するが、17時30分には乗船が始まるので、船内でゆっくりと晩酌や食事が楽しめる。

すなわち、深夜に出港する新日本海フェリーに比べると、乗船に関するストレスには雲泥の差があり、そのことも、既に定年退職していて、自由に時間を選べるシニアにはありがたい。

割引について

「太平洋フェリー」には、JAF会員割引、イオンクレジットカード会員割引、インターネット予約割引のほか、イベント・キャンペーン絡みの早割プランなどがあり、早割プランは以下のサイトで確認できる。

太平洋フェリーは、仙台で一時下船が可能

仙台港

「太平洋フェリー」は、名古屋から来ると乗船日翌日の午後16時40分頃に仙台港に到着し、2時間ほど下船(人のみでクルマは不可)することができる。

イオン

旅慣れた人たちは、1キロほど離れたところにある「イオン多賀城店」まで歩き、夕食と翌日の朝食を購入する。

太平洋フェリー

筆者の晩飯はいつもこんな感じで、車中泊時とほとんど変わらない(笑)。

善次郎 牛タン

またイオンの向かいには、仙台名物の牛タンの人気専門店「善次郎」がある。

ちょうど17時から夜の部の営業が始まるので、ほぼ開店と同時に入店できる。

ただしこの話は有名なので、のんびりしていると同じフェリーに乗っている客が先着して、行列ができてしまうこともあるのでご注意を。

牛タン定食

筆者がオーダーしたのは「牛タン定食(3枚・6切れ)」1900円(2021年7月)。

牛タンは塩加減がほどよく、なかなかの美味だったが、この店は付き合わせの白菜とテールスープも旨かった。

ただここでの夕食を想定するなら、昼食を早めに済ませるか、軽く食べる程度にとどめておく必要があるだろう。

それが難しければ、テイクアウト用の弁当も販売している。後述しているが、船内には電子レンジが置かれており、乗客は誰でも無料で自由に使える。

ちなみに苫小牧からだと10時頃に仙台に入港するので、午前11時の開店時間に行くことも可能だ。

太平洋フェリー

なお下船には事前申請が必要なので、早めに手続きを済ませておこう。

太平洋フェリーの船内

太平洋フェリー

写真は「いしかり」の1等洋室インサイド。窓がない分料金は安いが、クオリティーは十分だ。

太平洋フェリー

冷蔵庫とトイレに加え、他社にはないシャワーも用意されている。

ただし、インターネットの電波はほとんど届かない。

太平洋フェリー

個室でネットの電波状況がいいのはアウトサイドだが、こちらはひとりでは予約できない。

太平洋フェリー

いっぽう、写真は「きそ」のS寝台と呼ばれるカプセルホテルのような部屋。

太平洋フェリー S寝台

大部屋が4つの小部屋に分かれており、それぞれに4つのベットが配置されているが、空いている時は小部屋が貸し切りになることもある。

筆者は一人旅で名古屋~仙台間を利用する際には、ここを利用することが多い。

その理由のひとつはコストだ。

運賃が最安値となるA期間の場合、S寝台は27,300円(5メートル未満車でインターネット割引適用)で利用できる。

筆者のハイエースは、高速でもリッター8~9キロしか走れないので、仮に9キロで試算すると、仙台フェリーターミナル~名古屋フェリーターミナル間は693キロなので、ガソリン代165円/リットルとすると、燃料代は12,705円。

それにETC割引での高速料金14,820円を加えると、合計は27,525円となり、むしろ自走のほうが高くなる。

もうひとつはこちら。

太平洋フェリー

寝る時以外は、5階のパブリックスペースに行けば、ネットも繋がりやすいこういうスペースがあって自由に使えるし、窓側の壁にコンセントも用意されている(写真は「きそ」の船内)。

太平洋岸を航行するので、ネット環境は心配していたよりはマシだった。

しかし千葉を過ぎると福島までの間はつながらない時間が増える。

太平洋フェリー

船内には有料のWi-fiが飛んでいるが、筆者は必要に応じて即110Gまで大盛りに変更できるアハモの契約者なので不要だ。

太平洋フェリー

大浴場。

太平洋フェリー

さすがに露天風呂はないが、浴槽は2つあって、ひとつはジャグジーになっている。

太平洋フェリー

筆者が一番驚いたのはシアタールーム。これまで乗ったどの船よりも豪華だった。

太平洋フェリー

そしてレストラン。

バイキングのようだが利用したことない。

太平洋フェリー 給湯室

「きそ」の5階のプロムナードには立派な給湯室があり、そこには電子レンジも置いてあるので、いつでも自由に利用できる。

太平洋フェリー

売店はフェリーにしては大きく、土産品も名古屋・仙台・北海道と、ひととおり揃っていた。

太平洋フェリー

着替えや歯ブラシなど、宿泊時の必要品も揃えてある。

もちろん、サッポロクラシックも!(笑)。

 

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