25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、名古屋~仙台~苫小牧を就航している太平洋フェリーの乗船レポートです。
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~ここから本編が始まります。~
北海道航路で、もっともゴージャスな船旅が味わえる太平洋フェリー
太平洋フェリーの筆者の利用記録
2017.10.09 名古屋港→仙台
2021.04.22 苫小牧→名古屋
2021.07.15 苫小牧→名古屋
2022.07.19 名古屋→苫小牧
2022.08.10 苫小牧→名古屋
2024.10.22 仙台→名古屋
2025.06.06 仙台→名古屋
太平洋フェリーの乗船は、2025年6月が最新です。
太平洋フェリー【目次】
太平洋フェリーはシニアに人気
「太平洋フェリー」は名古屋~苫小牧間を約40時間で結んでいるため、船内で2泊が必要だ。
そのため、現役世代のように北海道での滞在時間が限られる旅行者には、どうしても敬遠されやすい。
同じ苫小牧に着岸する「新日本海フェリー」の敦賀便は、約20時間の航行で夜の20時30分に到着する。
ライダーや現役世代は、それから目的地に向けて出発するが、夜間の走行が億劫になる中高年の場合は、着いてもすぐ近くで車中泊がしたくなる(笑)。
「太平洋フェリー」が苫小牧に到着するのは、翌日の午前11時。
時間差の大半は深夜に当たるので、活動できる実質的な時間の差はせいぜい5時間ほどしかない。
それなら、空調が効いた快適な船内で泊まる方がいいという考え方もできる。
しかも「太平洋フェリー」は、他社の船に比べると明らかに船内はゴージャスで、ちょっとリッチな船旅気分が味わえる。
なお船舶には「きそ」と「いしかり」があり、設備には若干の違いがあるようだ。
加えて、「太平洋フェリー」は名古屋港を19時に離岸するが、17時30分には乗船が始まるので、船内でゆっくりと晩酌や食事が楽しめる。
すなわち、深夜に出港する新日本海フェリーに比べると、乗船に関するストレスには雲泥の差があり、そのことも、既に定年退職していて、自由に時間を選べるシニアにはありがたい。
割引について
「太平洋フェリー」には、JAF会員割引、イオンクレジットカード会員割引、インターネット予約割引のほか、イベント・キャンペーン絡みの早割プランなどがあり、早割プランは以下のサイトで確認できる。
太平洋フェリーは、仙台で一時下船が可能
「太平洋フェリー」は、名古屋から来ると乗船日翌日の午後16時40分頃に仙台港に到着し、2時間ほど下船(人のみでクルマは不可)することができる。
旅慣れた人たちは、1キロほど離れたところにある「イオン多賀城店」まで歩き、夕食と翌日の朝食を購入する。
筆者の晩飯はいつもこんな感じで、車中泊時とほとんど変わらない(笑)。
またイオンの向かいには、仙台名物の牛タンの人気専門店「善次郎」がある。
ちょうど17時から夜の部の営業が始まるので、ほぼ開店と同時に入店できる。
ただしこの話は有名なので、のんびりしていると同じフェリーに乗っている客が先着して、行列ができてしまうこともあるのでご注意を。
筆者がオーダーしたのは「牛タン定食(3枚・6切れ)」1900円(2021年7月)。
牛タンは塩加減がほどよく、なかなかの美味だったが、この店は付き合わせの白菜とテールスープも旨かった。
ただここでの夕食を想定するなら、昼食を早めに済ませるか、軽く食べる程度にとどめておく必要があるだろう。
それが難しければ、テイクアウト用の弁当も販売している。後述しているが、船内には電子レンジが置かれており、乗客は誰でも無料で自由に使える。
ちなみに苫小牧からだと10時頃に仙台に入港するので、午前11時の開店時間に行くことも可能だ。
なお下船には事前申請が必要なので、早めに手続きを済ませておこう。
太平洋フェリーの船内
写真は「いしかり」の1等洋室インサイド。窓がない分料金は安いが、クオリティーは十分だ。
冷蔵庫とトイレに加え、他社にはないシャワーも用意されている。
ただし、インターネットの電波はほとんど届かない。
個室でネットの電波状況がいいのはアウトサイドだが、こちらはひとりでは予約できない。
いっぽう、写真は「きそ」のS寝台と呼ばれるカプセルホテルのような部屋。
大部屋が4つの小部屋に分かれており、それぞれに4つのベットが配置されているが、空いている時は小部屋が貸し切りになることもある。
筆者は一人旅で名古屋~仙台間を利用する際には、ここを利用することが多い。
その理由のひとつはコストだ。
運賃が最安値となるA期間の場合、S寝台は27,300円(5メートル未満車でインターネット割引適用)で利用できる。
筆者のハイエースは、高速でもリッター8~9キロしか走れないので、仮に9キロで試算すると、仙台フェリーターミナル~名古屋フェリーターミナル間は693キロなので、ガソリン代165円/リットルとすると、燃料代は12,705円。
それにETC割引での高速料金14,820円を加えると、合計は27,525円となり、むしろ自走のほうが高くなる。
もうひとつはこちら。
寝る時以外は、5階のパブリックスペースに行けば、ネットも繋がりやすいこういうスペースがあって自由に使えるし、窓側の壁にコンセントも用意されている(写真は「きそ」の船内)。
太平洋岸を航行するので、ネット環境は心配していたよりはマシだった。
しかし千葉を過ぎると福島までの間はつながらない時間が増える。
船内には有料のWi-fiが飛んでいるが、筆者は必要に応じて即110Gまで大盛りに変更できるアハモの契約者なので不要だ。
大浴場。
さすがに露天風呂はないが、浴槽は2つあって、ひとつはジャグジーになっている。
筆者が一番驚いたのはシアタールーム。これまで乗ったどの船よりも豪華だった。
そしてレストラン。
バイキングのようだが利用したことない。
「きそ」の5階のプロムナードには立派な給湯室があり、そこには電子レンジも置いてあるので、いつでも自由に利用できる。
売店はフェリーにしては大きく、土産品も名古屋・仙台・北海道と、ひととおり揃っていた。
着替えや歯ブラシなど、宿泊時の必要品も揃えてある。
もちろん、サッポロクラシックも!(笑)。
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