この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

北アルプス登山客に対する感謝も配慮もない、典型的な時代遅れの体質
あかんだな駐車場には、上高地行きのバスターミナルがある。
上高地には、ランドマークの河童橋周辺を散策する日帰り観光客だけでなく、北アルプスの穂高連峰や槍ヶ岳への登山を目指す人も訪れる。
ということは、ハイシーズンの連休には、深夜の2時や3時に日本各地から利用者がやってくるのは当然だ。
にもかかわらず駐車場のゲートが、午後7時から翌朝3時30分までクローズドされるというのは、「空いた口が塞がらない」。
東海北陸自動車道の全線開通により、吹田インターから上高地へのアクセスは、長野自動車道の松本インター経由より60キロ以上短くなった。
おかげで仕事から帰って出発しても、日付が変わる頃には平湯に到着できる。
だが、登山客が利用する公共駐車場が、よもや夜間閉鎖されているとは、誰も思っていないに違いない。
ゆえに到着後「ええっ!」と絶句する。
また本来の車中泊とは、こういうケースで利用する宿泊手段なのに、それまで禁止するとは何事だ!
ここの管理者は、徹夜も辞さずに憧れの北アルプスを目指してやってくる登山客を何だと思っているのだろう。
安全に登山ができるための配慮として、運転疲れを癒やす「ほんのささやかなサービス」とも思えることすらできない、鈍感で自分たち本位で不勉強。
ここは国立公園利用者向けの市営駐車場としては「最低」極まりなく、まさに「奥飛騨温泉郷の恥」でしかない。
もう少し、「車中泊禁止」について言及しておこう。
想像するに「禁止したい事項」とは、上記の「乗鞍観光センターに置かれた看板」に記されていることなのだろう。
であれば車中泊を全面禁止しなくても、同じ内容の看板を立てて時折監視にくればいいだけだ。
しかもこちらは有料なのだから、まずややこしい客が来ることはない(笑)。
お金を取る以上 我々は「利用者」ではなく「お客様」になる。
民間ではありえない話だし、乗鞍でも尾瀬でも、一山越えた沢渡エリアでも、そんな傲慢な駐車場運営はしていない。
しかも問題は、それが10年以上改善されることなく続いていることにある。
参考記事
奥飛騨温泉郷 車中泊旅行ガイド


奥飛騨温泉郷周辺の観光情報

