車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「道の駅 氷見」の車中泊に関する記述です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。


能登半島の富山湾に面した「道の駅 氷見」は、国内屈指と呼ぶにふさわしい温泉併設の高規格な道の駅
道の駅 氷見(ひみ) DATA
道の駅氷見 ひみ番屋街
〒935-0004
富山県氷見市北大町25-5
☎0766-72-3400
営業時間:8時30分~18時
飲食施設/ 11時~18時
回転寿司/ 10時~20時
総湯/平日10時~23時・土日祝7時~23時
1月1日のみ休業
「道の駅 氷見」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第15回
登録日/1999年8月27日
開駅日/2000年4月21日
2012年10月に現在地に移転、「ひみ番屋街」としてリニューアルオープン。
「道の駅 氷見」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.11.01
2010.01.29
2012.04.21
2013.03.16
2013.04.27
2014.04.11
2014.10.11
2015.03.16
2019.07.11
2022.09.26
「道の駅 氷見」での現地調査は、2022年12月が最新になります。
道の駅 氷見【目次】
「道の駅 氷見」のロケーション
富山県氷見市は、能登半島の東側付け根部分に位置する風光明媚な漁業の町だ。
金沢から能登半島を一周してくると1日ではかなり厳しいが、「千里浜なぎさドライブウェイ」がある羽咋市から、国道415号で能登半島を横断すれば、約25キロ・40分足らずで到着できる。
温かい対馬海流と冷たい海洋深層水が層をなし、暖流系と冷水系の魚が共存している富山湾に面した氷見漁港には、四季を通じて156種もの魚が水揚げされるという。
そのため氷見は昔から魚が美味しいことで知られ、市内には全国にその名がとどろく有名な回転寿司の本店がある。
ちなみに氷見の代名詞は、冬場に水揚げされる丸々と太った天然のブリだ。
ご覧のような高値がつく「ひみ寒ぶり」は、2019年に商標登録されている。
いっぽうよく晴れた日には、氷見市内の海岸から、剱岳を筆頭に3,000メートル級の山々が連なる立山連峰を、富山湾越しに望むことができる。
とりわけケアラシが湧き上がる厳冬期の早朝は、幻想的な光景を目にするチャンス。
写真は2月に「道の駅 氷見」の海側にある「比美乃江公園水辺広場」から、手が凍えて指の感覚が薄れる中で撮影した。
正面の島の向こうにそびえる山が、映画にもなった「劒岳」だ。
ただ有名なのは、このように迫力ある情景が撮れる「雨晴海岸」だろう。
2019年の4月には、「道の駅 氷見」からクルマで10分ほどのところに「道の駅雨晴(あまはらし)」がオープンしており、今はそちらの展望室からも狙える。
「道の駅 氷見」の施設
冒頭で少し触れたように、かつての「道の駅 氷見」は漁港の一画にあり、筆者はその時代にも何度か利用したことがある。
当時の「道の駅 氷見」の鮮魚売り場は、まさにキトキト(笑)。
安くて珍しい魚も多かったので、筆者は富山に行くひとつの楽しみにしていた。
ただ老朽化か再開発なのか理由は分からないが、道の駅の移転新設が決定。
そして2012年10月。
旧道の駅から500メートルほど離れた比美乃江大橋の対岸に、驚くほど充実した「道の駅氷見 ひみ番屋街」が装い新たにオープンした。
こちらが現在の「道の駅 氷見」のレイアウト。以前の違いを明確にするためか「道の駅 氷見 氷見漁港場外市場 ひみ番屋街」が正式名のようだ。
ひみ番屋街は東西南北のブースに分かれて、大小32の専門店(海鮮・海産物店、土産品店等)や農産物直売所、飲食店が出店しているテナント型の商業施設で、かつてのような市場の雰囲気はなく、むしろモールに近い。
中にはテイクアウトの食品を売る店もあり、車中泊の食事にも困らない。
筆者のイチオシは、東の番屋②にある鮮魚店の「魚廣」で、地魚の刺身や惣菜をテイクアウトできる。
旬の終わりの時期とはいえ、とらふぐの刺し身が500円というのは驚き。てっさにすれば1000円以上はするボリュームだった。
もちろん地元の特産品を置く店も多く、魚に合う地酒も充実している。
いっぽうフードコートでは、ご当地グルメの氷見うどんやブラックラーメンが食べられる。
ただ「いく蔵」のブラックラーメンは、関西人にはたぶん塩辛すぎる。まして塩分控えめにご用心の中高年には、禁断のメニューだ(笑)。
番屋街の東と西の間に設けられたコンコースは、屋外の休憩所を兼ねており、季節のいい時期には特等席になる。
さらに道の駅と比美乃江公園の間には、無料の足湯まで用意されている。
さて、ここからは車中泊に関連性の高い話に進もう。
まず圧巻なのは、全面が平坦で300台を超える収容台数を誇る駐車場だ。
それでも今は「道の駅 氷見」の評判が知れ渡り、GWはほぼ満車に近い状況になるというから驚く。
広大な敷地だけに24時間トイレは両端に用意されているが、左に見える日帰り温泉の「氷見総湯」に近い、北側のこの建物のほうが大きい。
もちろん中にはウォシュレットが完備。
ここからなら「氷見総湯」まで歩いて行けるので、その周辺が車中泊の一等地になる。大型車の駐車場から一番離れているのも魅力だ。
ゆえにハイシーズンは激戦必至。
もしここにクルマが置けたら、もう動かさないのが「道の駅 氷見」でのセオリーだろう(笑)。
こちらの写真は、総合案内所がある南の番屋近くにある24時間トイレ。
個室の数は少ないが、やはりウォシュレットが完備されている。
ここは可燃物用のゴミ箱が近くにあるという点で便利だが、大型車用の駐車場にも近いので、周辺での車中泊はお勧めしない。
筆者は朝クルマでここまで移動してきて、処分させてもらっている。
最後は、「道の駅 氷見」の「離れ」について説明しよう。
こちらは正確に云うと「比美乃江公園水辺広場」の駐車場だが、駐車場の一画にトイレがあり、道の駅と同じように車中泊をすることができる。
ただしウォシュレットは、多目的トイレにのみ用意されている。
公園には広い芝生広場もあり、ペットをのびのび散歩させたい人には適している。
ただここでは長期滞在とおぼしき姿も見かけるので、良識ある旅人にはあまり居心地のいい場所ではないかもしれない(笑)。
とはいえ「道の駅 氷見」は、車中泊の「旅の駅」としては理想的というよりむしろ完璧に近い。
ここで研修を受けたほうがいいと思う道の駅は数え切れないだろう(笑)。
「道の駅 氷見」の車中泊好適度
「道の駅 氷見」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:南の番屋の前にあり。24時間利用可能。
缶・ビン・ペットボトル:同上
なお、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 氷見」の温泉&周辺買い物施設
「道の駅 氷見」に隣接している日帰り温泉施設「氷見温泉郷総湯」の泉質は、ナトリウム塩化物強塩温泉(高張性・中性・高温水) で、血液循環を促進させるほか、痛みをやわらげる鎮静効果があるというが、湯あたりすることがあるため、入浴は5分位内にという注意書きが貼られている。
筆者が気に入ったのは露天にある炭酸泉。こちらは天然ではないようだが、やや温めで15分ほど浸かると体の芯から温まる。
ただ惜しいのは湯船の狭さ…
誰もが書かれた内容を見て長風呂をするわけだが、大人なら6人ほどしか入れないため、空きがないとその快適さを体感することは難しい。
氷見温泉郷総湯
☎0766-74-2611
おとな650円
10時~23時(受付最終22時)・土・日・祝のみ朝風呂7時~
年中無休
最寄りのコンビニは、約1.5キロのところにセブン-イレブン。
また道の駅からクルマで5分ほどのところに、刺身の品揃えが充実しているスーパーマーケット「新鮮市場プラファ店(☎ 0766-72-8885)」がある。
「道の駅 氷見」のアクセスマップ
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