【2022年9月更新】
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「道の駅 白川郷」の車中泊に関する記述です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 白川郷」は、世界文化遺産「白川郷の合掌集落」に一番近い道の駅
道の駅 白川郷 DATA
道の駅白川郷
〒501-5625
岐阜県大野郡白川村飯島411
☎ 05769-6-1310
営業時間:8時30分~17時
食堂は9時30分~16時
年末年始(12月29日~1月1日)休館
「道の駅 白川郷」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第8回
登録日/1995年4月11日
開駅日/1996年4月26日
「道の駅 白川郷」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.11.03
2009.02.20
2010.01.30
2010.09.24
2013.04.27
2014.04.25
2015.03.14
2016.04.23
2021.11.04
2022.09.26
道の駅 白川郷【目次】
「道の駅 白川郷」のロケーション
「白川郷」の名で親しまれている写真の荻町集落は、正式名称を「白川郷・五箇山の合掌造り」といい、1995年12月に世界文化遺産に登録された。
ユネスコに評価されたのは、長年にわたって豪雪地帯の大雪に耐え続け、屋根裏に養蚕の工夫が施された家屋と、集落を取り巻く自然の景観。
季節を問わず、訪れた人の誰もが「日本の原風景」という表現にうなずく情景が、今も変わらずそこには在る。
さて。
「道の駅白川郷」は、その荻町集落にもっとも近い道の駅で、年間を通して車中泊客が絶えない人気の道の駅のひとつだ。
「東海北陸自動車道」の白川郷インターから、わずか2.5キロ・3分。前を通る国道156号からは、一目でそれと分かるユニークなデザインの建物が見える。
ただし近いと云っても、荻町集落までは3キロ以上あり、道の駅から歩くと40分はかかるだろう。
そのため荻町集落内の見学には、1000円払ってこの「村営せせらぎ公園駐車場」を利用するほうが賢明だ。
ちなみに、「道の駅白川郷」のトイレに近い第1駐車場の収容台数は、45台しかないため、春と秋の連休は混雑する。
ただ道の駅の一段下には、この115台が駐められる広大な第2駐車場があるので、満車で駐められない事態には至らないと思う。
それでも車中泊時に隣にクルマを駐められるのが苦手な人は、13キロほど南にある、温泉隣接の「道の駅 飛騨白山」を利用するほうが落ち着けるかもしれない。
また同じく13キロほど北に離れた五箇山にも、「道の駅上平」がある。
こちらの道の駅は行く途中に「くろば温泉」があり、駐車場も広く、食堂は午後8時まで営業している。
「道の駅 白川郷」の施設
こちらが「道の駅白川郷」のレイアウト。
1995年の世界遺産登録に合わせて建てられたようだが、建物にもまださほど古めかしさは感じられず、今でも十分に通用する。
「道の駅 白川郷」の駐車場は、第1も第2も全体的にフラットで、車中泊自体に支障はない。
こちらが24時間トイレ。
もちろん中にはウォシュレットが完備している。
第2駐車場から人間は、この道を通ってトイレに行くことができるので、マップで見るほど不便ではなさそうだ。
こちらはちょっと持て余し気味の情報休憩施設(笑)。
できうるならば、ここにコンシェルジュを置いて「観光案内所」の出先機関にしてくれるいい。そうすればマイカー客を、合掌集落に行く前に呼び込める。
そもそも現在の白川郷の観光案内所は、有料のせせらぎ駐車場に隣接しており、事実上、そこに入庫しなければ利用できないのと同じ。
観光バスで訪れる団体客はそれでいいかもしれないが、個人客にはいい迷惑だと思っている。
実質的な「道の駅 白川郷」の休憩スペースは、お土産売り場の前にベンチが並ぶここだが、冬は寒くて使えそうにない。
また湧き水を用意してくれているのだが、「殺菌消毒をしておらず飲水には使用しないでください」との表示がある。
これでは、店が掃除に使うくらいしか利用方法が思い浮かばない(笑)。
ただこの道の駅で「いちばん見落としてはならない場所」は、売店の奥に入口がある「合掌ミュージアム」だ。
入口は冴えないが(笑)、その中には建物の外観からは予想もできない本物の合掌家屋が移築されており、建築の過程をわかりやすく展示・解説している。
しかも入場無料。もし白川郷の集落を歩くなら、先にここで予習をして行くのがお勧めだ。
考えてみれば、この道の駅には少し気の毒な一面がある。
たとえば、1995年の開業当初にはなかった食堂が、2007年になってようやくできたのは、早くから観光地として発展してきた白川郷の合掌集落に、「既得権」を持つ個人営業の食事処や土産店があったため、公共施設の道の駅が、敷地の中にそれを脅かすような店を容易には出せない事情があったのではないかと推察される。
また世界遺産の玄関としては、いわゆる「世界遺産センター」にあたる施設を構える必要性が求められた。
それが「合掌ミュージアム」の存在だ。
少し前までの「道の駅 白川郷」は、この2つの課題がうまく消化できていないところに、多くの利用客が訪れ、それぞれに好きなことを云われ、また営業成績まで求められるものだから、あるべき姿を見失っているように見えていた。
その結果がこれ。これでは売店なのかミュージアムなのかお客には分からず、「マイナスの相乗効果」を呼ぶばかりだ。
2022年9月 更新
特に改装が行われたわけではないようだが、明らかに店の陳列が良くなっていた。以前と違って商品陳列の高さを抑え、「合掌ミュージアム」への導線がしっかり確保されているため、入口も分かりやすい。
もうひとつの違いは可燃物のゴミ箱だ。
筆者は2021年11月にも訪れているが、その時にはなかったものが今はわかりやすい場所に置かれている。
察するところ、指定管理業者か駅長が変わったのだろう。管理責任者が変わるだけで、道の駅の印象が大きく変わるのはよくある。
「道の駅 白川郷」の車中泊好適度
「道の駅 白川郷」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:屋外にあり、24時間利用可能。
缶・ビン・ペットボトル:同上
なお、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
【プロの寸評】
多少は良くなった感のある「道の駅 白川郷」には、もっと劇的な改善の余地はあると思う。
それは現在の売店を新たに広い敷地のどこかに移動し、かつローソンかセブンイレブンを誘致すること。
年間180万人もの観光客数に対し、白川郷にコンビニがデイリーヤマザキ1軒しかないというのは「無競争」に等しい(笑)。
加えて駐車場の一部をRVパークにする手もあるだろう。
「道の駅 白川郷」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
白川郷の湯
道の駅から約2.5キロ
大人700円
7時~21時30分(受付最終21時)
木曜日定休(金曜日の営業開始15時)
お湯は笹緑で、露天風呂からは庄川が見渡せ、内風呂にはジェットバスやミストサウナもある。
また狭いながらも無料駐車場がある。
ただしキャパは5.6台しかないので、週末や連休時はクルマを白川郷の「町営せせらぎ公園駐車場」に置いたまま、入浴を済ませるほうが確実だ。
コンビニはデイリーヤマザキがクルマで2.3分のところにある。
また白川郷の集落の中には食品スーパーの「Aコープ」がある。
「道の駅 白川郷」のアクセスマップ
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