この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅たいら」は、世界遺産・五箇山の相倉合掌集落に最寄りの車中泊スポット
「道の駅たいら」のロケーション
南砺市の平(たいら)地区にある「道の駅たいら」は、23戸の合掌造りからなる世界遺産、相倉合掌集落に最寄りの車中泊スポットだ。
また五箇山は、「麦屋節」や「こきりこ節」などの民謡の宝庫としても知られており、毎年9月23・24日には「五箇山麦屋まつり」、9月25・26日は「こきりこ祭り」が行なわれ、全国から多くの祭りファンが訪れる。
「道の駅たいら」は、「道の駅白川郷」から国道で約30キロ・35分、また逆に砺波方面からだと、利便性の高い「道の駅庄川」から国道で約20キロ・25分のところにある。
いずれも「飛越(ひえつ)峡合掌ライン」と呼ばれる、景観の良いワインディングを走ってアクセスする。
「道の駅たいら」の施設
別称「五箇山・和紙の里」で親しまれる敷地内には、特産品の販売所や食事処、情報交流センター、そして和紙の里ならではの和紙工芸館や和紙体験館など盛りだくさんの施設が並んでいる。
外観は冴えないのだが、中は想像以上に品揃えが充実している物産館。
本物のサイズなら1万円以上する「ささら」。
だがこのサイズなら1000円。インテリアにもなりそうでちょっとそそられた。
「和紙工芸館」では、加賀藩に奨励され、国の伝統的工芸品に指定された「五箇山和紙」の伝統の技を見学することができる。
五箇山和紙の制作工房。
五箇山和紙の原料となる楮(こうぞ)。
楮は繊維が長くて強いうえに柔らかいことから、しなやかで温かみのある和紙が作れる。
さらに五箇山では染料や色を白くする薬品などは一切使わず、紙を白くするのに「雪さらし」という独特の手法を用いる。
五箇山和紙は、現在もほとんど機械や薬品に頼ることなく、自然の原料と昔ながらの手作業でつくられているそうだ。
もちろんここでは、そうして作られた五箇山和紙の加工品も販売している。
さて。「道の駅たいら」は主要幹線の国道156号から少し逸れたところにあるため、同じ五箇山にある「道の駅上平」より、静かで落ち着いた車中泊が望めそうだ。
駐車場もだだっ広い平面ではなく、建物のお陰で幾つかのブロックに分かれるようなレイアウトになっている。
そして可燃物用のゴミ箱もちゃんと置いてある。