この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

三保灯台近くの「清水三保海浜公園」に、新しいトイレ付きの無料駐車場が増設
「羽衣伝説」で知られる静岡県清水区の「三保松原」は、2013年6月に世界文化遺産に登録された「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成遺産のひとつだ。

ここでは、今や大人気となった「三保松原」周辺の車中泊事情と、そのベスト車中泊スポットを紹介しよう。
まず、清水周辺に道の駅はない。
だが三保の松原エリアには、トイレがある駐車場が3ヶ所に用意されており、いずれも車中泊は可能だ。
ただし❸については1日500円の有料と書かれている。
民家や旅館に近くて無難なのは、❶の羽衣公園無料駐車場だろう。「三保松原」でナビ検索すると、たいていの機種はここへ案内してくれるはずだ。
ただしトイレがある駐車場はバイクと観光バス用になっており、マイカーは手前の隣接する第二駐車場を利用する。
駐車スペースは入口の奥に広く設けられており、200台以上の収容が可能。入口にゲートはなく、24時間出入りができる。
世界遺産登録後にトイレは新調され、シャワートイレ(ウォシュレット)完備のキレイな設備になっている。
トイレ横にあるのは、真新しい観光案内所。
三保松原は「地域ぐるみ」で世界遺産登録を勝ち取った経緯からか、訪れる旅人を歓待するムードが感じられ、早朝にウォーキングをしている地元の人達は、ほとんど気持よく挨拶をしてくれる。
こちらはマップ❷の無料駐車場。
フラットできちんと舗装されており、富士山の眺めがいいのが魅力だ。
ただ駐車場に名前はつけられておらず、「三保飛行機場」、あるいは「三保灯台」が目印になる。
すぐ近くにある三保灯台で、上の駐車場が写真の右下に見えている。
前の道(太平洋岸自転車道)は車両通行止めとなっているが、そのまま松原沿いに歩けば、さきほどの無料第二駐車場までは15分もかからないと思う。
クルマはマップのオレンジの道からアクセスする。
カーナビでは「三保園ホテル(☎054-334-0111)」を目印にするといい。
ホテルの前の道を100メートルほど突っ切れば駐車場が見えてくる。
ありがたいことに、三保園ホテルの「三保はごろも温泉 天女の湯」は、日帰り入浴が可能で、まるで海水のように塩辛い温泉が600円で味わえる。
露天風呂はぬる湯で、すこぶる気持ちがいい。
難点は三保灯台の横にあるこのトイレ。
女性は一度見てから判断したほうが良さそうだ。これがキレイに建て替えられたら、ここの駐車場が最高になるかもしれない(笑)。
と思っていたら、なんとそれが実現した!
2018年2月に行くと、その待望の水洗トイレができていた。もちろんシャワートイレだ(笑)。
ただし建て替えではなく「増設」。
紹介した駐車場のさらに奥に、小さな駐車場とともに新設されていた。ここが知れ渡れば、即満車になるだろう(笑)。
2020年7月 追記
関東方面の取材時に2年ぶりに訪ねてみると、この看板が立てられていた。おかげで無名にするしかなかった駐車場に、ようやく正式な名をつけられる(笑)。
この日は週末だったこともあり、多くの人が車中泊をしていた。
だが、それにしても多いなと思っていると、釣り竿を持った若者が海に向かって行くので、ついていくことに。
渚はご覧の通り、釣り人が等間隔で並んでいる。
ラインの先には、餌ではなくルアーがつけられているのだが、こんなところで何が釣れるのか? と思ってバケツを見せてもらうと…
なんとそこには、カンパチとブリの幼魚がいた。
波打ち際からわずか20メートルほど投げるだけで、こういう魚が釣れるとなれば、そりゃ夢中なるわな(笑)。いやはや驚き、三保松原の再発見だった。
※追記はここまで。
なお、周辺にコンビニはたくさんあるが、生鮮食品が手に入るのは3キロほど離れたところにあるマックスバリュ。
ただし、マップのオレンジで記されたメインの通り沿いではなく、少し奥まったところにある。
最後は❸の東海大学海洋博物館前の有料駐車場。
ゲートには1日500円の表示があるが、午前9時でも右側から自由に出入りができた(笑)。
すぐ裏手に清水エスパルスの練習グランドがあり、営業時間外はその関係者の「近道」になっているようだ。
なお、この駐車場には「ゴミ箱」が設置されている。
東海大学海洋博物館はかなり古ぼけた感のある見学施設だが、入場料は1500円。しかも駐車場代まできちんと取る。
ということで、さすがに筆者も中までは見ていない(笑)。
PS
三保の松原から朝日は撮れるが、角度の問題で富士山を絡めることはできない。
であれば、わざわざ三保の松原で車中泊をする必要がないともいえる。

世界文化遺産「富士山」 車中泊旅行ガイド
車中泊でめぐる「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」をテーマにした、オリジナルのマイカー旅行ガイドです。
