春の東海取材旅 静岡県・東伊豆/2016.4<日本一周の旅:#14>

伊豆半島 観光マップ 三重県の忘備録
「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、原稿作成のためのメモ代わりに書き残してきた「忘備録」を、後日リライトしたものです。
クルマ旅専門家・稲垣朝則の主な著書
車中泊の第一人者と呼ばれる稲垣朝則が、これまで執筆してきた書籍・雑誌と出演したTV番組等の紹介です。
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熱海と伊東の車中泊事情

東伊豆

関東方面の取材で、筆者がもっとも嫌うのは「渋滞」だ。
東北に行く際は、北陸道から磐越道を経由して会津に入るので渋滞に遭う心配はないが、東名高速で首都圏を出入りする場合は、そう簡単にはいかない。

そんなわけで、早朝4時に千葉県の道の駅「あずの里いちはら」を出たあと、アクアラインで東京湾を渡り、小田原から熱海を超えて伊東の道の駅に辿り着いた。 東京から出るかたちなので、道は思っていたより空いていた。

だが、今日はさすがに瞼が重い(笑)。

どん兵衛 関西だし

そこで持参してきた「どん兵衛・関西味」を食べて、ひと眠りすることにした。関西・関東の見分けは、側面に小さく書かれたEかWで判別できる。

筆者は関東味の「どん兵衛」が苦手で、こっちに来るとカップ麺はうどんからラーメンに変わる。でも一番は、関西味の「どん兵衛」だ(笑)。

9時前に目が覚めたが、この日も天気は冴えない。

予報では西から天気は回復し、午後からは関東でも「陽が射すところもある」ということだったが、伊豆半島はどうやら、お天気の神様の視野には入っていないようだ。

そこで買い物を兼ねて、市街に出かけてみることにした。

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「伊東に行くならハ・ト・ヤ。電話はヨイフロ」。

筆者と同世代であれば、大阪の人間でも口ずさむことができる懐かしいCMでお馴染みの伊東温泉は、意外にも熱海と違って大規模なホテルや温泉旅館は少なく、こじんまりした温泉町の中に数件の共同湯がある。

伊東温泉 芝の湯

そこで比較的大きな駐車場を完備している「芝の湯」を訪ねたのだが、あいにくの休館日。残念に思い、もう一軒「和田の大湯」に出向いたのだが、今度は満車で入ることができなかった。

つまり、「今日はそういう日」だ(笑)。

フードストア AOKI

もっとも温泉は道の駅にもあるので、入湯をあっさりあきらめ、お気に入りのローカルスーパー「あおき」で今宵の肴を仕入れることにした。

この店はさして安くはないが、うまいものをきちんと置いているのだろう。論より証拠がこの写真。平日の昼前にもかかわらず満車だ。

車中泊飯

筆者が買ったのは、山形牛のローストビーフと、キンメ・ブリ・まぐろのお刺身三種盛り、そして諏訪の銘酒「真澄」、さらに写真にはないが、サッポロクラシック。刺身以外はちっとも伊豆らしくないが(笑)、都合良く筆者の好物ばかりをテーブルに並べることができた。

ところで、なぜ筆者が「あおき」を知っていたかというと、実は伊豆半島には2年に1度くらいのペースで足を運んでいるからだ。昨年も「三保の松原と河津桜」の取材で西伊豆と南伊豆を訪ねている。

だが東伊豆は2012年以来、これが3度目。伊豆半島は下田を周って東海岸に入ると、途端にクルマが多くなるし、物価も高くなる。

熱海

そもそも、熱海のようなオシャレ感とゴージャスさを振りまくリゾート温泉地からは、「ここは、バ~ンとお金を使って楽しむところなのよ、お客さん」みたいな、バブリーボイスが聞こえてくる気がして、どうも足が向かない(笑)。

ただそれは若い女性を意識した、テレビの旅番組やガイドブックの影響によるもので、実際のところはどうなのか… 

実は、今回はそれを確かめるためにやって来たわけだが、せっかくなら海が映える好天時に訪ねたい。ということで、熱海の取材は翌日に持越し、この日は早々の就寝となった。

車中泊 夜明け

「キタ~!」

翌朝は、織田裕二になった。
曙の夜明けを迎え、伊東マリンタウンでの車中泊は大成功。撮影後、ただちに熱海へ向かう。

天気予報によると、晴れ間は今日しかない。そのため、一気に伊豆半島を駆け抜けなければならないのだ。

熱海長浜海浜公園

熱海に来た目的のひとつは車中泊スポットの確認だ。2010年に整備が進められていた長浜海浜公園の駐車場は、全てではなく北側のブロックだけが24時間利用できるようになっていた。

ここは熱海で唯一、海水浴シーズンを除けば無料で車中泊ができる希少な場所だ。公園にはもちろんトイレもある。

熱海サンビーチ

こちらは熱海で一番の観光スポットと思われるスカイデッキ。実はムーンテラスも、さんびーちも、全て同じ場所にある。

これでは観光客が迷うのは当たり前だ。

貫一お宮の像 熱海

明治30年から35年まで読売新聞に連載された、愛欲と金銭欲との葛藤を描いた尾崎紅葉の「金色夜叉」。その中心人物である「貫一お宮の像」は、さんびーちの遊歩道のなかほどに建てられている。

熱海 コインパーキング

もし、ここに行くなら筆者のような早朝がお勧めだろう。なお、市営駐車場には高さ制限があるため、ハイエースのハイルーフでも入れない。行くなら周辺のコインパーキングを利用しよう。

その後、熱海にも数件残るという共同浴場を訪ねてみたが、クルマでは動きづらく断念した。この町はやはり公共交通機関で訪れる観光客用にできている。

ゆえに、わざわざ車中泊をしてまで… と筆者は思う。

熱海からは再び伊東に戻り、伊豆高原へ向かった。この季節の国道135号は桜が美しく、熱海~伊東間のドライブはお勧めだ。

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