この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
河津桜まつりとセットで観たい、稲取の名物「つるし雛」と「雛の階段飾り」
伊豆稲取の春の風物詩【目次】
稲取のロケーション
稲取(いなとり)は「桜まつり」が開催される河津町の市街から、わずか7キロほどしか離れていない、東伊豆町にある小さな温泉町だ。
伊豆半島から突き出た岬に30数軒のホテル・旅館・民宿が存在し、2軒の共同浴場と足湯を持つ。
ただ開湯は1956年(昭和31年)と新しく、古い歴史を誇る河津や下田に比べると、温泉地としての知名度は遥かに劣る。
しかし稲取には、伊豆半島はおろか、日本を見渡しても「オンリーワン」と胸を張れるコンテンツがある。
雛のつるし飾りまつり
それが毎年1月20日〜3月31日に開催される「雛のつるし飾りまつり」だ。
「河津桜まつり」と時期が重なることもあり、今では稲取の代名詞とも呼べるイベントになっている。
雛の階段飾り
「雛のつるし飾りまつり」に続く新しい稲取の目玉が、屋外で繰り広げられるご覧の「雛段飾り」だ。
稲取では素戔嗚(すさのお)神社と三嶋神社の石段にレッドカーペットを敷き、壮観な雛段飾りを演出している。
その他の見どころと食べどころ
三嶋神社のすぐ脇にある雑貨屋「ポートクロダ」には、江戸時代の雛人形が飾られており、無料で見学することができる。
さらにこの店では、歴史ファンなら腰を抜かすほどのお宝が拝見できる。
しかも無料と云うのは驚きだ!
さて。
稲取にはもうひとつ「名物」がある。
それは鮮度と味の濃さから「時金目」と呼ばれる伊豆半島近海産の金目鯛だ。
ブランドとしては下田のほうが有名だが、実は稲取でも同じように漁獲されており、漁港近くには何軒かの専門料理店がある。
河津や下田に比べると観光客の少ない稲取は、時金目を食べるなら「穴場」かもしれない。
この時期にあわせて行きたい、河津桜まつり
稲取の「文化公園 雛の館」から「河津桜まつり」のメイン会場までは約7.5キロ、クルマで10分ほどしかかからない。
また河津川の堤で桜を愛でるだけなら、2時間もあれば十分だ。
近くには「伊豆の踊り子」ゆかりの温泉と、車中泊ができる無料の駐車場もある。