この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

下田の楽しみ方は、「目には見えない光景」を想像することから始まる
車中泊で旅する下田【目次】
プロローグ
伊豆半島の南端に近い下田には、幾つかの顔がある。
とりわけ関東在住の人に馴染みがあるのは海水浴だろう。ロケーションからして、海が綺麗なのは頷ける。
だが車中泊で真夏に下田を訪ねるのは、まだその「灼熱地獄」を知らない、近頃の流行で始めた若者くらいだと思う(笑)。
中高年の旅人は、ほぼ全員が夏を外すに違いない。
そうなると見どころは、自ずと江戸時代の情緒を残す町並みになる…
それを愉しむための「キモ」は、下の記事の一文に凝縮されている。
この道を楽しむには、歴史を知り、想像力を働かせて、「目には見えない光景」を思い浮かべることが大切だ。
確かに、レトロとかノスタルジックと云えば聞こえがいい。
だが下田の町は思っているより小さく、商店街はあるものの、土産屋が並ぶわけでもなく、かといって「繁華街」ともいい難い(笑)。
悪く云えば、すべてが中途半端。
それが「遺構」という要素を除いた下田の実態だ。
遺構とは、過去の建築物・工作物・土木構造物などが後世に残された状態、云い換えると、過去の人々の活動の痕跡のうちの不動産的なものを指して云う。
下田の主役は、ペリーや坂本龍馬より「吉田松陰」
たとえば、この建物は現在の「下田市立中央公民館・下田市教育委員会館」だが、幕末にはここに「長命寺」があり、「吉田松陰」という男がペリー艦隊の黒船での密航を企てたが、夢叶わず、自首して拘禁されたという事実が残る。
歴女・歴男は、この絵に描かれた「吉田松陰が自首に至るまでの経緯」を知っているから、さきほどのたった1本の「石碑=遺構」を見て、そこで吉田松陰が何を思い、どう過ごしたかへと想いを馳せる…
大人の下田観光とはそういうものだ。
ボランティアガイドのお世話になる
ちなみに歴史に興味が湧いてきても、遺構を雑誌やネットを見ながら探してまわるのは骨が折れる。
ゆえにこういう町では、生身のガイドさんを頼るほうがいい。
下田ボランティアガイドの概要
【基本コース】
「下田歴史の散歩道」所要時間2時間
<下田市観光協会駅前案内所>出発
稲田寺、宝福寺、泰平寺、吉田松陰拘禁の跡、欠乏所跡、大横町通り、安直楼、(土藤商店)、ペリー上陸の碑、開国記念碑、下岡蓮杖の碑、ペリーロード、長楽寺
<了仙寺>解散
【ガイド料】ひとり300円
【出発時間】 平日:午前10時出発(受付9時50分より)
【実施時期】 下記を除く毎日
(7月16日から8月31日、12月31日、1月1日)
詳細は下田ボテンティアガイドのサイトで確認を。
また、コースの概要が理解できる資料として以下の記事を用意した。これを読んでいただければ、「日本史上における下田の重要性」がよくわかる。
下田のお勧めグルメと温泉
もちろん修学旅行ではないのだから、誰もがそうする必要はない(笑)。
ただ下田から歴史的要素を除くと、見どころが極端に限られるのは事実だ。
ゆえに歴史に興味がない人には、観光よりも名物の金目鯛を食べたり、名湯が待つ老舗の温泉宿に足を運ばれることをお勧めしている。
下田の車中泊事情
さて。「観光地」としての下田は、人によって評価が分かれるところだと思うが、車中泊地としては、万人が良いと認める環境を誇っている。
中でも際立っているのは、道の駅だろう。
その他の車中泊スポットはこちら。

最後に。
このマップから分かるように、伊豆半島の「底」に位置する下田は、西・中・東の、どのルートで周遊するにしても、宿泊地に適している。
しかも宿場にするなら、夕方到着して翌朝出るわけなので、観光しようがしまいが利用価値は高い。
特に有効なのは「河津桜まつり」の時期だが、さすがに混雑は避けられない。
下田 車中泊旅行ガイド
南伊豆 車中泊旅行ガイド
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クルマ旅を愉しむための車中泊入門

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