この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

「三保松原」撮影の秘訣は、富士山から離れ、広角レンズで海ごと切り取る。
三保松原の絶景撮影スポット&マイカーアクセスガイド【目次】
三保松原のロケーション
三保松原(みほのまつばら)は、静岡市清水区の三保半島にある。
駿河湾と松原の向こうに雄大な富士山を望むその美しさは、古くは万葉集、また江戸時代には浮世絵などにも登場し、今はユネスコの世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産であることはもとより、日本新三景(三保の松原<静岡県>・耶馬渓<大分県>・大沼公園<北海道>)とも呼ばれている。
その「三保松原」まで、はるばる松原だけを撮りに来る人はいまい(笑)。
青い空と穏かな海、長く伸びる緑の松原、そして雪をたっぷりかぶった富士山を、まるで絵葉書のように美しくレイアウトして写真に撮りたい!
この記事は、そんな貴方のために書いている。
ちなみに、このビーチを「三保の松原」と表記しているサイトや書籍もあるが、世界文化遺産・構成資産一覧では「三保松原」と記されている。
三保松原へのマイカーアクセス
まずアクセスについてだが、「三保松原」をカーナビで検索すれば、おそらく「神の道」の終点にある「羽衣公園駐車場」に案内してくれる。
現在はトイレのある第一駐車場がバイクと観光バス用に使われており、マイカーはその手前の第二駐車場に誘導される。
なおGoogleナビで、「羽衣公園駐車場」と入力してもマップは表示されない。確実に設定する方法は、向かいに建つ「天女の館羽衣ホテル」を入力することだ。
カーナビなら電話番号検索で、☎054-334-1234を入力すると「天女の館羽衣ホテル」が表示される。
いずれにしても「羽衣公園駐車場」はその真向かいなので、まず100%辿り着けるはずだ。
なお、ここでも車中泊はできるが、近くにもっといい場所がある。
車中泊については以下の記事を参考にしていただきたい。
なお富士山が見える日は、国道150号から県道199号に入り、三保方面に進めば正面にその姿が拝める。
つまり、ここで「貴方のその日の運」がはっきりわかるというわけだ(笑)。
三保松原の撮影ポイント
石段をのぼり、期待に胸を膨らませて三保松原の海岸線まで来てみると、なんとそこからは松原が邪魔で、富士山の姿はほとんど見えない(笑)。
何も調べずに来てしまうと、ポスターで見ているのは別の場所かと勘違いする人もあるだろう。
だが考えてみれば、入り江のように湾曲した場所からでなければ、「海・松原・富士山」の構図は作れない。
その構図が撮れるのは、上の写真の矢印方向からなのだが、ほとんどの人は、富士山に近づこうと矢印と反対側に進んでいく。
富士山方面にどんどん進んで海岸が曲がるところまで行けば、確かにこういう写真は撮れる。
だが、どうしてもテトラポットが写真に写りこみ、下のポスターと同じ画角にはならない。つまり、ここはベストポイントではないことになる。
このポスターの撮影ポイントは、先ほどの写真に加筆した羽車神社の角を矢印方向に進んだ先にある。
レンズの焦点距離が違うので、全く同じではないものの、さきほどのポスターはこのあたりで撮影している。
ただ望遠レンズを使えば、でっかい富士山は誰にでも撮れる。
筆者がいかにも三保松原らしいと思うのは、波打ち際から富士山を抑えめに撮るこのアングルだ。
広角レンズを使えば、伊豆半島まで行かなくても、波・松林・富士山が揃ったスケールの大きな写真が撮れる。
なお残念だが、太陽は伊豆半島から登るため、三保の松原から富士山絡みの朝日は撮れない。
とはいえ、朝はいろいろな光景が見られる「一期一会」のひとときで、それを楽しむのは悪くない。
三保松原の撮影にお勧めの時期は、富士山がくっきり見えて凍結の可能性が下がる2月下旬。
山中湖ではダイヤモンド富士ウィークスを迎え、伊豆半島の河津桜が満開を迎える頃だ。撮影時間は、朝夕よりも空に青みがかかる午前中がいい。
ちなみに静岡県は三保松原を含む清水海岸で、海岸侵食から砂浜や松原、さらに背後の人家等を守るための工事を平成元年から行っている。
現在はクレーンなどが映り込むちょっと悲しい状況にある。※写真は2018年2月23日に撮影。
ちなみにこちらが駐車場に展示されていた完成イメージ。
出来てしまえば、三保松原の景観に少なからず影響を及ぼすことだろう。
静岡・清水 車中泊旅行ガイド
世界文化遺産「富士山」 車中泊旅行ガイド
車中泊でめぐる「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」をテーマにした、オリジナルのマイカー旅行ガイドです。


