この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

富士山スカイラインには、「周遊区間」と「2つの登山区間」がある
「富士山スカイライン」は、静岡県側の南麓を東西に走る無料の山岳道路で、正式名は「表富士周遊道路」。
富士宮市と御殿場市を結んでおり、総延長約34.5kmの全線が、23号・152号・180号の県道に指定されている。
実は「富士山スカイライン」は途中で道が分岐しており、マップの緑で示した従来の「周遊区間」と、「富士宮口五合目」に通じる赤の「登山区間」の2つに分かれている。と一般的には紹介されている。
ということは、旅人にはウェブサイトや雑誌に掲載されている「富士山スカイライン」の話が、そのどちらのものかを見極める必要があるということだ。
さらに旅人目線からすると、「富士山スカイライン」にはもうひとつ「御殿場口新五合目」に向かう第三のルート(黄色)が存在する。
富士登山をしない旅行者にとっては、この「第三のルート」が大事なわけだが、それについては後ほど詳しい話をするとしよう。
紅葉ドライブに適しているのは「周遊区間」
「周遊区間」は富士宮市と御殿場市を東西に結ぶ約21.5kmの区間で、例年10月中旬~11月上旬に紅葉の見頃を迎える。
落葉樹林の中を走るため、富士山頂はほとんど見えないが、紅葉メインのドライブを楽しみたい人にはこの道がお勧めだ。
途中には紅葉がトンネルのように道を覆う箇所もある。
なお、途中にあるクルマが停められる展望場所は「水ヶ塚公園」。
ここは「登山区間」にマイカー通行規制がかかる夏は、「富士宮口五合目」行きのシャトルバス乗り換え駐車場に指定される。
ちなみに、御殿場から県道23号で「富士山スカイラン」に合流する途中には、本州最大規模を誇る陸上自衛隊の東富士演習場がある。
多少大回りになるが、ツアー旅行では知ることのできない、世界文化遺産・富士山の「意外な一面」が見られるという意味では興味深い。
ここから先は長くなるので、別記事にてお届けする。



世界文化遺産「富士山」 車中泊旅行ガイド
車中泊でめぐる「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」をテーマにした、オリジナルのマイカー旅行ガイドです。


