この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

車中泊に好適なのは「富士川サービスエリア」、買物や休憩にオススメなのは「道の駅 富士川楽座」
道の駅富士川楽座【目次】
「富士川ハイウェイオアシス」のロケーション
「富士川ハイウェイオアシス」は、東名高速道路を名古屋方面から走って来ると「富士インター」の少し手前に位置しており、翌日から富士山観光をしたい車中泊旅行者にとっては実にありがたい前泊地だ。
筆者が家族で富士山に出かけていた当時は、まだ「富士川サービスエリア」でしかなかったが、「道の駅 富士川楽座」の開業にあわせて2000年に「富士川ハイウェイオアシス」に改称された。
「富士川ハイウェイオアシス」の車中泊事情
この車中泊スポットを理解するには、少し予習が必要だ。
まず「富士川ハイウェイオアシス」とは、イコール「富士川SA(上り線)」+「道の駅 富士川楽座」のこと。
SAと道の駅はそれぞれ単独で営業しており、「ハイウェイオアシス」と呼ぶ「建物」はなく、そのふたつを合わせた「便宜上の呼称」に過ぎない。
写真の左が「富士川SA」の施設で、筆者のクルマはSAの駐車場に停まっている。そして写真の奥の富士山の前に見えるのが「道の駅 富士川楽座」の建物だ。
上の写真の拡大版。ややこしいが「道の駅 富士川楽座」の前にも「富士川SA」の駐車場がある。
トイレは遠くなるが、トラックが来ないので夜間は静か。静寂性を求める人にはおあつらえの場所だ。
もちろん道の駅からここに来るには、スマートインターをくぐる必要がある。
だが富士川SA上り線のスマートインターは、本線直通となっているため、ここには行けない。
また逆に本線からスマートインターへも直進設計になっているため、レストランや駐車場には寄ることができない。
本来、ハイウェイオアシスというのはサービスエリアやパーキングエリアに接続し、高速道路を出ることなく、公園などの潤いスペースを利用できる施設のことを云う。
そのため、一般道と高速道路の上下線から出入りできるところが大半なのだが、富士川ハイウェイオアシスは東京行き(上り線)の富士川SAからしか利用できない変則的な構造になっている。
つまり名古屋方面行き(下り線)で利用できるのは、「富士川SA(下り線)」のみになる。
富士川ハイウェイオアシスの施設
富士川SA(東京方面行き)の施設
「富士川サービスエリア」は2017年にリニューアルされ、観覧車の設置とともに新東名のSAや足柄SAと同じ「EXPASA」にかわった。
EXPASAはNEXCO中日本がサービスエリアに展開する商業施設で、従来のSAには出店していない、デパ地下や駅ナカにあるようなテナントが多数入店している。
富士川では、これまで「富士宮やきそば」がメインだった表の屋台が様変わり。
とはいえ、フードコートと売店には特に気を引くものは見当たらず… 物販飲食においては「道の駅富士川楽座」のほうが充実している。
唯一興味を持ったのは、このセブン・イレブンの自動販売機。中にはおにぎりやサンドイッチが入っていて、時短が進む時代に適応した新たな試みなのだろう。
今度は駐車場について。
富士川SA(上り線)の駐車場は、ほぼフラットでキャパも十分あり、本来は車中泊に支障のない環境だ。
ただし富士川SAに限らず、現在は通販の定着でトラックの数が大幅に増加しており、どこも大型車両の駐車スペースが足らず、夜間は乗用車の場所まで進出してくる。
それだけならまだいいが、そこで一晩中エンジンをかけて寝るから、その騒音がたまらない。
そのため、大型車両が近くに寄れない場所をよく探して車中泊することが大事だ。また到着時にそういう場所が空いてない場合は、寝床の体制を取らずに、しばらく行きたい場所があくまで待つほうがいい。
「道の駅 富士川楽座」の施設
「道の駅 富士川楽座」は多層階の施設で、フロア構成はこのようになっている。
上層階にはプラネタリュームや、マッサージチェアの置かれた展望ラウンジなど、他では見たことのない設備があって面白い。
筆者のお気に入りは3階だ。「富士山フードコートテラス」では、リーズナブルにご当地グルメが楽しめる。
これは実際に食べた、駿河の名産「しらす」と「桜えび」と「うなぎ」がのった850円の「富士川丼」。旅行気分が味わえるうえにコスパも上々だ。
お土産売り場も充実している。
車中泊旅行者にオススメなのは、地魚を使ったこちらの持ち帰り寿司。ただし遅くなると売り切れるので、早めに見に行くほうがいい。
さて。こちらが「道の駅 富士川楽座」の一般道に面した入口。
いっぽう、こちらは「富士川サービスエリア」からの入口になる。
他の紹介サイトでは、こちらを掲載しているものも見受けられるが、ここから入るには、クルマではなく「徒歩」でサービスエリアまで行く必要がある。
道の駅の平面駐車場は2ヶ所あり歩道橋で行き来ができる。反対車線側の駐車場にもトイレは用意されている。温泉に入ってから車中泊がしたい人は、スマートインターから出て、ここを利用するといい。
ただし幹線道路に面しているので、静寂性は期待できないだろう。
こちらは建物側の平面駐車場。よくみるとクルマのリア側が高くなっており、普通に停めると「前下がり」になるが、夜は分かりづらい。
なお立体駐車場には、2.1メートルの高さ制限がある。
ゴミ箱は富士川SA側だけでなく、一般道側の入口前にも置かれている。
「道の駅 富士川楽座」の車中泊好適度チェック!
「道の駅 富士川楽座」の最寄りの温泉&買い物施設
ゆらぎの湯
道の駅から約10キロ
☎0545-63-2641
平日700円、土日祝800円
9時~24時(受付最終23時30分)・第3水曜
コンビニ
約3キロのところにミニストップがある。
スーパーマーケット
フードストアあおき富士店まで約4キロ。
「道の駅 富士川楽座」のアクセスマップ
日本全国 道の駅・車中泊好適度チェック!
世界文化遺産「富士山」 車中泊旅行ガイド
車中泊でめぐる「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」をテーマにした、オリジナルのマイカー旅行ガイドです。