車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」の車中泊に関する記述です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」は、「一乗谷朝倉氏遺跡」に一番近い道の駅
道の駅 一乗谷あさくら水の駅 DATA
道の駅 一乗谷あさくら水の駅
〒910-2151
福井県福井市安波賀中島町1−1−1
☎0776-41-2777
営業時間
直売所 10時~18時・年末年始のみ休業
「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第42回
登録日/2014年10月10日
開業日/2015年4月4日
「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2016.05.06
2020.09.19
2022.09.18
道の駅 一乗谷あさくら水の駅
「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」のロケーション
北陸自動車道の福井インターから近い「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」は、歴史好きなら一度は訪ねてみたい「一乗谷朝倉氏遺跡」までわずか3キロ、また大晦日の「ゆく年くる年」でお馴染みの「永平寺」まで約10キロのところにある、福井県の越前内陸部の玄関にあたるところに位置している。
それゆえ、この「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」に来る人の大半は、「一乗谷朝倉氏遺跡」の見学目的が大半だと思う。
だが「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」では、肝心の「一乗谷朝倉氏遺跡」のことがほとんどというか、まったくに近いくらい紹介されていない。
駅名に「道の駅 一乗谷あさくら」とついているため、この時点で「カチン!」と来る中高年は少なくないと思う(笑)。
ということで、まずはその「謎解き」から話を始めるとしよう。
後ほど詳しく説明するが、「一乗谷朝倉氏遺跡」の発掘調査が行われたのは1967年(昭和42年)のこと。
これだけの遺跡だけに、近くにその出土品を展示する博物館が建てられたのは云うまでもなく、1981年に写真の「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」が開館した。
それに対して「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」がオープンしたのは、2015年(平成22年)だ。
実は福井市は、2010年に「農業体験施設」を兼ねてオープンしていた「水の駅」に、特産物販売所や軽食コーナーなどの必要施設を追加し、2015年(平成27年)4月に、「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」を福井市で最初の道の駅としての登録にこぎつけた経緯を持っている。
有名な観光地でありながら、道の駅設置時期の遅さを考えれば、県や国から「いつやるんですか?」と散々急かされてのことだったのかもしれない(笑)。
しかし、わずか3キロ先に「一乗谷朝倉氏遺跡」を語り尽くすような施設があるため、重複するコンテンツを掲げるわけにもいかず、悩んだ末に現在の姿になった。
ただここで名称もガラッと変えておけばよかったものを、スケベ心からか観光客を呼べるキャッチコピーの「一乗谷あさくら」を残してしまった。
つまりそれが、今もなお観光客の感情に火に注ぐ原因となっている。
そのあたりの事情を知っている地元の福井市民にとっては、このほうがいいのかもしれないが、大河ドラマで織田信長が取り上げられるたびに登場する「一乗谷」は、日本中から観光客がやってくる立派な福井市の観光資源だ。
その玄関にある道の駅が、これでいいと思う観光客はまずいない(笑)。
ちなみに「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」は、2022年10月に旧施設の向かい側に立派な新館がオープンした。
したらしたで、また新たな観光客が増えるので、この話は当分の間また蒸し返されるに違いない(笑)。
一乗谷朝倉氏遺跡
2020年放送の大河ドラマ「麒麟が来る」をご覧の人は、もうよくご存知だと思うが、福井市の南東約10キロにある「一乗谷朝倉氏遺跡」は、戦国時代に朝倉氏が、5代・103年間にわたって越前を支配した時の城下町跡だ。
5代目当主の朝倉義景は、自らが長年面倒を見てきた足利義昭を、かすめるように担いで上洛した、新興勢力の織田信長に強い敵対心を抱いていた。
そこで義景は先代より結びつきの強かった浅井家に圧力をかけて、信長が妹のお市を嫁がせるほどの信頼を寄せていた浅井家当主の長政を裏切らせ、「朝倉討伐」に出陣してきた織田軍を、敦賀の「金ヶ崎」で挟み撃ちにして窮地に陥れた。
さらに武田信玄らと手を組み、「信長包囲網」を完成させる。
しかし「扇の要」であった武田信玄の急死で局面が変わり、朝倉義景はその3年後の「刀根坂の戦い」で大敗。一乗谷を捨てて逃亡するが、最後は謀反を受け、自刃して果てた。
翌日、一乗谷には火が放たれ、町は三日三晩燃え続けた末に灰と化した。
その後、戦の功労者であった柴田勝家に越前八郡が与えられるが、勝家が本拠を北ノ庄(現在の福井市、福井駅近く)に構えたため、一乗谷は辺境となり、以降400年近く田畑の下に埋もれたままになる。
しかし1967年(昭和42年)に、国の名勝に指定されていた朝倉館の庭園の調査と整備が始まると、周辺から武家屋敷・寺院・町屋・職人屋敷、さらに道路に至る当時の町並が、ほぼ完全な姿で発掘された。
原因は違うが、町が燃えてなくなって以降、長い間土の下に埋もれ、その後発掘されたという経緯から、一乗谷は「日本のポンペイ」とも呼ばれている。
ちなみに歴史に興味のない人でも、ソフトバンクのCMは記憶にあるのでは…
偶然、実に懐かしくバカバカしい2011年当時のCFを見つけたので、あわせてご紹介。
6話合計で10分ほどあるので、興味があれば暇つぶしにどうぞ。
でもなぜか「ほっこり」しゃうんだな、これが(笑)。
明らかに、最近のCMよりも面白い!
「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」の施設
「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」の駐車場は県道に面しているが、さほど通行量はなく、また主要幹線道路ではないのでトラックも少ない。
ただし24時間トイレは水路の対岸にあるので、橋の近くに停めないと遠くなる。
トイレは外観を見ると少し心配になるが(笑)、中にはちゃんとウォシュレットが用意されている。
車中泊の旅人にとってありがたいのは、「交流施設」と呼ばれるこのスペースだ。
火器の使用は禁止されているが、屋根の下にはテーブル&ベンチと、自由に使っていい炊事場が用意されている。
ただし可燃物のゴミ箱は置いていない。ただこの道の駅の指定管理人は、道の駅のゴミのことをよく分かっていないようだ。
「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」には、タニシがいるビオトープがある。
ということは夏になるとホタルが舞う。
その意味では、ここに泊まるなら6月中旬頃がいいだろう。
こちらは2015年の道の駅登録と同時に作られた駅舎だ。
入ってすぐが食堂になっていて、その横にパンフレットが並んでいる。
食堂ではリーズナブルにソウルフードの「おろしそば」と「ソースカツ丼」が食べられる。営業時間も18時までと長いのはありがたい。
食堂の右手が売店になっており、このロケーションなら弁当類があっても売れそうに感じたが、ここでは雑貨が多く扱われていた。
「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」の車中泊好適度
「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:館内
缶・ビン・ペットボトル:交流施設
これでは、事実上ないのと同じ(笑)。
さらにこの表示はいただけない。
日本にはゴミの散乱を防止する努力と工夫をしている道の駅がたくさんあり、成果もちゃんとあげていることを、車中泊の旅人達は知っている。
ちなみにこれは、「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」の一番近くにある「道の駅 禅の里」の神対応。
それくらい、自前で交通費払って確認して来るべきでは…
行政区が違うと言い訳するのだろうが、2つの道の駅はクルマならわずか30分ほどしか離れていない。
加えて、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」の最寄りの温泉&周辺の買物施設
越のゆ 鯖江店 ※約14キロ・20分
☎ 0778-52-7191
大人650円
7時~ 25時(受付最終24時30分)
コンビニ
ローソンまで約1.2キロ
スーパーマーケット
約7キロのところに「バロー 福井南店」がある。
「道の駅 一乗谷あさくら水の駅」のアクセスマップ
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