「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、20年以上かけて味わってきた全国のソウルフード&ドリンクを、そのレシピと老舗・行列店を交えてご紹介します。
「昭和」の哀愁漂う昔ながらのドライブインで提供される「能登ラーメン」は、、まさにここでしか味わえないオンリーワンの逸品。
「ロードパーク女の浦」は、「厳門」で有名な「能登金剛」に近い、景勝「鷹の巣岩」の前に建つドライブインだ。
ドライブインと云っても、規模は小さく、店は一軒しかない。
しかも店内は、昭和基調のちょっとレトロな食堂そのもの。
中にはこういう店が好きな人もいるとは思うが… 今時の若い人にはどうなのかなぁ、と他人事ながら心配したくなる。
そんな「ロードパーク女の浦」は、県道36号線(志賀富来線)沿いにあり、周辺にあまり店もないことから、かつてはそこそこ繁盛していたらしい。
だが「のと里山海道」の無料化とともに、客足は遠のいていったという。
写真は「のと里山海道」の開通後、しばらくしたころに撮影していたものだが、休みなのか閉店してしまったのかが分からないくらい、人気が感じられなかった。
それはまさに「絶メシ店」に共通する大きな特徴なわけだが(笑)、実はこの店に注目したのは「絶メシ」よりも「マツコの知らない世界」のほうが早かった。
「昭和ドライブインの世界」と題した番組中に登場するのだが、そこで視聴者の注目を集めたのが、この「能登ラーメン」だ。
具は大量のワカメと蒲鉾のカニ、そして煮付けたイカにネギ。
テレビのモニター越しでも、まず都会では見ることのない具材から、醤油スープにいい感じのダシが出て、あっさりしていながらコクのある、いかにもうまそうなラーメンに見えたに違いない。
事実これで650円は、かなりの割安感だし、おいしかった。
激戦を勝ちぬてきたプロのラーメン屋とは違う、「計算のない味」がそう感じさせているのだろう。
いっぽう、こちらは海鮮丼。
店としてはこっちを押したいのだろうが、鮮度が高くて悪くはないが、インパクトは断然「能登ラーメン」のほうが大きい。
そしてドラマ「絶メシロード」では、山本耕史がこれをアドリブを効かした名演技で完食する。
ドラマ「絶メシロード」 エピソード
「絶メシロード」は2020年1月からテレビ東京系列で放送された、「車中泊」と「グルメ」を題材にした深夜ドラマで、筆者は車中泊の監修者として携わった経緯から、全12話に使われた車中泊スポットを実際に訪れている。
能登半島 車中泊旅行ガイド