この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

「河津七滝めぐり」は、河津桜まつりとのセットで楽しめるアトラクション
河津七滝めぐり【目次】
河津七滝とは
「河津七滝(かわづななだる)」は、河津川に並ぶ7つの滝の総称で、川沿いに全長850mの遊歩道が整備されており、片道約1時間かけてめぐることができる名勝だ。
河津七滝は「伊豆の踊り子」の舞台?
「河津七滝」を紹介しているサイトの中には、そう書かれたページもあるが、確かにこのあたりは川端康成の出世作とも呼ばれる「伊豆の踊り子」の舞台ではある。
だが、「河津七滝」は実際の小説には出てこない。
遊歩道の途中に踊り子と青年の像があるため勘違いしてしまうが、残念ながらこれはただのイメージだ。
とはいえ、こういうものがあるほうが、ハイキング自体は盛り上がる(笑)。
なお「伊豆の踊り子」あらすじは、近くの湯ヶ野温泉にある川端康成ゆかりの温泉宿「福田家」の記事に掲載している。
「日本秘湯を守る会」に名を連ねる福田家は、嬉しいことに日帰り入浴を受け付けているので、ハイキングの後に汗を流せば、思い出深い旅になること請け合いだ。
さて。多くの紹介サイトは、我も我と7つの滝を写真を載せて紹介しているようだが、ここではそれを割愛する。
なぜなら河津七滝の滝はどれも規模が小さく、「滝」としての魅力には欠けている。
唯一「滝」と呼べるスケールを持つのは「大滝」だが、これ以上近づくと料金を取られる(笑)。
1.釜滝(落差22m・幅2m)
2.エビ滝(落差5m・幅3m)
3.蛇滝(落差3m・幅2m)
4.初景滝(落差10m・幅7m)
5.カニ滝(落差2m・幅1m)
6.出合滝(落差2m・幅2m)
7.大滝(落差30m・幅7m)
あとの情報は「公式サイト」を見るだけで十分じゃないかな(笑)。
それより重要なのは、この年間を通して楽しめる河津町観光のメインスポットが持つ「本当の価値」だ。
「河津七滝」は、約2万5000年前に起きた伊豆半島の火山活動により、溶岩流が谷に流れ込んで生まれたもので、6つの滝で写真のような珍しい「柱状節理」が見られる。
それが地質学的に価値があるということで、「伊豆半島ジオパーク」のジオサイトにも指定されている。
やれパワースポットだの、風情がどうのこうのと云う「乙女チックな話」ではなく、大人は「河津七滝」が持つ「客観的な価値」をもとに、行くかどうかを判断したいと思うのだが、そういう参考になるサイトを見つけるのは本当に難しい(笑)。
ちなみに柱状節理で有名なのは、福井県の東尋坊。日本では視界の開けた断崖絶壁にあるところが多い。
くたびれない七滝めぐりの方法は?
「河津七滝」は、遊歩道の出入口に用意された「河津七滝駐車場(河津七滝観光センター無料駐車場と同じ)」か「水垂(みずたる)駐車場」にクルマを置き、片道約1キロの遊歩道を歩いて観光するわけだが、帰りは同じ道を戻らなくてはならない。
ゆえに、それが時間と体力のロスと考える人には、片道に「バス」を利用されることをお勧めする。
この時に重要なのは、往復のどちらでバスを利用するかだが、「河津七滝駐車場」には60台の乗用車が停車できるが、「水垂駐車場」は10台分しかキャパがない。
加えて「河津七滝駐車場」には食堂に加えてトイレもあり、河津七滝温泉街にも近い。そして何より車中泊が可能だ。
ということは、「河津七滝駐車場」にクルマを置いて「釜滝」まで歩き、そこから国道414号に出て、「水垂バス停」からクルマを置いた「河津七滝駐車場」の前にある「河津七滝バス停」まで、東海バスに乗って戻るのが正解という判断になるだろう。
最後に。
「河津七滝」が美しいのは紅葉の季節だと思いがちだが、残念ながら滝に絡む紅葉の写真はほとんど撮れない。
河津七滝の車中泊スポット「河津七滝駐車場」
多くの車中泊旅行者にとって、「河津七滝駐車場(河津七滝観光センター無料駐車場と同じ)」で車中泊をするかどうかは、「河津桜まつり」との兼ね合いになってくると思う。
例えば、前日の夜にここまで来て車中泊をし、朝から「河津七滝」を歩いて、川沿いの屋台が開く頃に「河津桜まつり」の会場に向かう人もいる。
また逆に「河津桜まつり」で夜桜を見た後、ここで車中泊をし、翌朝「河津七滝」を歩くという人もあるだろう。
河津七滝観光センターのアクセスマップ
河津桜まつり 車中泊旅行ガイド
東伊豆 車中泊旅行ガイド
伊豆半島 車中泊旅行ガイド


車中泊でクルマ旅 総合案内
クルマ旅を愉しむための車中泊入門

この記事がよく読まれています。




