この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
春は麓にある「さくらの里」とダブルで、富士の絶景が楽しめる。
大室山【目次】
大室山の楽しみ方
阿蘇にある「米塚」とよく似た「大室山」は、「道の駅 伊東マリンタウン」から約20キロ・30分足らずのところにある標高580メートルの小さな山だ。
ただ米塚は80メートルしかなく、高台から全容を見下ろすことができるのだが、大室山自体はドローンを飛ばすか、航空写真でしか見られない。
そのため、麓からはちょっと残念な気になるわけだが、裏返せば周囲には視界を遮るものがないということ。
つまり山頂に登れば、富士山から伊豆大島に至る圧巻のパノラマ風景が拝めるということだ。
「大室山」の山頂までは、大室山登山リフト(おとな往復700円)に乗れば6分ほどで到着できる。
かつては徒歩でも登れたそうだが、現在は禁止。ただしペットの同伴はOKで、そのリフト代までは請求されない。
山頂には噴火口を散策する「お鉢めぐり」ができるよう、約1キロの舗装された遊歩道が整備されている。
写真の奥に浮かんでいるのは伊豆大島。
「お鉢(火口)」には、アーチェリー場がある。
弓や矢などの道具類はレンタルできるので、手ぶらでOK。的はお土産として持ち帰りできる。料金は入場料おとな(中学生以上)500円、道具代(弓・矢 5本)1式1,000円。
それより我々おっちゃんには、山の上で
「なあなあ父ちゃん。女風呂見えたで!」
「そうか、そりゃ世紀の大発見やな」
みたいな想像力とウィットに富む会話を聞いているほうが、ずっと楽しい(笑)。
帰りはご覧の景色とともに外界まで。これで700円なら悪くはない。しかも下に見えている駐車場は無料で、200台まで停められる。
さくらの里
大室山(おおむろやま)の麓にあり、「日本桜の名所100選」に名を連ねる「さくらの里」は、約40種・1,000本の桜が植えられた無料の公園だ。
芝生の広場からでは分からないが、少し山を登れば富士山が顔を出してくれる。
2月には寒桜や河津桜、3月には早咲き大島桜、城ヶ崎桜、伊東桜などが咲き続き、4月には華やかなソメイヨシノが見頃を迎えるので、その季節に行けば、山頂からとのダブルで富士の絶景が楽しめる。
敷地にはロープウェイの駐車場とは別に、約80台が停められる無料の駐車場もある。
最後に。
「大室山」は伊東温泉で湯めぐりを楽しんだ後、「道の駅 伊東マリンタウン」で車中泊し、翌日に河津方面に向けて南下する途中に、「城ヶ崎海岸」とあわせて立ち寄っていくのがお勧めだ。
ただし、「大室山」を先に観ないと、「城ヶ崎海岸」の良さは分かりづらい。