「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。

車中泊ができる親水公園界隈から徒歩約10分、専用駐車場もある。
熱海の親水公園から山手に向かって伸びる「熱海銀座通り」の坂を上り、ニューフジヤホテルを超えて、もう少し進んだ先にある「日航亭大湯」は、もともと昭和16年創業の老舗旅館だったが、現在は日帰り温泉施設として営業している。
今の熱海には5軒の共同浴場(公衆浴場)があるが、駐車場があって広々とした露天風呂で寛げるのはここだけだ。
昭和の香りが漂う和風一色の館内は、中高年に馴染みやすく、温泉館に望みたい「気負わずゆったり寛ぐことができる」空間になっている。
かつてこの周辺の源泉は「大湯」と呼ばれ、戦国時代には「熱海大湯本陣」が置かれていた。
切り傷によく効くとされる「塩化物泉」が豊富に含まれる「大湯」は、徳川家康もお気に入りで、何度も湯治にきたことが文献に残されている。

出典:日航亭大湯 公式サイト
「日航亭・大湯」のお湯は、無色透明でわずかに塩辛い味がする。源泉温度は98℃とかなり熱めだが、加水も循環ろ過もない、まさに「源泉かけ流し」だ。
pH値は8.07の弱アルカリ性。ただ特筆すべきは、天然保湿成分のメタイケイ酸が304.8mg/kgも入っていること。
メタイケイ酸は100mg/kg以上で美人の湯と呼ばれるだけに、お湯は柔らかく、湯上がりには肌がしっとりする。
湯加減は絶妙で、長湯をするとのぼせるが、熱くて浸かっていられないようなことはなかった。
浴室は男女それぞれに内風呂と露天風呂があり、露天風呂は20人が入れるほどの広さがある。
もちろん1000円の料金なので、ボディーソープとシャンプーは置かれており、シャワーも使える。
なお100円のロッカーはコインが戻らない。両替機もないので、事前に小銭を用意しておくほうがいい。
ちなみに、ドライヤーは無料で使える。
総括すると、入浴料は安くはないが、1000円なりの価値は感じる。また熱海に来る機会があれば、ぜひリピートしたいものだ。
日航亭大湯
☎0557-83-6021
おとな1000円
9時〜20時・火曜定休
「走り湯」の駐車場とマイカーアクセス
7台が停められる専用駐車場が、斜め向かいの「湯前神社」前にある。ただし、マイクロバス・キャンピングカーは駐車不可。
大型車が停められる熱海の駐車場情報はこちらに掲載している。
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