この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「御前崎」は、川根温泉と抱き合わせて行きたい、静岡県最南端の岬
御前崎 車中泊旅行ガイド【目次】
御前崎のロケーション
静岡県の最南端と云えば、伊豆半島の先端にある石廊崎だと思っている人がいるかもしれないが、実はここが最南端。
我々には台風中継の時に思い出すくらいしか馴染みがないが、伊豆半島に比べると、浜松や静岡市内からのアクセスが良好なうえに、魚も豊富で海浜整備が進んでいるため、静岡県民にはよく知られたレジャースポットのようだ。
だが、如何せん静岡には「富士山」と「伊豆半島」があるため、県外からなかなかここまで足を運ぶ人はいない。
しかし行ってみると、御前崎は「悪くない穴場」であることがわかる。
そこで旅先としての「御前崎」を考察した結果、ほぼ南北の位置関係にある川根温泉と抱き合わせるのが、さきほどの「2強」と被らない、お勧めのクルマ旅コースになることに気がついた。
御前崎の見どころ
御前崎の見どころは、下の❶から❸の3つのエリアに分けられる。
❶浜岡砂丘エリア
「浜岡砂丘」は、御前崎から天竜川の河口にかけて、約30キロもの砂丘が延々と続く「南遠大砂丘(なんえんだいさきゅう)」の一部。
天竜川から流出した土砂が遠州灘沿岸の潮流にのり、「遠州のからっ風」と呼ばれる特有の強い西風によって内陸に運ばれ形成された「南遠大砂丘」は、鳥取砂丘、吹上砂丘(鹿児島県)と並ぶ「日本三大砂丘」のひとつに数えられている。
無料の市営駐車場がある「白砂公園」の周辺では、初夏から盛夏には海浜植物が咲き、冬は風が創り出す「風紋」を見ることができる。
浜岡海岸はサーフィンのスポットとして有名だが、ヒラメやキスが釣れることでも知られている。
なお、すぐ近くには「道の駅 風のマルシェ御前崎」がある。
❷御前崎ケープパークエリア
御前崎の先端部に位置する「御前崎ケープパーク」は、御前埼灯台から展望台の「夕日と風がみえるん台」に通じる、約1.5キロの遊歩道周辺を整備した広域公園のこと。
「夕日と風がみえるん台」から見た御前崎の景観。イメージは断崖絶壁だが、実際はご覧ような平坦な地形だ。
「御前崎ケープパーク」のランドマークは、やはり日本の近代化産業遺産、日本の灯台50選に選ばれているこの「御前埼灯台」だろう。
参観寄付金 300円
開館 9時~16時 (悪天候時は閉館)
なお地名は「御前崎」だが、灯台名は「御前埼」になる。
無料の市営駐車場には、トイレと無人の観光情報館、そして1段上がったところに「パシフィック・カフェ」がある。
パシフィック・カフェは飲食ができるほか、奥が無料の休憩所になっている。
パシフィック・カフェ オフィシャルサイト
「御前崎ケープパーク」はどちらかといえば、若いカップル向きの観光スポットで、中高年は「なぶら市場」に近い次の「マリンパーク御前崎」のほうがたぶん馴染めると思う。
❸マリンパーク御前崎エリア
このエリア一番の見どころは、「御前崎海鮮なぶら市場」だろう。
「なぶら」はイワシなどの小魚の群れが、カツオやカンパチなどの大きな魚に水面まで追い詰められ、海面の一部がざわざわしたり、魚がバシャバシャと跳ねている状態を指す漁師の言葉。
「御前崎海鮮なぶら市場」は、「船から直接食卓へ」をキャッチフレーズに、御前崎港に水揚げされた新鮮な魚介類をはじめ、物産品や土産物・郷土色豊かな魚料理をメインとした食事を提供している。
旅人には、こちらの物産品や土産物売り場のほうが人気かな。
名物のカツオ料理はこちらの「日光丸」で食べられる。
なお、鮮魚は「御前崎海鮮なぶら市場」からクルマで2.3分のところにある「福泉」でも手に入る。
関東ではコメジ、関西はヨコワと呼ばれるクロマグロ(ホンマグロ)の幼魚は、なんと1匹100円!
最後は駿河湾越しに富士山が望める「マリンパーク御前崎」。
「マリンパーク御前崎」は、海水浴場とオートキャンプ場を包含している広大な海浜公園で、ゆっくりと時間を過ごすことができる無料の楽園だ。
マリンパーク御前崎 紹介サイト
御前崎の車中泊事情&スポット
さて。
御前崎は上記の3つの見どころエリアのそれぞれに、車中泊ができるトイレ付きの無料駐車場がある。
ただし長くなるので、その詳細は別ページにてご覧いただきたい。