この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。

鬼ヶ城はクルマの置き場所の心配がない、お勧めの伊勢路ハイキングコース
鬼ヶ城【目次】
鬼ヶ城の概要
鬼ヶ城は隆起と風化と波の浸食によって生れた自然の造形で、熊野灘の荒波に削られた大小無数の海食洞が、地震による隆起によって階段上に並び、熊野灘に面して約1.2キロにわたって続いている。
奇石奇岩が続く海岸沿いには遊歩道が整備されており、無料で散策することができる。おまけに駐車料金もかからない。
実はここが志摩半島から続くリアス式海岸の最南端で、鬼ヶ城から南は、なだらかな砂礫の七里御浜になる。
「鬼ヶ城」は1935年(昭和10年)に国の天然記念物に指定された後、1958年(昭和33年)に獅子巌が追加指定され、名勝および天然記念物「熊野の鬼ヶ城 附(つけたし) 獅子巖(ししいわ)」となった。
現在は2004年7月に登録された、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産に指定されているほか、日本百景にも選定されている。
また「鬼ヶ城」からは、熊野古道・松本峠と連結するハイキングコースが整備されている。
熊野古道・松本峠
伊勢から熊野三山へと向かう伊勢路は、いくつもの峠を越える厳しい山道だが、鬼ヶ城と隣接する熊野古道の「松本峠」からは、その後約25キロにわたって続く七里御浜の穏やかな景観が見渡せる。
筆者はその景観が見たくて、40代の終わりに「松本峠道」と呼ばれる大泊から木本までの約4キロを歩いたことがある。
この時はクルマを大泊の松本峠登り口付近にある駐車場に置いてスタートし、ゴールの木本からJR熊野市駅まで歩いて電車に乗り、大泊まで戻った後、駐車場までまた歩いた。
こう云ってしまうと身も蓋もないが(笑)、熊野古道は基本的に霊場と霊場をつなぐための道なので、道中の景色はどこもがこういう感じで代わり映えしない。
であれば公共交通機関を使わず、「松本峠」に行って戻れる鬼ヶ城のほうが効率的だ。
歩く距離は同じ約4キロだが、鬼ヶ城からのコースは視界が開けたところも多く、何よりいっさいお金がかからない(笑)。
車中泊ができる「鬼ヶ城センター」
「鬼ヶ城センター」は、2013年に鬼ヶ城の遊歩道入口近くに作られたレストハウスで、館内には熊野特産品の販売店とレストランがある。
☎0597-89-1502
9時~17時・無休
「鬼ヶ城センター」の前ある、普通車70台を収容する無料駐車場。
ここは24時間出入りができ、ウォシュレットを完備している野外トイレがあるので、車中泊も可能だ。
駐車場には若干傾斜はあるが、車中泊に差し障りがない場所もある。
こちらは「鬼ヶ城センター」の入り口にある「熊野漁協水産物直売所」で、営業時間は10時から15時30分と短いが、まぐろ丼や海鮮丼等、各種どんぶりのテイクアウトができる。
わずか4キロほどしか離れていないところに「道の駅 花の窟」があるのに、なにもこんなところで車中泊をしなくても…
と思う人が多いと思うが、実は「道の駅 花の窟」には車中泊禁止の表示がある。
それでは、どっちが道の駅なんだか分からない(笑)。
最寄りの温泉&周辺買い物施設
熊野の湯 海ひかり(旧:かんぽの宿)
鬼ヶ城センターから約4キロ・クルマで10分
☎0597-89-7000
大人500円
15時〜21時・不定休
コンビニ
ローソンまで約2.5キロ。
スーパーマーケット
約3.2キロのところに「オークワ熊野店」がある。
鬼ヶ城センター アクセスマップ
熊野古道 車中泊旅行ガイド(伊勢路編)
「アラ還」からの車中泊


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