この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

出かける前に知っておきたい、「みなみの桜と菜の花まつり」を車中泊で楽しむための必須情報
みなみの桜と菜の花まつり【目次】
「みなみの桜と菜の花まつり」の概要
2022年で24回目を迎えた南伊豆町の「みなみの桜と菜の花まつり」は、同じく2022年に32回目を迎えた河津町の「河津桜まつり」と並んで、伊豆半島をピンクに彩る早春の風物詩だ。
会場となる南伊豆町の下賀茂温泉では、青野川の両岸約4.2キロにわたって約800本の桜並木が続いており、その景観は河津町と比べても遜色なく美しい。
むしろ歩道にフェンスがなく、また出店や屋台が並ぶこともない青野川堤のほうが、風景写真の愛好家にとっては、雑多なものが映り込みやすい河津よりも都合がいいと云える。
また「みなみの桜と菜の花まつり」の名の通り、南伊豆町には同時期に満開を迎える菜の花を存分に楽しめる場所もある。
そのため会場は2ヶ所に別れており、それぞれに有料の駐車場が設けられている。
日野の菜の花畑
河津にはない南伊豆町の見どころのひとつが、国道136号の日野(ひなの)交差点の一画に広がる、「元気な百姓達の菜の花畑」の別称を持つ「日野の菜の花畑」だ。
そのルーツは1992年から始まった「元気な百詳祭」にあると云われ、放棄された休耕地に、地元のボランティアや子供たち、そして観光関係者などが地道に花の種を撒いてきた。
それが実を結び、現在は3万㎡とも呼ばれる敷地で、毎年2月上旬から3月下旬頃に菜の花、8月にはひまわりが見頃を迎える。
「日野の菜の花畑」には、隣接して専用の駐車場が設けられている。
「みなみの桜と菜の花まつり」期間中の駐車料金は1日500円。
駐車キャパは100台近くあると思われ、仮に満車でも回転が早いので、さほど待つことなく入庫できるようだ。
ちなみに写真撮影のベストスポットはこの陸橋らしい。帰りがけに車窓から気づいたが、「時すでに遅し」だった(笑)。
とはいえ、いずれにしても「日野の菜の花畑」では背景に建物が映り込むので、被写体としては今ひとつだ。
ただし、ここにはそれより「見落としたくないフォトスポット」がある。
駐車場の入口から「日野の菜の花畑」と反対方向に50メートルほど歩いた青野川の堤に、この菜の花と河津桜がコンビで撮れる場所がある。
道の駅 下賀茂温泉湯の花
「道の駅 下賀茂温泉湯の花」は、青野川と並行して走る国道136号沿いに建つ道の駅で、「みなみの桜と菜の花まつり」期間中は、駐車場が1日500円の有料となる。
ただし前述した「日野の菜の花畑」など、他の駐車場の領収書を見せれば無料で駐められる。
道の駅からは、直接桜が咲く青野川の堤に出ることができる。
河津桜が咲くのは「前原橋」から「宮前橋」にかけての両岸で、「道の駅 下賀茂温泉湯の花」を起点に、2つの橋を周回するには約1時間が必要だ。
ただ菜の花が多く咲いているのは、「日野の菜の花畑」方向ではなく、上流の「銀の湯会館」の方向で、このように両岸の桜並木が撮れるのは橋の上になる。
ちなみにこの写真は、マップAの桜並木を「湯けむり橋」の上から朝に撮ったもので、これも河津では見られない情景だ。
ここでは「銀の湯橋」と「前原橋」の間にある、南伊豆町役場3階の「展望デッキ」も人気の撮影スポットらしい。通常は平日のみ9時から17時まで無料開放されており、外から上がることができるとのこと。
ただ、「湯けむり」が見えるのは気温の低い早朝なので、日中はこのような景色にはまず出会えない。
なお道の駅の詳細については、別途以下の記事にまとめている。
河津より南伊豆のほうが空いているというのは本当か?
よく云われている話だが、とにかくいつ行っても観光客で賑わっている「河津桜まつりの会場」に比べると、確かに「みなみの桜と菜の花まつり」の会場のほうが”全体的に空いている”というのは事実だろう。
その最大の理由は、「河津桜まつりの会場」は伊豆急行の河津駅から歩いて行けるが、「みなみの桜と菜の花まつり」の会場へは、伊豆急行の下田駅から下賀茂方面行きの東海バスに約20分乗らなければならないという、アクセスの悪さが挙げられる。
すなわち、「みなみの桜と菜の花まつり」の来場客の大半は、近場・遠方にかかわらずクルマ客ということになる。
しかしこれはクルマで行く我々には、なんのアドバンテージでもなく、むしろ駐車場のキャパが小さい分、混みやすいというデメリットのほうが大きい。
筆者が初めて訪ねた2010年当時は、知名度も今ほど高くはなく、道の駅も夜間は空いていたが、今は平日でも「満員御礼」(笑)。
つまり、河津よりも空いているという認識は捨てて望んだほうがいい。
あわせて行きたい「石廊崎」
いくら会場が2ヶ所あるとはいえ、「みなみの桜と菜の花まつり」は半日あれば十分に堪能できる。
ゆえに、せっかく伊豆半島の先端近くまで来ているのだから、ここでは残る半日を風光明媚な石廊崎の観光に充てることをお勧めしたい。
南伊豆の車中泊事情&スポットガイド
少し上記の記事と重複するが、「みなみの桜と菜の花まつり」の見学に最適なロケーションにあるのが、「道の駅 下賀茂温泉湯の花」であることは間違いない。
ただし前述したようにキャパが50台ほどしかなく、まつり期間中の週末は夜間満車になる可能性が極めて高い。
そのため代替となる車中泊スポットを調べておかないと、いざという時に右往左往する羽目になる。
ちなみに次に近い道の駅は「開港下田みなと」だが、こちらは「道の駅 下賀茂温泉湯の花」以上に人気が高く、やはり満車の可能性が残る。
それを考えると、南伊豆町の無難で確率が高い車中泊スポットは、以下の2つに絞られるだろう。

南伊豆 車中泊旅行ガイド
伊豆半島 車中泊旅行ガイド


車中泊でクルマ旅 総合案内
クルマ旅を愉しむための車中泊入門

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