【2022年9月更新】
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「道の駅 白川郷」の車中泊に関する記述です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。


「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」は奥飛騨温泉郷の外れにある道の駅で、日帰り温泉は併設していない。
道の駅 奥飛騨温泉郷上宝 DATA
道の駅 奥飛騨温泉郷上宝
〒506-1427
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷田頃家11-1
☎ 0578-89-3746
物産館の営業時間
4月~10月 9時~17時・無休
11月~3月 9時~16時30分・水曜定休
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第5回
登録日/1994年4月26日
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.04.30
2013.09.26
2014.10.09
2016.02.11
2018.04.27
2022.09.26
道の駅 奥飛騨温泉郷上宝【目次】
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」のロケーション
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」は、その玄関とも呼べる「平湯温泉」から約11キロ・クルマで15分ほど離れた「栃尾温泉」の外れにある。
数日間奥飛騨温泉郷にとどまり、がっつり名湯めぐりをしたい人、あるいは「新穂高ロープウェイ」に乗って、「西穂高口駅」の展望台から北アルプスを眺望したりするには適している。
数日間とどまると云っても、奥飛騨温泉郷はクルマで移動しなければどうにもならないところなので、普通は日中に「席」を外さなければならず、連泊になってもいわゆる停めっぱなしの「長期滞在」とは異なる。
ただそういう声が気になる人は、「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の中央に入口をデンと構えている、こちらの高規格オートキャンプ場を利用するといい。
この「奥飛騨温泉郷オートキャンプ場」があるおかげで、「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」での車中泊に違和感を覚える人があると思うが、それは普通の旅行者が、リゾートホテルとビジネスホテルを使い分けるのと何ら変わらない。
要はちゃんと「車中泊のクルマ旅」というものが理解できれば済む話で、数日間まったく動かず同じ場所に居座ったり、車外にイスやテーブルを広げるような「車中泊以外のこと」をしない人は、悪びれることなく堂々としていればいい。
ただ「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」は、安房トンネルを挟んだ長野県側にある「上高地」や「乗鞍高原」と、岐阜県の「高山」をめぐる「旅の宿」として利用するには、いささか不便だ。
それを考えると、平湯温泉にこそ「道の駅」を作ってもらいたい。
なぜなら…
ご承知の通り、上高地に通じる釜トンネルから先は、通年のマイカー通行禁止になっている。
そのため上高地から北アルプスに向かうマイカー登山客の中には、早朝から山に登るため、前夜のうちにクルマを飛ばして、上高地行きの乗り換えバスが出ている平湯温泉までやってくる人も少なくない。
しかし平湯温泉にある「あかんだな駐車場」は夜間閉鎖されており、車中泊はもとより、午前3時30分まで入場することができない。
その対応策として、開場までは平湯バスターミナルでの仮眠が許可されているわけだが、現実を考えると朝3時半に起きてクルマを移動させていたのでは、睡眠不足になることは子供にでもわかる話だ。
とどのつまり、睡眠不足を回避して良いコンディションで北アルプスに向かうためには、この「道の駅・奥飛騨温泉郷上宝」で夜が明けるまで車中泊をする以外の最善策は見当たらない。
ハイシーズンに、早朝から「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の駐車場がやたらと騒がしいのはそのせいで、登山客に罪はない。
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の施設
「道の駅・奥飛騨温泉郷上宝」の駐車場には微妙なアンジュレーションがあり、トイレに近い普通車の駐車場には傾斜がある。
車中泊に支障があるというほどではないが、トイレに一番近い上の航空写真のCは傾斜が顕著で、一番フラットなのはA、続いてDの順になる。
フラットでトイレに近く、奥まっていて静かなのはBのトラックレーンだ。そのため、ここで車中泊をする人も目立つのだが、それはよくない。本当の車中泊のマナーとして、誰もが守るべきことのひとつだろう。
なお、24時間トイレの中にはウォシュレットが完備している。
隣にオートキャンプ場があることもあって、売店の土産品は充実している。
こちらは郷土料理の朴葉みそ。
調理自体はすこぶる簡単なので、近くのスーパーで肉と野菜を買ってくればキャンプサイトでも食べられる。
同じような発想からか、生わさびも売っていた。
おろしがねまで置いてあるのは気が効くね~。しかも鮫皮の特上品(笑)。
ここまで出さなくてもステンレスで十分使えるものもあるので、筆者はこういう時のために、ひとつはクルマに積んでいる。
さらに「道の駅・奥飛騨温泉郷上宝」の駐車場の敷地内には、3軒の食事処が揃っている。まわりに店がないので旅人にも嬉しい話だが、「シャモ・ホルモン・イワナの炭火焼き」は、飯のおかずというより、ちょっと素敵な酒の肴だ(笑)。
さて。
こちらは「道の駅・奥飛騨温泉郷上宝」の休憩所を兼ねた情報室だが…
驚いたことに「奥飛騨温泉郷の旅館・日帰り温泉に関するパンフレット」は1枚たりとも置いていない。
マイカーで現地を訪れる旅行者のために、地域のPRをするのは、国交省が掲げる道の駅の役割のひとつであるにもかかわらず、というより普通に考えても違和感を抱かずにはいられない話だろう。
ここから奥飛騨温泉郷の車中泊旅行者に対する姿勢、特にキャブコンのキャンピングカーに対するそれが浮かんで見える。
実は「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」のすぐ近くにある荒神の湯の駐車場管理者は、「2時間以上駐車禁止」と自らが定めたルールを平然と破られているにもかかわらず、その駐車場で車中泊をし続ける旅人を排除しないのに、キャンピングカーは入庫すら許さず、「差別」し続けている…
なにが「オートキャンプ禁止公園」だ。
ここでは車中泊どころか、車外での食事や調理が「当たり前」(笑)。
管理者が黙認しているのだから「事実上OK」で、やっている人たちは悪くない。
前述した「あかんだな駐車場」の車中泊禁止を含め、こういうデタラメがいつまでも公然と続いているのが奥飛騨温泉郷の実態で、「襟を正して車中泊しようという気」になれないのは、筆者だけではあるまい。
地域全体に秩序があってこそ、車中泊のマナーの良し悪しは語れる。
それができない環境を放置していれば、マナーに対する意識の薄い人々が集まってくるのは自業自得だ。
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の車中泊好適度
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:屋外にあり、24時間利用可能。
缶・ビン・ペットボトル:同上
なお、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
【プロの寸評】
筆者の中では、勝手知ったる奥飛騨温泉郷は、もはや長野と岐阜を行き来する際の「旅の宿」でしかない。
今は温泉が恋しい時は下呂温泉に行くことにしている。
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の最寄りの温泉&周辺買物施設
奥飛騨ガーデンホテル焼岳
☎0578-89-2811
大人700円
12:00〜21:00(閉館22:00)
基本無休(繁忙期は日帰り入浴の出来ない時間帯あり)
コンビニ
10キロ圏内にはないが、約1.5キロのところにある「ゴリラ」でお酒と乾き物のつまみは手に入る。
スーパーマーケット
約2キロのところに「Aコープ奥ひだ」がある。
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」のアクセスマップ
日本全国 道の駅・車中泊好適度チェック!
奥飛騨温泉郷 車中泊旅行ガイド
車中泊でクルマ旅 総合案内
クルマ旅を愉しむための車中泊入門
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