雨晴海岸からの立山連峰 撮影事情【クルマ旅のプロが解説】 2023年3月

雨晴海岸 富山県の絶景スポット

【2023年3月更新】
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「雨晴海岸」から富山湾越しに立山連峰を撮影したい人に向けた情報です。

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この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
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富山湾越しに立山連峰が見える場所は、混雑必至の「道の駅 雨晴」の前以外にもある。

雨晴海岸 展望広場

雨晴(あめはらし)海岸からの立山連峰 撮影事情

雨晴海岸のロケーションとトリビア

雨晴海岸からの立山連峰撮影事情

富山越しに立山連峰が見える、雨晴海岸以外のお勧め撮影スポット

番外編 ドライブ中に立山連峰が見えるスポット

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雨晴海岸のロケーションとトリビア

出典:びゅうトラベル

富山県の海岸線は、能登半島の東側が南に大きく湾曲して富山湾を形成している。

約147kmに及ぶこの地形が、富山湾越しに立山連峰が望める、世界的にも稀な絶景を生み出し、昔から多くの人々に感動を与えてきた。

万葉の歌人「大伴家持」も、そのひとり。

出典:高岡市万葉歴史館

雨晴海岸からほど近い現在の高岡市・伏木の地には、奈良時代に越中国(現在の富山県)の国府が置かれており、国守として赴任してきた大伴家持は、5年間の滞在中に富山の美しい自然を和歌に詠み、万葉集に残している。

~立山に振りおける雪を常夏に 見れども飽かず神からなし~

【現代語訳】
立山に降り積もった雪を、一年中見ていても飽きることはない。神にそむかない山だからであろう。

雨晴海岸 義経岩

ちなみに「雨晴」の地名は、1187年に源義経一行が山伏になりすまして、奥州平泉へ落ち延びる途中でにわか雨に遭い、弁慶が持ち上げた岩の陰で晴れるのを待ったという、「義経岩」の伝説に由来している。

雨晴海岸からの立山連峰撮影事情

雨晴海岸には、大きく分けると3つの撮影場所がある。

❶雨晴海岸(義経岩)前

雨晴海岸

「道の駅 雨晴」から、前を通る国道415号とJR氷見線の踏切を渡ったところから、雨晴海岸に降りた浜の先端部。

雨晴海岸

ポスターや雑誌に使われている写真の大半は、ここで撮影されている。

ただ凪だと誰が撮ってもこういう絵にしかならないため、違いを出したいフォトグラファーは、風が強く海が荒れている日を選んでやってくるらしい(笑)。

雨晴海岸

左が「三ツ岩」で右が「女岩」になるが、立山連峰がくっきり見える日に当たった観光客は、アングルを少し広角にし、それらと合わせて撮るほうが多少は面白い絵になりそうだ。

❷「道の駅 雨晴」の展望デッキ

道の駅 雨晴

2018年4月にオープンした「道の駅 雨晴」の2階.3階には、富山湾が一望できるカフェと展望デッキが用意されている。

道の駅 雨晴

ただし正面から見えるのはこの景色で、立山連峰は視界の外…

道の駅 雨晴

富山市内方面を見ると立山連峰は目に入るが、さすがに国道と線路が目立ちすぎて、風景写真にはならない。

ここで三脚を立てて踏ん張ってるのは、「撮り鉄」の諸君だ。

出典:VISIT富山県

普段は雪をかぶった立山連峰と青い海に映える、オレンジ色の列車がここを通るのだが、おそらく彼らが狙っているのは、深緑の観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール(通称:べるもんた)」なのだろう。

またここは氷見出身の藤子不二雄A先生にちなみ、「忍者ハットリくん」のイラストがラッピングされた列車も走っているとか。

ただ風景写真狙いなら、ここはパスしたほうがいいと思う。

出典:道の駅雨晴

道の駅 雨晴」には無料駐車場が3ヶ所用意されているのだが、立山連峰が見える時期は、平日でもいい時間帯は満車になることが多い。

前夜から車中泊をすればクルマは駐められると思うが、前述したように朝はシルエットになった立山連峰しか撮影できないジレンマがある。

道の駅 雨晴

なお「道の駅 雨晴」については、以下の記事に詳細をまとめている。

❸国道415号沿いの展望広場

雨晴海岸 展望広場

展望広場と聞くと、スクエアな空間をイメージするかもしれないが、実態は「道の駅 雨晴」の前を走る国道415号を200メートルほど富山市方面に進んだ、歩道の幅が拡張されたスペースのこと。

雨晴海岸 展望広場

上の写真の入口部分から、さらに100メートルほど坂を登ったあたりに、5台ほどクルマが駐められる駐車帯がある。

雨晴海岸

ここまで来ると人工物は避けられず、ほとんど同じ場所でありながら、ずいぶん異なる景色にはなる。

撮影に適した時間帯

氷見海岸

雨晴海岸一帯では、立山連峰から朝日が登る(この写真は氷見海岸で撮影)。

そのためこういう写真は撮れるが、当然朝は山がシルエットになる。

雨晴海岸

また午前中の陽が低い時間帯は逆光になるため、立山連峰が見えていたとしても、浮かび上がってくることはない。

雨晴海岸

はっきりと見えるのは午後からで、おそらく少し陽が傾き始める午後3時あたりが、もっともいい時間帯になのだろう。

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富山越しに立山連峰が見える、雨晴海岸以外のお勧め撮影スポット

冒頭のマップでも分かる通り、富山湾越しの立山連峰は、「道の駅 雨晴」から「道の駅 ひみ番屋街」間の海岸からなら、どこからでも見ることはできる。

雨晴海岸

立山連峰が微かにしか見えていないのが残念だが、「道の駅 雨晴」から「雨晴キャンプ場」を通り越した先にある公衆トイレの前は、富山湾と立山連峰だけのシンプルな景色が撮影できる絶好のポイントだ。

雨晴海岸

未舗装だが、10台ほどクルマが駐められる。

比美乃江公園

いっぽう、雨晴海岸と遜色のない景観が一番簡単に撮れる場所は、「道の駅氷見」に隣接している「比美乃江公園」だと思う。

ここにはトイレ付きで、広々とした無料駐車場がある。

氷見海岸

そこに車中泊すれば、夜明けからこういう写真も狙うことができる。

氷見海岸

日中はこういう感じだ。

番外編 ドライブ中に立山連峰が見える絶景スポット

新湊大橋

新湊大橋

新湊大橋

雨晴海岸から富山市内に向かって渡る時に、立山連峰が目前に広がる。

国道8号線

国道8号

新湊あたりから黒部まで、まるで屏風のような立山連峰の景観が続く。

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