【2023年3月更新】
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「海の駅 蜃気楼」の車中泊に関する記述です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「海の駅 蜃気楼」は、春に蜃気楼が見られる魚津の無料車中泊スポット。
海の駅 蜃気楼 DATA
海の駅 蜃気楼
〒937-0053
富山県魚津市村木町 定坊割2500-2
☎0765-24-4301
営業時間:9時~18時
(店舗によって異なる)
定休日:第2水曜日
(5月・8月・12月は無休)
「海の駅 蜃気楼」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2013.04.25
2016.05.04
2021.04.10
2023.03.19
「海の駅 蜃気楼」での現地調査は、2023年3月が最新です。
海の駅 蜃気楼 目次
「魚津埋没林博物館」隣接する「海の駅 蜃気楼」は、関西方面から見ると、氷見から始まる”富山湾岸・観光スポット群”の東端に位置する、道の駅のような存在だ。
2004年7月に、「みなとオアシス」に登録された魚津港一帯の中核施設としてオープンしており、敷地には大きな物販飲食施設もある。
無料の車中泊スポットとしては、ここから約8.6キロ・クルマで15分足らずのところに「道の駅 ウェブパークなめりかわ」があるが、ハイシーズンの週末や連休は、夜間もけっこう混雑することが多い。
それに比べれば、まだ車中泊旅行者には存在が知れ渡っておらず、釣り客も多い「海の駅 蜃気楼」のほうが、多少は自由度が高そうだ。
このご時世に…
道の駅でテントを張るなんて、よほどの事情があるか、世間に鈍感でないと、そうそうできるものじゃない(笑)。
もちろん容認されていないとは思うが、頭ごなしに「やめなさい」と云いに来る人もいないのだろう。
魚津の蜃気楼
さて。
ここで施設の名前にも使われている「蜃気楼」の話をしよう。
蜃気楼は海面付近に冷たい空気があり、その上に暖かい空気が重なる時、あるいはその逆の時に見える現象で、温度によって空気の屈折率が違うことから生じる。
ゴールデンウィーク頃に魚津で見られる蜃気楼は、海岸線に沿って北に約9キロ離れた「生地」地域の姿だが、建物が伸びたり縮んだり、時には一部が上下反対になるなど、普段見ている景色が歪んで目に映るのが特徴だ。
筆者がこの写真を撮影した日は「蜃気楼の当たり日」だったようで、多くの見学客が各地から集まっていたが、現地では初めての人にも蜃気楼がわかりやすいよう、地元のボランティアがサポートしてくれる。
また「魚津埋没林博物館」でも、蜃気楼の解説は無料で見学できる。
ただ蜃気楼は気温や風によって刻々と姿を変えていき、肉眼ではほとんど確認することはできない。
観察には双眼鏡が不可欠で、撮影には500ミリクラスの超望遠レンズが必要だ。
ちなみに蜃気楼は、国内では富山湾以外に、滋賀県の琵琶湖、福島県の猪苗代湖、さらに北海道では小樽や苫小牧、そして野付半島でも確認されている。
なお、若い人にはいささかヤボったい話かもしれないが…
いくら車中泊がブームでも、魚津まで来ていながら、こういうことを調べもせず、ただトイレがどうの、レストランがああのとだけ紹介するのは、車中泊クルマ旅の本筋からすれば、まさに「筋違い」って奴だ。
「サービスエリア」と「道の駅」、あるいは近くに「道の駅」がない場合の「無料駐車場」には、”旅の宿”としての利用価値があると思うが、それ以外の車中泊スポットでは、”旅の宿”プラスアルファの価値が見いだせなければ、そこでの車中泊は意味付けできず、まして車中泊を知らない人からの理解を得ることはできまい。
それはこの記事をご覧の貴方が、一番実感されていることだと思う。
「海の駅 蜃気楼」の施設
ということで改めて…
魚津の蜃気楼の見学スポットで知られる「海の駅 蜃気楼」は、釣りができるうえに、24時間使える公衆トイレと物販飲食施設を併設しており、駐車場は広くてフラットなことから、車中泊にも適している。
こちらが「海の駅 蜃気楼」のレイアウトだが、駐車場はAとBの2ヶ所に大きく分かれている。
車中泊に適しているのは、公衆トイレに近いこちらのAの駐車場だ。
公衆トイレの外観。
ウォシュレットは、多目的トイレにのみ設置されていた。
いっぽう、こちらが物販飲食施設の前に用意されたBの駐車場だ。
ただし、第2・4日曜日は早朝の6時30分から「魚津の朝市」が行われるため、駐車位置には配慮が必要。騒々しさから逃れると同時に、地元の人たちの迷惑にならないよう心がけよう。
「海の駅 蜃気楼」の館内は、向かって左側が飲食、右側が売店になっている。
以前あった、800円で「おてがる海鮮丼」が食べられた「幻魚房」は、2023年3月には「喜見城」という店に変わっており、メニューも「食べてみられ丼」1000円になっていた。
また「忠鮮魚店」には刺し身が揃っていたが、スーパーよりも値段は高く、以前に比べるとお値打ち感が薄れている気がした。
売店の一画には、富山生まれの「ケロリン」お風呂グッズが並んでいる。
本来の「ケロリン」は、「富山めぐみ製薬」が製造販売している頭痛薬(鎮痛剤)のことだが、東京オリンピックの前年に「湯桶」に広告を出したことがきっかけで、お風呂グッズが誕生し、爆発的な人気を呼んだ。
最近では漫画『テルマエ・ロマエ』で、日本の銭湯を象徴する小道具として、この桶が使われている。
いずれにしても
こういう面白い土産品の物色も含めて…
観光で富山を訪れる人は、休憩で「海の駅 蜃気楼」に立ち寄られる方がいいと思う。やはり車中泊は道の駅のほうが無難だ。
「海の駅 蜃気楼」の車中泊好適度
「海の駅 蜃気楼」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:館内にあり、営業時間中のみ利用可能。
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機の横に設置。24時間利用可能。
可燃物のゴミ箱は、館内のトイレの入口近くに置かれている。
「海の駅 蜃気楼」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
下田温泉(銭湯)
海の駅から約1キロ.3分
☎0765-22-1010
おとな440円
13時15分~22時30分
木曜定休
コンビニ
ファミリーマートが約450メートルのところにある。
スーパーマーケット
約1.7キロのところに「大阪屋ショップ サンプラザ店」がある。