車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「道の駅 朝霧高原」の車中泊に関する記述です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「道の駅 朝霧高原」は、標高約900メートル地点にある、中高年が馴染みやすい車中泊スポット
道の駅 朝霧高原 DATA
道の駅 朝霧高原
418-0101
静岡県富士宮市根原492-14
☎0544-52-2230
営業時間:8時~17時
無休
「道の駅 朝霧高原」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第15回
登録日/1999年8月27日
開駅日/2000年3月27日
「道の駅 朝霧高原」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.11.23
2009.04.10
2010.04.18
2016.04.09
2018.02.23
2020.10.03
2021.08.30
道の駅 朝霧高原【目次】

「道の駅 朝霧高原」のロケーション
富士エリアの静岡県側にある「道の駅 朝霧高原」は、標高約900メートル地点に建つ道の駅で、天気が良ければ、憧れの富士山を間近に見ることができる。
とりわけ道の駅の裏手にある「富士山展望台」から望む、朝日の紅富士は格別だ。
静岡県富士宮市にある「静岡県富士山世界遺産センター」から「道の駅 朝霧高原」までは、約24キロ・クルマで30分。
「道の駅 朝霧高原」で車中泊をするつもりなら、午前中に「静岡県富士山世界遺産センター」を見て、「富士山本宮浅間大社」に参拝し、富士宮市内で買い出しを済ませた後、途中にある「白糸の滝」に立ち寄り、それから朝霧高原を目指すくらいでちょうどいい。
さて。
富士山西麓の標高700~1000メートルの高地に広がる朝霧高原は、もともと冷涼な気候と「黒ボク土」と呼ばれる独特の地質に恵まれた酪農地帯で、今でも牧草を食む乳牛の姿を目にすることができる。
またキャンプ場も多く、特に広々とした草原の彼方に富士山を望む「ふもとっぱら」は、今では「キャンプの聖地」として名を馳せている。
そんなわけで朝霧高原には、主要幹線道路の国道139号沿いに、有料でファミリー向けの「まかいの牧場」くらいしか、観光施設らしいところが見当たらない。
そのため静岡側から富士山麓まで来てはみたものの、とりあえず「道の駅 朝霧高原」にやってくる、という土地勘のない中高年旅行者は少なくない。
極端な話、「行きあたりばったり」であれば、ほぼ100%そうなるはずだ。
そういう旅人の受け皿になっているのが、2012年に「道の駅 朝霧高原」の裏手にできた「あさぎりフードパーク」だろう。
「あさぎりフードパーク」は、5つの工房とレストラン、そして今はキャンプ場まで併設された、富士山の自然と食を体感できるテーマパークだ。
道の駅とワンセットになった環境を考えると、無料で見て周れる「あさぎりフードパーク」は、この地にうまくフィットしていると思う。
普通は朝霧高原まできたら、さきほどの「ふもとっぱら」でキャンプをする人が多いと思うが、ここは便利だし、トイレもウォシュレットできれいだ。
料金は入場料が中学生以上ひとり1000円、サイト使用料2200円、さらに500円で電源も利用できる。
一人旅なら3200円。ちょっと高めのRVパークを利用すると思えば、車外で調理も食事もできるだけに、真夏ならそう悪くはないと思う。
しかもすぐ近くには酒蔵まである(笑)。
「道の駅 朝霧高原」の施設
ちょっとチロリアンな外観を持つ「道の駅 朝霧高原」がオープンしたのは、2000年の3月。
以降目立ったリニューアルは行われていないようで、さすがに駅舎の中は古びた感が拭えない。
「道の駅 朝霧高原」の駐車場は大きく3ヶ所に分かれており、こちらがメインの駐車場になる。
ただし残念なことに、地面は駅舎に向かってなだらかな傾斜している。
「道の駅 朝霧高原」のベスト車中泊スポットは、メインの駐車場の「離れ」になった電光掲示板に近いこのブロックで、ここだけは傾斜がほとんどない。
しかしキャパは10台ほど。しかもトイレに近いため、24時間ほとんど空くことのない激戦区だ。
ゆえに車中泊をするつもりなら、夕方の道の駅がまだ営業している時間に到着し、しばらくどこかの区画に停めて待ち、誰かが出たら即移動するくらいの本気度がないと、たぶんここには停められない(笑)。
こちらが24時間トイレ。嬉しいことに前には、かくも立派なゴミ箱が置かれている。
もちろんトイレは、ウォシュレットに改修済み。
標高900メートルの「道の駅 朝霧高原」に、暖房便座は必須といえる。
いっぽうこちらは、比較的フラットな第2駐車場。奥まっていて目立たないので、トイレから遠いことを除けば悪くはない。
ただし長期滞在者を含め、「おいおい、それはないだろう」的車中泊に、出くわす可能性は否定できない(笑)。
マップの「園地」。クルマが乗入れているところを見ると、混雑時には臨時駐車場として使われるのだろう。
ただここで車中泊をする人は、車外にイスとテーブルを広げるキャンプ行為の「確信犯」と勘ぐられても仕方あるまい。
なお「道の駅 朝霧高原」は、地デジの電波が弱いだけでなく、「限界突破」のようなシムフリーのモバイルWifiの電波も弱く、動画は事実上見られない。
もしその日に見たいテレビがある人は、15キロほど離れた「道の駅なるさわ」に移動するといい。
「道の駅なるさわ」はテレビが驚くほどよく映る(笑)。
さて。
館内に目を移すと、一時は商品陳列場所にされかかっていた休憩スペースは、2020年10月に訪ねた際には、元通りに復元されていた。
白い紙は新型コロナ対策だが、1日も早くフル稼働に戻ってほしいものだ。朝霧高原は気温差が激しく、室内に休憩所がないと居場所がなくなる。
休憩室と隣接している「道の駅 朝霧高原」の食堂は、世界文化遺産の膝元にあるにしては、さすがにちょっとレトロな雰囲気。
この洋風の外観からしても、「レストラン」のほうが似合う(笑)。
しかし、うどん・そば・カレーに丼、そして定食が主役のメニューは、ライダーや車中泊旅行者には喜ばれるはずだ。
もっともそこは、ちゃんと合っているというより、昔の「団体ツアー御用達食堂」のままだからに違いない(笑)。
売店は頑張っているというより、アイテムが多すぎて通路が狭く、正直買い物がとてもしづらかった。
そもそも何でもかんでも手を出しすぎ。
富士山で駿河湾の魚は、さすがに違和感ありすぎだ(笑)。
本来なら、ここには富士五湖のお土産を揃えるのが常識だと思うが、ちょっと行くともうそこは「山梨県」。
道の駅の世界では、今でも県境の壁は厚いようだ。
とはいえ「道の駅 朝霧高原」は、同じ静岡県にある「道の駅 保田小学校」のように、きちんとしたコンサルを受けてリニューアルすれば、驚くような変貌を遂げる可能性は極めて高い。
ここをいつまでもこのままにしておくのは、もったいなさすぎだと思う。
「道の駅 朝霧高原」の車中泊好適度
「道の駅 朝霧高原」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:屋外にあり、24時間利用可能。
缶・ビン・ペットボトル:同上
前々から「道の駅 朝霧高原」で嬉しいのは、可燃物のゴミ箱がきちんと置かれていること。
筆者はオープンした年からこの道の駅をちょくちょく利用しているが、その姿勢はお客が激増した今もずっと変わらない。
なお、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 朝霧高原」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
あさぎり温泉 風の湯
クルマで約15分
☎0544-54-2331
大人900円(17時以降600円)
10時~22時・火曜定休
※道の駅の食堂は早く閉まるので、外食にはこちらの食堂がお勧め。
コンビニ
ファミリーマートまで約4キロ
スーパーマーケット
大きなスーパーは富士宮まで行かないとない。
「道の駅 朝霧高原」のアクセスマップ
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