この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「刈谷ハイウェイオアシス」は名古屋市近郊にある、天然温泉が隣接する車中泊スポット
刈谷ハイウェイオアシス【目次】
「刈谷ハイウェイオアシス」のロケーション
伊勢湾岸道にある「刈谷ハイウェイオアシス」は、我家(大阪府吹田市)から富士山方面に行く途中にあることから、オープン以来何度も車中泊をしてきた「勝手知ったる」ねぐらのひとつだ。
なにしろ、高速道路から降りることなく温泉に入れるというのは、遠出の車中泊クルマ旅では、圧倒的なアドバンテージだと思う。
しかも「刈谷ハイウェイオアシス」は、名古屋市内に最寄りの車中泊スポットで、渋滞がなければ熱田神宮まで約20キロ・20分、名古屋城までは約30キロ・30分で行くことができる場所にある。
さらに陶器で有名な常滑がある知多半島へも行きやすい。
「刈谷ハイウェイオアシス」の駐車場
まず、「刈谷ハイウェイオアシス」は驚くほど広い。
特に一般道から入場できる「岩ヶ滝公園」は、週末になると地元のファミリーで大いに賑わっているようだ。
一般道から利用できる駐車場
この写真は上のマップにBと記した、地元のファミリーが利用するハイウェイオアシス側の駐車場。
駐車場は3ヶ所あるが、ここは温泉に一番近い第ニ駐車場になる。
名古屋の都心部には道の駅がないため、ここは唯一とも云える無料の車中泊スポットでもあるのだが、残念なことに夜間は閉鎖される。
ただ2021年春にはスマートインターを併設する計画があり、既に工事は終盤のようだ。完成すれば高速道路側の駐車場から、直接一般道に出られるようになる。
この画像をみると、上下線とも本線から流入後、PAまたはハイウェイオアシスの駐車場で車中泊をしてから、スマートインターで外に出られるようにも見えるのだが、確実なことは完成後でないとわからない。
高速道路から利用できる駐車場
先ほどのマップのAのエリアが、高速道路からアクセスできる「刈谷ハイウェイオアシス」で、写真はその「上り線」の駐車場。
もちろん混同しないよう、同じエリアで「上下別々」になるようにレイアウトされている。
いずれも路面はフラットなのだが、ここでの車中泊には問題がある。
「刈谷ハイウェイオアシス」のトイレ・売店・レストランほか
要不要は別として(笑)、写真のデラックストイレ(Ladys)や観覧車など、「刈谷ハイウェイオアシス」は開業当時から様々な話題を振りまいてきた。
ただし、自慢のデラックストイレは夜10時に施錠される。
つまりハイウェイオアシスの駐車場で車中泊をすると、夜中に目が覚めてトイレに行きたくなれば、かなり離れた本来のパーキングエリアのトイレまで歩かなければならない。
筆者はそれが面倒なので、パーキングエリアの駐車場で車中泊をする。
さて、写真左手が「刈谷ハイウェイオアシス」の売店とフードコートがあるセントラルプラザ。
土産品は上下線のパーキングエリアの売店でも売っているが、ここが一番品数は多いかもしれない。
広々としたフードコート。
気になるのは、やはり名古屋めし(笑)。お馴染みの味噌カツが食べられるのは、一番奥の店だ。
なお観覧車の一階には、コンビニのファミリーマートがある。
「刈谷ハイウェイオアシス」の日帰り温泉・かきつばた
「天然温泉かきつばた」はハイウェイオアシスの駐車場から見えないところに建っている。
ハイウェイオアシスの奥にあるファミリーマートを超えると、写真の温泉に続く写真の階段があり、そこまで行って初めて施設を確認することができる。
つまり、事前に日帰り温泉があることを知らなければ、まずわからない(笑)。
料金は890円と「スーパー銭湯」にしてはやや高め。と感じる人は多いと思うが、ここは天然温泉で、露天風呂のひとつが「源泉かけ流し」になっている。
特筆すべきは、そのお湯が「弱アルカリ性の高張性」であることだ。
ちなみに「弱アルカリ性」とは、俗に云う美肌の湯で、「高張性」は温泉が人の細胞の浸透圧より高いことを意味している。
そのため高張性温泉につかると、温泉成分が細胞膜を通して入り込みやすくなり、ミネラルなどの成分が濃縮されるとともに、汗などの水分が出ていきやすくなる。
すなわち、老廃物や毒素などが排出され、自然のデトックス 効果が期待されるというわけだ。
ただし、いいことばかりではない。カラダから汗などの水分が出ていきやすいということは、長湯をすれば「脱水症状」に陥りやすいということ。露天風呂にはその注意書きがちゃんとしてあった。
それ以外にも、今時のスーパー銭湯には必ずと云っていいほど備えられている、「高濃度炭酸泉」「サウナ」「ほぐし湯」なども揃っている。
都会にある「極楽湯」などのチェーン店と比べれば、コスパはけして悪くない。もちろん「立地」と「温泉」という観点からすればの話だが。
「刈谷PA上り線」の概要
「刈谷PA上り線」の施設は名鉄が運営しており、フードコートには「いきなりステーキ」がある。
「刈谷PA上り線」の駐車場の難点は、奥行きが浅く横長のレイアウトであるため、大型トラックレーンと普通車レーンが近いことだ。
車中泊をする際は、できるだけ建物に近い場所を選ぶほうがいい。
「刈谷PA下り線」の概要
「刈谷PA下り線」の施設は近鉄が運営しており、フードコートにはマクドナルドがある。
静かな車中泊環境を希望の方には、一番奥のガソリンスタンド手前に広がるこの駐車場がお勧めだ。
なお「刈谷PA」のガソリンスタンドは、上下線ともにセルフだが、一般道のセルフスタンドよりは10%ほど高いと思う。