25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の車中泊に関する情報です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド

この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
道の駅での車中泊に不安を感じる方は、こちらをご覧になってみてください。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」は奥飛騨温泉郷の外れにある道の駅で、日帰り温泉は併設していない。

道の駅 奥飛騨温泉郷上宝 DATA
道の駅 奥飛騨温泉郷上宝
〒506-1427
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷田頃家11-1
☎ 0578-89-3746
物産館の営業時間
4月~10月:9時~17時
11月~3月:9時~16時30分
3月31日・9月30日 定休(棚卸の為)
標高 約750メートル
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第5回
登録日/1994年4月26日
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.04.30
2013.09.26
2014.10.09
2016.02.11
2018.04.27
2022.09.26
2024.07.27
2025.07.18
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」での現地調査は2025年7月が最新です。
道の駅 奥飛騨温泉郷上宝【目次】

「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」のロケーション

標高約750メートルの高地に位置し、真夏でも冷房なしで車中泊ができるこの道の駅は、「奥飛騨温泉郷」の玄関とも呼べる「平湯温泉」から約11キロ・クルマで15分ほど離れた「栃尾温泉」の外れにある。

別府、由布院に次ぐ豊富な湯量と、日本随一ともいわれる露天風呂の数が魅力の「奥飛騨温泉郷」には、5つの温泉地に加えて、「平湯大滝」や「新穂高ロープウェイ」、さらには「乗鞍岳」あるいは「上高地」を結ぶシャトルバスの乗り場があり、数日かけて「中部山岳公立公園」を満喫するに足るだけのコンテンツを有している。

ただ数日間とどまると云っても、「奥飛騨温泉郷」はクルマで移動しなければどうにもならないところなので、観光に勤しむ人は日中は道の駅を離れている。
つまり連泊になったとしても、停めっぱなしの「長期滞在」とは明らかに異なる。

数日間ほとんど動かず、クルマの横で北アルプスの風に吹かれて寛ぎたい人は、「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の中央に入口をデンと構えている、こちらの高規格オートキャンプ場を利用するといい。
ここならもちろん、イスやテーブルを出そうがシェルターを張ろうが問題ないし、何より予約ができるのでハイシーズンには安心だ。
しかしこの「奥飛騨温泉郷オートキャンプ場」があるからと云って、「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」での車中泊に、”うしろめたさ”を覚える必要はない。
それは普通の旅行者が、リゾートホテルとビジネスホテルを使い分けるのと何ら変わるものではなく、利用者がニーズで選べばいいことであって、他人からとやかく云われる筋合いのない話だ。

要はちゃんと「車中泊のクルマ旅」というものが理解できれば済む話であって、ベテランの車中泊旅行者だけでなく、世間の良識ある人々も、そこを見極める力を十分持ち合わせている。
その力がない人間は『語るに及ばず』。

この写真は2025年7月に撮影したもので、筆者が見た限り、丸2日間まったくクルマを動かした痕跡がなかった。
ゆえにおそらく誰かに通報されたのだと思うが、2日目の夕方、警察から事情徴収を受けていた。
今はこのように、正しい利用者が健全な車中泊スポットを守ることに協力する時代。
もはや常識外れな車中泊者が、そのままで済まされることはない。

ただ「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」は、安房トンネルを挟んだ長野県側にある「上高地」や「乗鞍高原」と、岐阜県の「高山」をめぐる「旅の宿」として利用するには、いささか不便だ。

そんな中、長年にわたる夜間閉鎖で、上高地を目指す車中泊の登山客と旅行者に迷惑をかけ続けてきた「あかんだな駐車場」が、2022年から24時間出入庫が可能になった。
おかげで普通車は、深夜に到着しても沢渡地区と同じように、車中泊をすることが可能になったのは救いだ。
しかし、車高2.7メートルまでの車両には入庫制限が残っている。観光バスが入れるのだから、構造上はそうしなくてもいいようにも見えるのだが…

とはいえ6時30分になれば入庫はできるし、係員がいる時間帯に入庫すれば、中で車中泊をすることは可能。
ある意味では、道の駅より整った車中泊環境ともいえるだろう。
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の施設

こちらが「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の航空写真。

車中泊に支障があるというほどではないが、いちばん左端に建つ24時間トイレに近い上の航空写真のCは傾斜が顕著で、フラットなのはA、続いてDの順になる。

24時間トイレには、ウォシュレットが完備している。

フラットでトイレに近く、奥まっていて静かなのはBのトラックレーンだ。
そのため、ここで車中泊をする人も目立つのだが、それはよくない。

「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」はハイシーズンは夜間でも満車になるため、致し方ない部分もある思うが、車中泊のマナーとしてはできるだけ避けたいものだ。
そのためには、道の駅以外の車中泊スポットを心得ておくといい。難しそうな時はリスクをヘッジするのが、車中泊での人気観光地めぐりには欠かせない。

こちらは、9時~17時まで利用できる、トイレと売店の間にある情報休憩室。
一見、観光資料が揃っているように見えるのだが、肝心の「奥飛騨温泉郷」エリアのマップや見どころが記されたものはほとんど置かれていない。
観光案内所がある「平湯温泉」からの距離を考えれば、本来は観光案内所の支所デスクがあってもおかしくないところのように思うのだが…

さて。
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の売店は、観光地にしては狭く土産品が中心だが、中にはキャンパーの気を引く商品もある。

こちらは郷土料理の朴葉みそ。
調理自体はすこぶる簡単なので、近くのスーパーで肉と野菜を買ってくればキャンプサイトでも食べられる。
同じような発想からか、生わさびも売っていた。

おろしがねまで置いてあるのは気が効くね~。しかも鮫皮の特上品(笑)。

ここまで出さなくてもステンレスで十分使えるものもあるので、筆者はこういう時のために、ひとつはクルマに積んでいる。

こちらはイワナの干物だが、食べるというより骨酒専用のようだ。
800円はちょっと高いと思えるが、釣るのは大変だし、さらにカリカリに焼かないと生臭さが抜けないことを思えば、それなりの価値はあると思う。

さらに「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の駐車場の敷地内には、3軒の食事処が揃っている。まわりに店がないので旅人にも嬉しい話だが、「シャモ・ホルモン・イワナの炭火焼き」は、飯のおかずというより、ちょっと素敵な酒の肴だ(笑)。
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の車中泊好適度
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機横に設置

当初は置かれていなかったが、2024年7月に来た時は屋外に可燃物のゴミ箱が置かれていた。だが、2025年7月には再び撤去されていた。

近年はクマの出没も多いので、夜間だけかと思い、改めて営業期間中にも確認に足を運んだが、休憩室・売店内にも置かれておらず、完全撤廃となっている。
なお、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。 しかしそれを道の駅で食べると、残った容器はゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、 道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。 すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。

「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」の最寄りの温泉&周辺買物施設

奥飛騨ガーデンホテル焼岳
道の駅から約8キロ・10分
筆者の入湯レポートはこちら。
☎0578-89-2811
大人900円
12時〜21時(閉館22時)
基本無休
繁忙期は日帰り入浴の出来ない時間帯あり
コンビニ
約1.5キロのところにある「ゴリラ」でお酒と乾き物のつまみが手に入る。

スーパーマーケット
※「奥飛騨Foods Market」まで約2キロ。
「Aコープ奥ひだ」は店名が変更となり、店内もリニューアルされている。
「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」のアクセスマップ
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