25年のキャリアを誇る車中泊旅行家が、奥飛騨温泉郷の観光&グルメ情報を交えた楽しみ方を紹介しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
「上げ膳据え膳」を卒業して自由気ままに遊ぶか、クルマの機動力を生かして、広範囲をめぐる。

「奥飛騨温泉郷」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2003年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
1997.08.15
2003.05.27
2003.10.04
2008.04.30
2011.02.11
2013.09.26
2014.10.09
2016.02.11
2018.04.27
2022.09.26
2024.07.27
2025.07.17
※奥飛騨温泉郷での現地調査は2025年7月が最新です。
車中泊旅行者にお勧めの、奥飛騨温泉郷の観光&グルメスポット

奥飛騨温泉郷の観光事情

まず、観光バスや公共交通機関で「奥飛騨温泉郷」を訪れる大半の人の目的は、『とにもかくにも、温泉でゆったり寛ぐこと』にあると思う。
ゆえにお気に入りの宿に滞在し、自慢の湯殿と食事を満喫して、時間が余れば、界隈の共同浴場や観光地に足を運ぶというのが、”統一規格フォーマット”だ。
今はそれに多少のオプションが加わっているものの、ツアーも観光情報も、それに合わせて作られていることに変わりはない。

だがフォーマットのない車中泊の旅人は、みずからプランを練らねばならず、それができなければ、極端な話『奥飛騨温泉郷に来ても、さして楽しいことはない』。
車中泊で旅をするというのは、すなわち「上げ膳据え膳」からの自立を意味する。
『安上がりに旅ができる』のは確かだが、それは本来なら宿や食事処、しいてはバスの運転手に支払われていたコストが、”自身の労働”に置き換わるだけだ。
お勧めの車中泊観光プラン❶
奥飛騨温泉郷 終日ステイ

「奥飛騨温泉郷」での車中泊観光プランには2つのパターンがある。
ひとつは温泉宿に泊まる代わりに、オートキャンプ場にステイし、遠出をせずに終日キャンプサイトと周辺で過ごす。
要はお宿のお世話にならずに、ほぼ同じ欲求をセルフで満たすプランになる。
「奥飛騨温泉郷」では、その際の宿代わりになる車中泊スポットが、平湯温泉に近い「平湯キャンプ場」もしくは、栃尾温泉に近い「奥飛騨温泉郷オートキャンプ場」になる。

ただキャンピングカーには、電源と場内に露天風呂を持つ「奥飛騨温泉郷オートキャンプ場」のほうがマッチしている。
いずれにしても、ここを拠点に「奥飛騨温泉郷」内を周るなら、観光スポットとしては以下の2ヶ所が挙げられる。
観光スポット❶
平湯大滝

日本の滝百選に名を連ねる「平湯大滝」は、国道158号で高山方面から来ると、「平湯トンネル」を抜けて奥飛騨温泉郷に入った最初の観光スポットで、今は「滝見展望広場」までクルマの乗り入れが可能になっている。
「滝見展望広場」から滝道の終点までは、歩いて2.3分。駐車場代も無料だ。

また平湯大滝は、厳冬期に「氷瀑」化することで有名な名瀑で、冬には「平湯大滝結氷まつり」が開催される。
新穂高ロープウェイ(新穂高温泉)

「奥飛騨温泉郷」では利便性の高い「平湯温泉」が中心になるわけだが、マイカーで自由奔放に行動できる車中泊の旅人には、やはりダイナミックな北アルプスの景観が迫る「新穂高温泉」まで足を伸ばしてもらいたい。

その「新穂高温泉」のランドマークといえば、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に二つ星として掲載された「新穂高ロープウェイ」になる。
なお、ランチを含むグルメスポットについては、ほとんど行っていないので、たいした参考にはならないかもしれない。

写真は「平湯バスターミナル」から徒歩1.2分ほどのところにある「喰処 よし本」。

この筆者が食べた「ざる山菜そば」は、2013年当時は1200円だったが、公式サイトがないので今の価格はわからない。
人気メニューらしく、冷たくて夏向き。中高年には十分なボリュームだった。

いっぽうこちらは、「道の駅 奥飛騨温泉郷上宝」から約3キロ・クルマで5分ほどの新平湯温泉にある「うな亭」で、国道471号に面しているので分かりやすい。

関西風の蒲焼きで、写真のうなぎが丸一匹入った特上が、2025年5月時点でも2800円とリーズナブルで人気がある。
なので店の前を通るたびにのぞいているのだが、営業時間中でも暖簾が出ていないことが続いたので、オリジナルの食レポは撤収している。

「うな亭」に限らず、筆者の奥飛騨温泉郷の飲食店の印象は、ネットに出ている時間通りに営業していない店がけっこうある。
確実に食事にありつきたい人には、幅広い時間帯に食べられる「アルプス街道平湯」や「ひらゆの森」、あるいは「平湯大滝」に行く手前にある「あんき屋」などの大型店を選ぶほうが無難だ。
観光協会の飲食店紹介ページはこちら。

なお自炊が億劫ではない人には、材料調達と調理が簡単にできる、飛騨高山地方のソウルフード「朴葉味噌焼き」をサイトで食べるのがお勧めだ。
お勧めの車中泊観光プラン❷
奥飛騨温泉郷をベースに長野遠征

これは具体的にモデルスケジュールを示すほうが明快だと思う。
モデルスケジュール
※「東海北陸自動車道」高山経由を想定
初日
自宅から奥飛騨温泉郷へ。
早く到着する場合は、❶で示した奥飛騨温泉郷内の観光スポット、もしくは以下の記事に記載の共同温泉をめぐる。
●道の駅 奥飛騨温泉郷上宝 車中泊
2日目(3日目と順不同)
朝から「あかんだな駐車場」に移動し、シャトルバスで上高地へ。
上高地の観光情報はこちら。
「あかんだな駐車場」に帰着後、❶で示した奥飛騨温泉郷内の観光スポット、もしくは以下の記事に記載の共同温泉をめぐる。
●道の駅 奥飛騨温泉郷上宝 車中泊
3日目(2日目と順不同)
朝から「ほうのき平駐車場」に移動し、シャトルバスで乗鞍岳山頂エリアへ。
乗鞍岳山頂エリアの観光情報はこちら。
「ほうのき平駐車場」に帰着後、❶で示した奥飛騨温泉郷内の観光スポット、もしくは以下の記事に記載の共同温泉をめぐる。
●道の駅 奥飛騨温泉郷上宝 車中泊
4日目
奥飛騨温泉郷を出て自宅または、次の旅先へ移動。
備考

要所を別記事にしているため、一見あっさりしたプランに見えたかもしれないが、実は中身はかなり濃厚で、本気でやればこういう写真を撮ることできる。

また行く時期だけでなく、時間帯によっても満足度は大きく変わってくるので、できれば早朝から出かけるほうがいいと思う。

なおモデルプランでは、設備と安全性を考慮して、3泊ともに道の駅を設定しているが、車中泊スポットは以下の記事を見て自由に変更されてもかまわない。
奥飛騨温泉郷 車中泊旅行ガイド
車中泊でクルマ旅 総合案内
クルマ旅を愉しむための車中泊入門
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