25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、下呂温泉の観光&グルメスポットに関する情報です。
「クルマ旅のプロ」がお届けする、車中泊で訪ねた名湯レポート
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国の温泉地の車中泊事情や温泉情緒、観光、グルメにいたる魅力を再評価し、「車中泊旅行者の目線」から紹介しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

~ここから本編が始まります。~
派手さはないが古臭くもない、温泉地ならではの”ほどよい癒やし”が特徴

下呂温泉の観光スポット

「下呂温泉」の土産屋が並ぶ温泉街は、大きく2ヶ所に分かれている。

ひとつは、「下呂発温泉博物館」や「白鷺の湯」がある「湯の街通り」と「山の手通り」の界隈で、小さな温泉宿と住民の生活感が残る昔ながらの場所だ。
下呂発温泉博物館

「下呂発」と書かれているように、「下呂温泉」のみにこだわらず、日本各地の温泉を科学的見地からとらえ、温泉の湧き出すしくみや、泉質、効能などを紹介。

さらに温泉の発見伝説、江戸末期から明治の温泉番付など、温泉好きには興味深い資料を「温泉の文化」として分かりやすく紹介している。
☎0576-25-3400
入館料 大人400円
9時~17時
木曜定休(祝祭日営業)
駐車場は、向かいにある「下呂中央駐車場」を利用。1時間まで無料、以降30分100円
温泉寺

「下呂温泉」には昔、湯の峰から湧き出る温泉が突然止まってしまい、村人が困りはてていた時、薬師如来の化身といわれる白鷺が舞い降りて、新しい温泉を村人に知らせたという伝説があり、温泉寺にはその薬師如来が祀られている。

薬師如来像は「湯掛薬師」として親しまれており、薬師の下からは霊泉が湧き出している。
なおかつては、「クアガーデン露天風呂」の割引券がその横に置いてあったが、2025年8月現在でも、それがまだあるかどうかはわからない。

また温泉寺は下呂温泉随一の紅葉スポットととしても有名で、例年11月中旬にはライトアップと、特設の足湯が用意される。
ただし手前には173段の石段があるので、中高年は息は上がる(笑)。
白鷺橋のチャップリン

さて。
冒頭で記したもうひとつの温泉街は、「せせらぎの小径」から下呂大橋の間に整備された柳の並木筋で、こちらにはモダンなコンクリートの建物が軒を連ねている。

ここで気になるのが、「白鷺橋」にある「チャップリン」のブロンズ像。
映画「キッド」のワンシーンを再現しているらしいが、「チャップリン」と「下呂温泉」には全く因果関係はないとのこと。
温泉客に町歩きを楽しんでもらうため、第1号としてチャップリンを設置し、その後もハリウッドスターの銅像を温泉街に増やす計画だったというが、諸事情により頓挫。一応は「一時中止」ということになっているようだ(笑)。

なお、いずれのエリアにも公営の有料駐車場があり、飲食やそぞろ歩きをするには困らないが、わざわざクルマを動かすほどの距離ではない。
続いては、温泉街から少し離れたところにある、下呂温泉で一番規模の大きい観光施設を紹介しよう。
下呂温泉合掌村

「下呂温泉合掌村」は、昭和38年に白川村から移築した国指定重要民俗文化財の「旧大戸家住宅」及び、富山県の五箇山などから移築した合掌造りを中心に、 10棟の合掌家屋で集落を再現している野外博物館。
白川郷に行かない人は、ここで世界遺産に指定されている「合掌造り」を見てみるのも悪くはないと思う。
☎0576-25-2239
おとな800円
8時30分~17時(受付最終16時30分)
無休
なお、隣接する「いでゆ朝市」については、以下の記事で触れている。
厳立峡

なおクルマで30分ほど離れたところは、『下呂温泉の奥座敷』とも呼べる、炭酸泉が湧く温泉地を伴う名勝「巌立峡(がんだてきょう)」がある。
「巌立峡」については、以下の記事に温泉を含めた詳しい内容を記している。
下呂温泉のグルメスポットと食レポ

まず「下呂温泉」では、「ギャラリー食の館」で地元の安全で安心な食材と、それらを採り入れた郷土料理のレプリカを一堂に展示しており、それが食べられる店のマップ連動パンフレットを用意している。
以下はその中から、筆者が実際に訪ねたお店の食レポになる。
ソウルフードの「鶏ちゃん」で有名な行列店「杉の子」

まず下呂温泉を代表するソウルフード「鶏ちゃん」をご紹介。
「鶏ちゃん」は、下呂市を含む岐阜県飛騨地方南部の郷土料理で、醤油や味噌をベースに、ニンニクや生姜を加えた自家製のタレに鶏肉を浸け込み、キャベツ・モヤシなどの野菜といっしょに鉄板で炒める料理のこと。
羊肉とは違うものの、イメージはまさに北海道でよく見る「ジンギスカン」の岐阜バージョンという感じだ。
関西仕立ての鰻蒲焼を、”ひつまぶし”でいただく「うな昇」

「飛騨牛は、もうけっこう。」という人にお勧めしたいのは「鰻」。
「うな昇」では、関東とは異なる関西の「蒸さない」調理法で鰻を蒲焼きにしているため、皮は香ばしく、ふっくら感には欠けるが、身には弾力が残っている。
「うな昇」ではそれを踏まえてコメを選び、タレの甘さも関西仕立てにしては抑えめにしているようで、しつこさのない上品な味わいに仕上がっている。
”風情”が上乗せされた、「あゆみ屋」のほんわかプリン

デザートを食べるなら、風情を感じるこの店で。
「ほんわかプリン」は、『プッチンプリンが歯ごたえのあるプリンに思える』ほどの「とろとろ」さで、固体と液体のあいの子のようで、食べているのか飲んでいるのか、途中で分からなくなった(笑)。
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