25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、岐阜県の下呂温泉を車中泊で訪ねたい人に役立つリアルな情報です。
「クルマ旅のプロ」がお届けする、車中泊で訪ねた名湯レポート
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国の温泉地の車中泊事情や温泉情緒、観光、グルメにいたる魅力を再評価し、「車中泊旅行者の目線」から紹介しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

~ここから本編が始まります。~
コンパクトに集約された「下呂温泉」は、「奥飛騨温泉郷」に勝るとも劣らない、東海地方の車中泊温泉旅行先。

「下呂温泉」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2013.09.19
2021.11.04
下呂温泉での現地調査は2021年4月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2025年8月に更新しています。
下呂温泉 車中泊旅行ガイド

まずは下呂温泉の概要を簡単に。

発見以降、約1000年の歴史を誇る「下呂温泉」は、室町時代の禅僧「万里集九(ばんりしゅうく)」が、また江戸時代には「徳川家康」以降4代の将軍に仕えた儒学者「林羅山(はやしらざん)」が、「有馬温泉」「草津温泉」と並ぶ「日本三名泉のひとつ」と称した、古くからの温泉地だ。

事実、天然の石鹸効果がツルツル感をもたらすpH8.9のアルカリ性単純泉は、「日本三大美人の湯」と呼ばれる「川中温泉」「龍神温泉」「湯の川温泉」のpH値を遥かに凌駕している。

「下呂温泉」は、JR高山線の開通や国道41号の全線開通によって昭和初期に発展を遂げたが、その後の高速道路網から外れてしまったため、東海地方を除けば知名度はそう高くない。

それもあってか、ことさらに高級感を打ち出すこともなく、どちらかとえば庶民的な雰囲気で、露骨にキャンピングカーを嫌うような素振りもないのがいい。
下呂温泉で、最初に手に入れたいもの

筆頭はやはり、この「湯めぐり手形」だ。
1500円で写真の木札を買うと、加盟施設の中から3件の温泉に入湯できる。
ただし「湯めぐり手形」はひとり一枚必要で、1枚の「湯めぐり手形」を2人で同時に使用することはできない。
とはいえ、下呂温泉のホテル・旅館の日帰り入浴料金は1000円に近いところが多く、かなりの割安感があるのは事実だろう。

「湯めぐり手形」は、観光案内所とお土産店及び日帰り入浴を受け付けているホテル・旅館で手に入る。
ただし混雑時には利用できない場合があるのと、人気の高い旅館ほど入浴制限を設けていることが多いので、訪ねる前に電話で状況確認をするほうが確実だ。
筆者は公式サイトに記されていた利用時間と、実際の利用時間が違っていて残念な思いをさせられたこともある。
下呂温泉湯めぐり旅のワンポイント・アドバイス

●飛騨川の川岸にある有名な混浴無料露天風呂の「噴泉池」以外にも、「クアガーデン露天風呂」「白鷺の湯」「幸乃湯」が共同浴場として存在しており、日帰り温泉客にも利用しやすい環境が揃っている。
●温泉街にある有料の観光駐車場に加えて、少し離れた「いでゆ朝市」にもトイレ付きの無料駐車場があり、周辺には道の駅、オートキャンプ場、さらにスーパーやコインランドリーも揃っており、車中泊環境はすこぶる良好だ。
●高山に通じる国道41号沿いに位置し、「高山」「郡上八幡」などの岐阜県が誇る名所を同時に旅しやすい立地にある。
車中泊で行く下呂温泉
居心地度・総合評価 5.0

さて。
ここまでは、筆者の下呂温泉に関する情報の「序章」でしかない。
「吉幾三」という気分になられた方には(笑)、続けて以下をご覧いただきたい。
下呂温泉の3つの共同浴場 入湯レポート

まず「下呂温泉」と云えば、どのガイドブックにも、この「噴泉池」が登場するわけだが、飛騨川河川敷に湧く源泉掛け流しの無料混浴露天風呂は、現在は男女とも水着着用が義務付けられ、もはやプールのイメージが拭えない。
「噴泉池」以外にも、下呂温泉には3つの共同浴場が用意されているので、ここではその3つの入湯レポートを紹介しておこう。
下呂温泉の観光&グルメスポット

「下呂温泉」の土産屋が並ぶ温泉街は、大きく2ヶ所に分かれている。
ひとつは下呂発温泉博物館や白鷺の湯がある「湯の街通り」と「山の手通り」の界隈で、小さな温泉宿と住民の生活感が残る昔ながらの温泉街だが、話が長くなるので、その見どころと食べ処は別立ての記事にしてまとめている。
下呂温泉の駐車場&車中泊スポット

下呂温泉は温泉街にトイレ付きの無料駐車場があり、周辺には道の駅、キャンプ場、さらにスーパーやコインランドリーも揃っており、車中泊環境はすこぶる良好だ。
ただこの項目もボリュームが大きいので、観光&グルメと同じく別途ページを用意し、そちらに詳細をまとめている。
下呂温泉は1泊2日がお勧め

「温泉手形」を使えば3軒の温泉施設が利用できることに加え、温泉街には夜に一杯やれる店が何軒もある。
そのうえ温泉街の中心から少し離れたところに、トイレが使える無料の駐車場があるので、車中泊でも行きやすい。

ただ「下呂温泉」は、個々のホテルや旅館が独自の源泉を持っているのではなく、良質な温泉を将来にわたって安定供給すべく、1974年(昭和49年)からお湯の集中管理システムを採用している。
そのため温泉を「ハシゴ」しても、泉質が異なるお湯は楽しめない。
それを加味すると、「下呂温泉」では1泊2日が妥当な滞在期間といえるだろう。
下呂温泉のモデル車中泊コースガイド

アクセスの悪い「下呂温泉」を、車中泊旅行のコースに組み込むとしたら、高速道路の「東海北陸自動車道」からアクセスできる「高山」と「郡上八幡」の2つの観光地と抱き合わせるのがベターだと思う。
つまり
初日:自宅 → 郡上八幡 → 下呂温泉
2日目:下呂温泉 → 高山 → 帰宅
のプランなら、中京・京阪神地区在住の旅人は、週末で旅することが可能だ。金曜日の夜に「東海北陸自動車道」の「長良川SA」まで来て”前泊”すれば、初日に余裕が生まれる。
下呂温泉 車中泊旅行ガイド

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