キャンプは教育、それともレジャー?
今の日本には「日本キャンプ協会」と「日本オートキャンプ協会」があるのをご存知だろうか。
いささか政治臭い話になるが、この話を読むと「三丁目の夕日」世代のキャンパーは、たぶん喉の奥に引っかかっていた魚の小骨が取れた時のような、スッキリ感を覚えてくれると思う(笑)。
端的云うと、両者の違いは目的にある。
手っ取り早くいえば、「お上」VS「民間」、「文部省」VS「国土交通省」という、お決まりの構図である。
確かに「●●青少年野外活動センター」のような名がつくキャンプ場は、無料もしくは数百円程度で利用できるところが大半だが、中には申請手続きが面倒で、未だに役場まで出向いて書類を書かなければならないようなところもある。
それでは一等地にある低料金の公共アウトドア施設を、積極的に一般市民に開放する気がないといわれても仕方がない。
いっぽうの「日本オートキャンプ協会の首脳陣」はしたたかだった。
行政にキャンプ場の「開放」を迫るのではなく、まったく別コンセプトのオートキャンプ場を次々に作る戦略に出た。
もちろんその背景には、空前のRVブームに湧く自動車メーカーの支えがある。
かつて… 日本のキャンプ場は「自動車乗り入れ禁止」が当たり前だった。
しかしそのままでは、いつまでたってもキャンプにクルマがリンクしない。
その構図を現実化するために自動車メーカーが手を組み、「日本オートキャンプ協会」を仕立てて、キャンプを「学びの場」から「遊びの場」へと引きづり出したというわけだ。
結果的にこの作戦は大成功し、ブームが頂点に達した1996年(平成8年)には、オートキャンプ人口が1580万人となり、全国のオートキャンプ場の数は1000ヶ所を越えた。
もちろん弊害がなかったわけではない。
しかし一方で、その圧倒的な勢いが教育目的で作られてきたキャンプ場の門戸をこじ開けたという事実もある。
教育キャンプ場はもともとサイトが狭く、老朽化が進むところも多いが、この施設のようにトイレと炊事棟をきちんと手直し、指定管理業者に運営を任せるところがずいぶん増えてきた。
今、筆者がよく利用しているのはそういう場所だ。
写真は北海道の支笏湖畔にあるモラップキャンプ場。
かつては千歳市が運営する公共キャンプ場だったが、現在は休暇村支笏湖が運営管理をしている。
ビーチにクルマの乗り入れはできないものの、サイトのすぐ近くにクルマを置くことができる。利用料はおとな1泊800円。かつては500円だったが、管理は今よりずっと悪かった(笑)。
される時代じゃない。
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