この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
まずは、「四国遊び」のコンテンツを知る。
四国を車中泊で周りたいなら、最初に知るべきは「いい車中泊スポット」ではなく、「四国の楽しみ方」だと思う。
貴方は四国と聞いて、何を連想するだろうか?
もちろん四国にも、名店・名湯・寺社仏閣に絶景スポットなどなど、「全国共通のコンテンツ」は揃っている。
しかし注目したいのは、それらよりも「讃岐うどんの食べ歩き」「クルマお遍路」「沈下橋めぐり」といった、「四国ならでは」のコンテンツだ。
マニアックなところでは、あの坂本龍馬が脱藩する時に通った道を、クルマで辿るといった旅もある(笑)。
ただ最初は、浅く広くでかまわない。
大切なのは「四国ならではのコンテンツ」を自身の旅に盛り込んでみること。
特に今後、北海道の旅を夢見る人には、ここでの経験がその時に大きく生かされる。四国の大きさは北海道の1/5だが、楽しみ方は共通している。
四国一周。
聞こえはいいが、海岸線を走るだけなら3日もあればできる。中高年なら中までしっかり見た後、「今生の別れの旅」にでもすればいい(笑)。
旅のスタートは、瀬戸内海沿岸から
昔から四国の主だった観光地は、瀬戸内海側に集中していたが、本州四国連絡橋の完成によって、3ヶ所から出入りできるようになった現在は、四国を周回するより、瀬戸内海を「湖」のように捉え、本州を含めた「瀬戸内沿岸」を旅する人が多くなった。
それはそうだ。地図を見ても明らかなように、観光スポットの希薄な四国の内陸部や外洋沿岸を探るより、倉敷や尾道、また神戸・淡路島と抱き合わせて周るほうが、確実に楽しめる(笑)。
ゆえに、旅はまずはそこから始めよう。高速道路も整備されており、京阪神からリピートしやすいのも大きなメリットといえる。
だが、四国を旅したいのは関西人だけではない。
関東以北に住む人は、むしろ四国に行くからには、根性据えて内陸部までしっかり周りたいと思うのが当然だ。
そこで、その際に参考になる3つの情報を掲載しておこう。
四国の大きさ
四国の面積は18,800km²で、36,750 km²の九州の約半分、北海道に比べると約1/5の大きさだ。ちなみに周回距離は約750kmとされているが、海岸線をしっかり回ると、実際は1000km近くになるだろう。
四国の道路事情
「国道だから対向に苦労するような道はあるまい」という考えは、四国では通用しない(笑)。
祖谷のような山間部や、四万十川や仁淀川の中流域沿いは、細い上にカーブが多く、キャンピングカーは生い茂る木立にも注意が必要だ。
そのため時間もかかるし、疲れもたまる。計画にそれを反映しておかないと、現地で大きな狂いが生じるだろう。
四国の車中泊事情
車中泊による周遊の旅では、やはり道の駅が便利だ。ただ松山や高知といった都市部は、近くに道の駅がなく、有料の観光駐車場を併用するほうがいい。
なお四国の道の駅には、車中泊が不可能に近い「にしいや」や、「瀬戸大橋記念公園」「ことひき」「ゆすはら」のように、事情をよく知らないと勘違いするようなところが幾つかあるので、計画時には事前の下調べをお勧めする。