四国と九州を結ぶフェリー航路 まとめ【クルマ旅のプロが徹底解説!】2023年1月更新

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【2023年1月更新】
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、四国と九州を結ぶ5つのフェリー航路と、その概要です。

これまでの九州車中泊旅行歴 通算16回
※記録が残る2008年以降のデータです。
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「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊旅行ガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
クルマ旅専門家・稲垣朝則の主な著書
車中泊の第一人者と呼ばれる稲垣朝則が、これまで執筆してきた書籍・雑誌と出演したTV番組等の紹介です。
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四国~九州間を運行しているフェリー航路は5つある。

国道九四フェリー

四国と九州を結ぶフェリー航路

四国~九州間を運行している5つのフェリー航路

❶国道九四フェリー
愛媛県・三崎港~大分県・佐賀関港

❷宇和島運輸フェリー
愛媛県・八幡浜港~大分県・別府港

❸宇和島運輸フェリー
九四オレンジフェリー
愛媛県・八幡浜港~大分県・臼杵港

❹松山・小倉フェリー
愛媛県・松山港~福岡県・小倉港

❺宿毛フェリー
高知県・宿毛港~大分県・佐伯港

四国~九州間を運行している5つのフェリー航路

瀬戸大橋

1999年に「本四連絡橋」と呼ばれる3つのルートが完成したことで、近畿・中国地方から、四国をクルマで旅するコースは飛躍的に広がった。

「瀬戸大橋」「しまなみ海道」の名はもとより、神戸と淡路島、さらに淡路島と徳島県の鳴門を結ぶ2つの橋があることは、東海・関東以北に住む旅人にも既に浸透していることと思う。

では、四国と九州がどこで結ばれているかをご存知だろうか?

もちろん両者の間に「橋」はない。

だがおそらく想像しているより、多い数のフェリー航路が存在している。

現在、四国~九州間を運行しているフェリーはマップに記した5つの航路になる。

なお、記載している運行時間・運賃等の情報は2023年1月現在のもの。

ご覧になられた時の最新情報は、リンクしている各フェリー会社の公式サイトでご確認願いたい。

❶国道九四フェリー ⇒公式サイト
所要時間約70分。四国と九州を結ぶ最短航路

国道九四フェリー

佐田岬の先端にある三崎港と、「関サバ」「関アジ」の水揚げで知られる大分県の佐賀関港を結ぶ航路で、筆者も別府温泉の取材などで、これまで5度利用している。

「船が苦手」という人は、まずコレで決まりだと思うが(笑)、この航路最大のメリットは運賃の安さだろう。

5メートル未満車の車両運賃は8,860円(運転手の運賃込み)+燃料油価格変動調整金300円、さらに大人の同乗者がいれば、追加の旅客運賃は1,090円+燃料油価格変動調整金300円、つまり夫婦で乗船すると10,550円。

またインターネットで事前予約すると、約5%の割引が得られるので9,900円になる。

もちろん乗船時間が短いため、大人だけでなら個室は不要だろう。

加えて1日16便、深夜を除けば1時間に1便の割合で運行しているのもありがたい。

ただし四国側の港がある佐田岬は高速道路から外れており、松山市内からだと約100キロ、順調に進んでも2時間はかかる。

道の駅八幡浜みなっと

佐田岬には、付け根の八幡浜にある「道の駅 八幡浜みなっと」のほかに、「道の駅  伊方きらら館」「道の駅 瀬戸農業公園」の3つの道の駅があるが、その中で車中泊にいちばん適しているのは「道の駅 八幡浜みなっと」だ。

三崎港はなはな

また三崎港には、「佐田岬はなはな」という真新しい商業施設ができており、ここでも車中泊はできる。

道の駅佐賀関

いっぽう九州側の佐賀関には、港のすぐ近くに「道の駅 佐賀関」がある。

❷宇和島運輸フェリー ⇒公式サイト
佐田岬の「付け根」から別府に渡る、快適ルート

宇和島運輸フェリー

松山あるいは宇和島を観光してから、別府に向かいたいという人には、「国道九四フェリー」に加え、佐田岬の付け根に位置する「八幡浜」から出港する、「宇和島運輸フェリー」の別府航路も選択肢になる。

そこで「国道九四フェリー」との違いを整理してみた。

まず八幡浜から別府間の車両運賃は14,300円+燃料油価格変動調整金800円。同乗者の旅客運賃は3,600円+燃料油価格変動調整金400円。ひとり旅の場合なら、国道九四フェリーとの差額は5,940円。夫婦なら8,850円高くなる。

次に所要時間を比べると、「国道九四フェリー」は1時10分、こちらは2時間50分と倍以上かかる。

しかも、「宇和島運輸フェリー」1日6便しか運行していない。

今度は走行距離を見てみよう。

まず四国側の走行距離の差は、松山市内にある「道後温泉」をスタート地点とした場合、約40キロ・時間にすると50分ほど短縮される。

次に九州側を見てみると、国道利用でやはり約40キロ・1時間15分ほどの短縮になり、その差は2時間ほどと予想される。

フェリーの乗船時間差は1時間40分なので、多少は「宇和島運輸フェリー」のほうが早く別府に着ける計算だ。

ここで加味すべきはガソリン代だ。

合計約80キロを、リッター160円・下道燃費6キロのハイエースで走行すると、ガソリン代は約2,133円。つまり夫婦旅なら、正確な差は8,850円からそれを差し引いた6,717円になる。

それを運転時間の2時間で割ると、「運転手のお時給は3,358円」。

奥様がこれを「高い」と感じるなら「国道九四フェリー」を、「妥当もしくは安い」と思うなら、「宇和島運輸フェリー」をお選びいただくといい(笑)。

カーフェリー

あと、それに判断基準を追加するとしたら、宇和島運輸フェリーのほうが船は大きく、装備もいい。

国道九四フェリー 「涼かぜ」2021年2月就航
乗用車換算積載台数 57台
宇和島運輸フェリー 「れいめい丸」 2022年6月就航 
乗用車換算積載台数160台

なお八幡浜港フェリーターミナルは、日帰り温泉に近くて利便性の高い「道の駅 八幡浜みなっと」と隣接しており、車中泊して翌日の早朝便に乗ることも可能だ。

❷宇和島運輸フェリー ⇒公式サイト
❸九四オレンジフェリー ⇒公式サイト
四国経由で阿蘇、宮崎方面に行きたい人にお勧め

「宇和島運輸フェリー」の臼杵(うすき)航路と「九四オレンジフェリー」は、航路と料金は全く同じだが、船舶と時刻表は違っている。

「宇和島運輸フェリー」の5m未満の車両運賃は、12,800円+燃料油価格変動調整金800円の合計13,600円、旅客運賃は2,600円+燃料油価格変動調整金400円の合計3,000円。1日7便が運行、所要時間 2時間25分。

「九四オレンジフェリー」の5m未満の車両運賃は、燃料油価格変動調整金1400円込みで14,400 円、旅客運賃は燃料油価格変動調整金800円込みで3,400 円。

1日7便が運行、所要時間 2時間25分。

着岸する大分県の臼杵港は、別府港から高速道路で約55キロ・1時間ほど海岸線を南に下ったところにあり、「道の駅 阿蘇」までは国道で約86キロ・2時間ほど。また日向・宮崎方面に南下するにも都合はいい。

もちろん、別府・佐賀関行きの船が満車時の代替え便としても使えるだろう。

❹松山・小倉フェリー ⇒公式サイト
所要7時間の深夜便。続けて北九州を観光するなら便利

運行時間は、松山港・小倉港ともに、夜21:55 発・翌朝 05:00 着の深夜便のみ。

所要時間は7時間5分で、寝ているうちに九州に到着できるメリットはあるが、そのぶんコストはあがる。

5m未満の車両運賃は、燃料油価格変動調整金4,000円込みで26,300円 (二等客室含む)。1クラス上の二等寝台D(燃料油価格変動調整金2,400円込みで12,000円)を利用すると、ひとり旅では28,100円となる。

なお、船には食堂はないが、大浴場は完備されている。

短い日程で博多を周りたい人には、便利かもしれない。

❺宿毛フェリー ⇒公式サイト
高知県から九州に渡る、魅惑の最南ルート

愛媛県との県境に近い高知県の宿毛(すくも)港から、宮崎県との県境に近い大分県の佐伯(さいき)港を結ぶ、四国ー九州最南のルート。

他の航路よりも陸路に対するアドバンテージが圧倒的に高いことを考えると、それなりの価値が見いだせそうだ。

運行は1日3便、所要時間は3時間10分。

4m-5m未満の車両運賃は12,240円、旅客運賃は2,570円(いずれも燃料油価格変動調整金込み)。

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