【2023年1月更新】
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「桜島のドライブ・観光・車中泊スポット」に関する情報です。
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
桜島のドライブは、ぐるっと1周、約2時間。
「桜島」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.05.03
2011.12.30
2013.02.13
2016.12.30
2019.02.09
2023.01.02
※「桜島」での現地調査は2023年1月が最新となります。
桜島のドライブ・観光・車中泊スポット
桜島の歴史とロケーション
その名が示す通り、かつて「桜島」は錦江湾に浮かぶ”離れ小島”だった。
「桜島」が大隅半島と陸続きになったのは1914年(大正3年)。
大噴火によって海峡が溶岩で埋めたてられ、現在の姿になった。
つまり我々が見る「桜島」と、幕末に西郷隆盛や篤姫が見ていた「桜島」の景観は違っている。
その「桜島」は令和の現代も噴火し続けているわけだが、現地に行けばそれが「日常茶飯事」であることを実感する。
鹿児島地方気象台によると、2022年の噴火回数は235回。2日に1回よりも高い頻度で噴火するのだから、1週間もいれば驚かなくなるのは当然だ(笑)。
噴石が飛んでくるほど激しいのは恐ろしいが、他ではちょっとお目にかかれない光景だけに、出くわすとエキサイティングな気分になるのは確かだった。
鹿児島市内から桜島は、フェリーでおよそ15分
さて。
写真の「桜島フェリー」は、鹿児島市内と桜島を約15 分で結ぶ”暮らしのフェリー”で、大正3 年の大噴火をきっかけに運行が始まった定期航路だ。
当初は災害復旧が主な目的だったが、次第に便数を増やし、現在では昼間最短10 分間隔、深夜でも60分間隔の24 時間運航を行っている。
たった15分で鹿児島の市街地とクルマで往復できるメリットは、旅人にとっても計り知れない。
もし「桜島フェリー」がなければ、「桜島」は文字通り”陸の孤島”になっていたことだろう。
2023年1 月時点の運賃は、おとな200 円、4メートル以上5メートル未満の車両運賃は1,950円( いずれも片道)。
念のために乗られる前には、下の公式サイトでお確かめを。
桜島の観光事情と主な見どころ
桜島には過去の大噴火の傷跡が生々しく残されているところもあるが、現在はフェリーターミナルを中心に観光地としての開発が進み、島内を快適に周回する道路が整備されている。
見どころの大半は上の地図の下部分に集まっているので、急ぎなら半周で大隅半島に抜けてもいいと思う。
ここからは、桜島にある筆者お勧めの観光スポットを順次紹介していこう。
ただし紹介する観光スポットは、筆者が「いいと思うところ順」なので、コースガイドにはなっていない。
桜島溶岩なぎさ公園
上のマップでは「国民宿舎レインボー桜島」になっているが、日本最大級の足湯がある「桜島溶岩なぎさ公園」と、無料の「桜島ビジターセンター」の3つは、ほぼ同じ場所にある。
溶岩なぎさ公園の錦江湾側には海釣り公園があり、国民宿舎レインボー桜島の温泉が日帰り利用できることもあって、終日ここで寛ぐ地元のファミリーも多い。
しかも、車中泊までできる。
道の駅 桜島
この道の駅には「ここでしか見られない名物」があるので、泊まらなくても立ち寄る価値はあると思う。
有村溶岩展望所
「時間がないので1ヶ所だけ、どこかに立ち寄りたい!」
という人にお勧めなのが、この有村溶岩展望所だ。その日の風や噴火状況によって、行くたびに違う桜島の表情が楽しめる。
展望所にある東屋には、頑丈な屋根が用意されている。
もっとも危険が迫るほどの噴火が予想される時は、事前にここから立ち退かされるに違いない(笑)。
「いざという時には走って非難ができるように」かどうかは分からないが(笑)、遊歩道はきれいに舗装されていて、サンダルでも歩くことが可能だ。
ところどころには歌碑が立てられ、中には「わが前に桜島あり。西郷も大久保も見し火を噴く山ぞ」と書かれた海音寺潮五郎の碑もある。
さすがにうまい!
無料駐車場の奥には避難用のドームがある。
これを見ると、ここが絶対安心という場所ではないことがよくわかる。
有村溶岩展望所
見学所要時間 約1時間
〒891-1545 鹿児島県鹿児島市有村町952
マップコード:393 501 051*57
黒神埋没鳥居(くろかみまいぼつとりい)
桜島が陸続きになった、1914年(大正3年)の大噴火の凄まじさを物語る貴重な遺構。
もともとは高さが3メートルあったという「腹五社神社」の鳥居は、噴火後1日のうちに軽石や火山灰で埋め尽くされ、笠木部分の約1メートルを地上に見せるだけとなった。
噴火がおさまった後、地元では掘り起こしが検討されたというが、後世のためにそのまま保存されることに。
今で云う「震災遺構」の元祖と呼ぶべき存在だ。
ちなみに、噴出した大量の火山灰と軽石は、上空8000メートル以上にまで上昇し、火山灰は遠くカムチャッカ半島まで飛んでいったと云われている。
冬ならハクチョウやガンも、きっと咳き込むハメになっていただろう(笑)。
この写真は2011年に撮影したもので、今はもう少し整備されているかもしれない。
これではさすがに、ちょっと寂しいね(笑)。
黒神埋没鳥居
見学所要時間 約15分
〒891-1401 鹿児島市黒神町(黒神中学校横)
マップコード:393 595 661*55
赤水展望広場 嘆きの肖像
長渕剛のファンなら周知の聖地。
「乾杯」とか「とんぼ」以外にも、「おいらの家まで」「涙のセレナーデ」、さらに石野真子のために書いた「ふたりあるき」なんて曲を知ってる筆者も、そのひとりにカウントされる(笑)。
なお、ここは車中泊が可能なので、別記事に詳細を記載している。
現時点で筆者が「お勧め」できるのはこの4つまでだ。
写真の桜島国際火山砂防センターは3度訪ねたが、いずれも閉館日か営業時間外で、未だ館内を見ることができていない。
また湯之平展望所には足を運んだが、景観は有村溶岩展望所とさほど違いがあるようには思わなかった。
であれば、アクセスの良い有村溶岩展望所のほうがいい。
桜島の車中泊事情と車中泊スポット
車中泊の旅行者が桜島で泊まるケースは、2通り考えられる。
ひとつは夕方もしくは夜まで鹿児島市内を観光し、翌日の桜島観光の「前泊」として車中泊をするケースだ。
この場合は、桜島フェリーターミナルから近くて、温泉が併設している「桜島溶岩なぎさ公園」の無料駐車場での車中泊がお勧めになる。
もうひとつは、桜島観光を終えた後に車中泊をする場合だが、桜島を一周して鹿児島市内に戻るのではなく、そのまま大隅半島を観光するのなら、やはり温泉を併設している「道の駅 たるみず」がいいだろう。