「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。
「湯けむり展望台」は、日本一の温泉湧出量を誇る、別府ならではの景観がみられる特等席。
「湯けむり展望台」は、鶴見岳と扇山をバックに、鉄輪温泉街から立ち昇る「湯けむり」が眺望できるお気に入りの場所で、湯冷ましに出かけるには最適だ。
ただし高台にあるので、徒歩ではきつい。
10年前はこの展望台を突き止めるのに四苦八苦したが、今はグーグルナビのおかげで、迷うことなくたどり着けるのだからありがたい。
展望台には駐車場があるが、停められるのは10台程度。敷地が狭いので先客があるとキャンピングカーは切り返しができない場合がある。
2020年12月更新
1年前に訪れた時にはなかったコンクリートの「展望台」が、写真上段の駐車場に建っていたのには驚いた。確かに前の木々が成長し、写真を撮る際の障害になっていたので、これはありがたい配慮だと思う。
展望台屋上からの眺望。以前より別府の町並みがよく見える。
ただし駐車台数は以前より少なくなって、見えている7台分になった。しかもハイエースクラスだと、写真の左奥はバックで駐車場に入らないと、前にクルマがあれば中では切り替えせない。
周辺には駐車場がないうえに、道が狭く路上駐車もできないので、特にキャブコンは行った時の運次第になる(笑)。
「湯けむり展望台」に行くなら、寒い時期の夕方がベスト
当り前のはなしだが、湯けむりは寒い時ほどよく見える。
ゆえに、こういう景観を求めて3度足を運んだのだが、なかなかドンピシャ!とは来てくれない(笑)。
冬の朝がべストタイミングだろうと思って出かけた時は、まだ太陽が低くてコントラストがきつく、雄大な全景を撮影することができなかった。
こちらはゴールデンウィークの日中。この時は光線に恵まれたが、やはり湯けむりが物足りない…。「頑張ってまた来いよ」ということか(笑)。
「別府の湯けむり」は、2001年にNHKが全国の視聴者から一般公募した「21世紀に残したい風景百選」で、富士山に次ぐ第2位に選ばれ、国の重要文化的景観に指定されている。
また夜景も、2010年に「日本夜景遺産」に認定されている。いつかはぜひ、黄昏時に訪ねてみたいものだ。