「地獄めぐり」は、色褪せることのない別府温泉の定番観光スポット
別府の地獄めぐりなんて、団体ツアーのじいちゃん・ばあちゃんと、外人さんの行くところでしょ。
と、君笑うべからず。
ある意味では、ここに別府温泉の魅力が凝縮されている。
そもそも、地獄ってなに?
自噴口から、湯けむりと煮えたぎったお湯が湧き出す姿が、まるで地獄のように見えることからそう呼ばれる。
別府に限らず、温泉地にはこういう場所が幾つか残されているわけだが、手っ取り早く云えば、地獄というのは「見る温泉」と思えばいい。
ただ、普通は雲仙や登別のように1ヶ所だけなのだが、別府にはなんと7ヶ所、しかもそれが、さまざまなカタチで残されている。
さすがは日本最多の源泉本数を誇る、「おんせん県」だね!
さて。少し期待感が膨らんだところで、具体的なガイドへと進もう。
地獄めぐりコースガイド
現在の「地獄めぐり」は、海地獄・鬼石坊主地獄・かまど地獄・鬼山地獄・白池地獄・血の池地獄・龍巻地獄の全部で7ヶ所。昔はこれに山地獄があったが、今はカットされているようだ。
このうち、海地獄・鬼石坊主地獄・かまど地獄・鬼山地獄・白池地獄の5ヶ所は、鉄輪(かんなわ)温泉に集中しており、歩いて周れる。
なお、血の池地獄と龍巻地獄は、鉄輪温泉から北に2.5キロほど離れた柴石(しばせき)温泉にあるため、クルマでの移動が必要だ。
各地獄をそれぞれゆっくり見るなら、個別に30分程度は時間が必要で、合計すると見学には3時間半ほどかかる計算になる。
車中泊であれば、朝6時半から営業してる「鉄輪むし湯」でひと風呂浴びて、地獄めぐりのゲートが開く午前8時過ぎにスタートし、昼までに見終わることも可能だ。
記されたコース通りに進むと、最後の白池地獄まで見終わった後に、きつい坂道をひたすら駐車場まで登ることになり、息が上がる。
そこで海地獄と鬼石坊主を見終わったら、先に1番下にある白池地獄まで下り、そこから鬼山地獄、かまど地獄を見てクルマに戻るといい。これなら休み休みになるため、さほど疲れは感じない。
こちらは血の池地獄の駐車場。同じく無料で、ここから残り2つの地獄を周る。
【地獄めぐり 入場料金】
各地獄400円で共通券は2,000円。駐車場は無料。
ただし、公式サイトから10%割引券がゲットできる。
割引チケットのページはこちら
【営業時間】
8時~17時・無休
【問い合わせ先】
☎0977-66-1191
そこで、お勧めの食事処をあわせて紹介しておこう(笑)。
さて。気になる地獄めぐりの無料駐車場における車中泊だが、トイレがあるところでは、実際には寝ている人もいる。ただ、海地獄の駐車場は傾斜がきつい。
筆者は地獄めぐりの駐車場で車中泊をしたことはない。その理由は、ここよりもいい車中泊スポットを知っているからにほかならない。
さて、最後に個別の地獄をご紹介。
海地獄 ※国指定名勝
別府温泉の地獄で最大の温泉池。温泉成分の硫酸鉄が溶解しているため、美しいコバルトブルー色をしている。
隣接して無料の足湯があるが、なぜかお湯の色は透明だった。
鬼石坊主地獄
灰色の泥が沸騰する様子が坊主頭に似ていることから「鬼石坊主地獄」と呼ばれるようになった。また施設の奥には、入湯できる「鬼石の湯」がある。
画像出典 鬼石の湯オフィシャルサイト
白池地獄 ※国指定名勝
落ち着いた雰囲気の和風庭園にある温泉池。青白く見えるのは、噴出時は透明な湯が池に落ちた際に、温度と圧力の低下により変化するためとのこと。
ここには、熱帯魚館とピラルク館などもある。
鬼山地獄
別名「ワニ地獄」。週末の餌付け時間は10時からと14時30分から。同じ行くなら、迫力ある「もぐもぐタイム」にあわせよう(笑)。
かまど地獄
古来より氏神の竈門八幡宮の大祭に、 地獄の噴気で御供飯を炊いていたことがその名の由来とされる。
かまど地獄には、1丁目~6丁目までさまざまな湯の池がある。
ここで鉄輪地区から、クルマで柴石地区に移動する。
血の池地獄 ※国指定名勝
血の池地獄は、1300年以上前から存在する日本最古の天然の地獄だ。
池が赤く染まるのは、地下の高温、高圧下で化学反応が起き、それで生じた酸化鉄、酸化マグネシウムを含む赤い泥が、噴出後に堆積するためと云われている。
園内の小さな売店だけで限定販売している「血ノ池軟膏」は、水虫、ニキビ、やけどなどに効能がある医薬品だ。
龍巻地獄 ※国指定名勝
地獄めぐりのファイナルは間欠泉。
別府市の天然記念物でもある「龍巻地獄」から豪快に噴き出す温泉は、屋根がなければ地上から30メートルほどの高さまで届くという。