「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。
温泉に出かける時間で「使い分け」を。
まず、筆者は「湯布院の極みは、温泉宿の庭園風呂」という話を、以下のページに詳しく記している。
これは近くの別府温泉との比較を強く意識したものだが、クルマ旅の旅行者なら湯布院にしか行かない人は稀だと思う。
ここではその観点に立ち、湯布院で日帰り入浴を受け付けてくれる名宿の中から、実際に筆者が入湯した4つの庭園風呂をご紹介。
名苑と名水の宿 梅園
イチオシは、「いい宿に来たなぁ」という気にさせてくれるココ(笑)。
山のホテル夢想園
続いては、湯布院でも指折りの眺望を誇る「夢想園」。
ゆふいん束の間(旧庄屋の館)
「女性同伴なら、ここは絶対外せない」といえる、超・美肌の湯を持つ「ゆふいん束の間(旧庄屋の館)」。
ゆふいん山水館
ここは、自慢のバイキングランチとセットで入浴すると、お得になる。
さて。湯宿の温泉には、ひとつ困った問題がある。
それは入浴時間が、昼間の数時間に限られていることだ。すなわち、夕方に湯布院に到着した旅人は利用できない。
そこで今度は、夜まで営業している「日帰り温泉」を紹介しよう。
乙丸温泉館
安くて、駐車場があって、夜10時まで営業している、旅人に最適な温泉はここ。
健康温泉館 クアージュゆふいん
ドイツの温泉浴治療の考え方を取り入れた公共の日帰り入浴施設。水着着用のバーデゾーンは混浴で、9種類の入浴方法が体験できるほか、男女別の大浴場と露天風呂を完備している。
温泉情緒とは無縁だが(笑)、ファミリーの旅行者にはこういう施設がいいかもしれない。
【営業時間】10時~21時30分・第2・4木曜定休
【利用料金】プール・サウナ・風呂利用時:大人820円 ※貸水着・タオル付、風呂のみ:大人510円
【☎】0977-84-4881
前に10台ほど停められる駐車場あり。満車時はとなりの臨時駐車場も使える。
スーパーのトップバリュが隣接する利便性の良さも魅力だ。
御宿 ぬるかわ温泉
金鱗湖の近くにある温泉施設で、男女別の露天風呂に加え、切り石、檜、三和土など個々に趣の違う7種の貸切風呂がある。
ただし、細かくセパレートされていることもあり、家族風呂からの景色はいまひとつ。正直、値段の割にはがっかりした。むしろ夜のほうがロマンチックでいいのかもしれない。
【営業時間】8時~20時
【利用料金】
浴場入浴料 大人430円、子供220円
内湯家族風呂(2名様1時間)1650円
露天家族風呂(2名様1時間)2200円
【☎】0977-84-2869
最後は昔からある共同浴場を紹介する。
ゆのつぼ温泉
湯の坪街道から大分川方面に少し入ったところにある共同浴場。有名な「玉の湯」は目と鼻の先だ。
歴史ある共同浴場で、江戸時代の文献にもその名前が残っているという。現在の建物は1995年に建てられているそうだが、見た目はもっと新しく感じた。
湯船は内湯のみで、男女とも床と越壁に御影石、湯船の縁にヒノキを使用している。脱衣所にはコインロッカーも用意されているので、湯の坪街道の散策がてらにひと風呂浴びるのも悪くない。
【営業時間】10時~22時(時期により変動あり) 不定休
【利用料金】200円
【問い合わせ】0977-84-3111(湯布院町商工観光課)
駐車場は3台。ただし、ここまでの道中が人だらけで走りにくいため、クルマでのアクセスは勧めない。
下ん湯
金鱗湖そばにある、湯布院のシンボルリックな混浴の共同浴場で、写真の茅葺屋根が目印だ。
入口を開けると、いきなり脱衣所と温泉が見える簡素な造りで、内湯と金鱗湖に面した半露天風呂がある。脱衣所まで全て混浴なうえに、遊歩道側からはほとんど丸見え。女性でなくても、入るのには勇気が要ると思う。
【営業時間】10時~22時(時期により変動あり) 不定休
【利用料金】200円
【問い合わせ】0977-84-3111(湯布院町商工観光課)
駐車場なし。近くのコインパーキングを利用。
追加で「番外編」を。クルマがあるなら、行く価値大の秘湯だと思う。
塚原温泉 火口乃湯(かこうのいずみ)
テイストとしては、女性に人気の湯布院とは異質で、どちらかというと別府温泉に近いと思う。