天然水が無料で汲める阿蘇神社は、車中泊の旅人にとってありがたい存在。

阿蘇神社熊本県の史跡
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この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
「日本クルマ旅先100選」 ~テーマはディスカヴァー・ジャパン~
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伝・紀元前282年創建!?

なんですと! 紀元前ということは卑弥呼も驚く、縄文時代。

っていうか、世界史的にはイエス様もこの世にまだ生まれていない頃からあったことになる(笑)。

こんな大胆不敵なことを今に伝えているのは、嘘八百だらけの「古事記」と「日本書紀」しかないわけだが、阿蘇神社のオフィシャルサイトにそれが明記されているため、観光情報を載せるさまざまなホームページにそれが拡散されている。

だが、さすがに阿蘇市は年代までは表記していない(笑)。

阿蘇山噴火

神話は別として、阿蘇神社の本来の御神体は阿蘇山であり、噴火を鎮めるための祭祀の場が、今日まで引き継付がれてきたのは確かだろう。

大人なら、パワースポットごっこに惑わされることなく、この地に根付く真の祈りにシンクロしよう。

ちなみに全国に約450社ある「阿蘇神社」の総本社とされてきたのは、古代からこの地を支配してきた阿蘇氏が、秀吉の九州平定まで大宮司を務めてきたことと、深い関係がある。

阿蘇氏とは…

ルーツはヤマト王権が日本を統合する以前から存在した阿蘇地方の首長。ヤマト王権の氏姓制度下において阿蘇姓を称し、以降、肥後国阿蘇国造に任じられて阿蘇地方を支配する。

また律令制下の郡司の伝統に従い、火の山阿蘇山を祀る阿蘇神社の建立後、代々その祭祀を司った。

ちなみに「大宝律令」が発令されたのは701年。阿蘇神社が現在に近いカタチになったのは、おそらくそれ以降だ。

阿蘇氏はその後戦国大名に上り詰めるが、九州平定を図る秀吉の軍門に下り、一度は滅びた。

しかし関ヶ原の合戦の後、加藤清正が阿蘇神社の神主に取り立てたことによってお家は復活。その末裔が現在も阿蘇神社の神主をつとめている。

熊本県民はその話を知っているから、清正贔屓というわけだ(笑)。

現在の阿蘇神社の社殿群は、江戸時代の1835年(天保6年)から1850年(嘉永3年)に、熊本藩の寄進によって再建され、神殿や楼門などの6棟は国重要文化財に指定されている。

中でも楼門は九州最大の規模を誇り、「日本三大楼門」のひとつと呼ばれた…

2016年の熊本地震から4年… 復興状況は?

阿蘇神社

その由緒ある阿蘇神社が、2016年に発生した熊本地震で甚大な被害を受け、国重要文化財の楼門と拝殿が全壊した。

しかし同年11月から始まった、公的補助による災害復旧工事は順調に進んでおり、神殿をはじめとする重要文化財5棟は、2019年3月をもって復旧が完了。残る写真の楼門は、これから5年をかけて組み立て工事が始まるという。

車中泊の旅人への恵みは、阿蘇の湧き水。

阿蘇神社の楼門前には「横参道」と呼ばれる珍しい通りがあり、その途中にある「神の泉」では、昔から変わらぬ名水を自由に汲むことができる。

ゆえに筆者は毎回阿蘇神社に参拝し、新鮮な不老長寿の水を頂いてから、「道の駅阿蘇」に行くようにしている。

阿蘇門前町水基めぐり

金脈の泉

水基とは水が出る基(もと)。すなわち水汲み場・水飲み場のこと。

阿蘇神社の門前町周辺には33ヶ所もの水基があるというが、参道近くの仲町通りに面しているものが多いので、時間があれば散策してみよう。

ユニークなのは隣接する店にちなんだネーミングだ。たとえば「みやがわ時計店」横の水基は「竹沢(ちくたく)の雫」、「肥後銀行・宮地支店」は「金脈の泉」になっている(笑)。

水基めぐり オフィシャルサイト

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