この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
絶景が見られるのは、干潮のサンセットアワー
約1キロにわたって砂浜が続く父母ヶ浜は、地元で昔から親しまれてきた海水浴場だ。干潮時には浜に潮だまりができ、大分県の真玉海岸と同じように「特別な夕景」が見られることから、「日本の夕日百選」にも選ばれている。
しかし以前は、県外から訪れる人などほとんどなく、埋め立て計画が持ち上がった時期もあったそうだ。それでも地元の人たちでつくるボランティア団体が、長年清掃を続け、この浜を守ってきた。
こちらが日中の干潮時。
実は、この景色を見て「ピン!」ときた来た地元の人間がふたりいた。
ひとりは上の写真の雲のように、潮だまりに映る人影を撮って、地元のフォトコンテストに応募した人。
そしてもうひとりは、その作品を見て「父母ヶ浜の特徴」に気付き、2018年4月にフェイスブックでそれを紹介した観光交流局の職員だ。
その写真がたぶんコレ。
この光景が、鏡のように風景を映す南米ボリビアの「ウユニ塩湖」に似ていると話題を呼び、同年の7、8月で5万人を超える人々が訪れたというから驚く。
ただ観光交流局の職員が打った最高の手は、それをスマホでどうすればうまく撮れるかを、下のホームページで公表したことだ。
流行語大賞となった「インスタ映え」を、いち早くキャッチした成功事例といえるだろう。
父母ヶ浜の駐車場と車中泊事情
父母ヶ浜には少し離れて2ヶ所の駐車場があり、いずれも料金は無料だ。
まず干潮が夕陽の時間帯と重なる日は混雑するため、最初からパープルの大型バスが停められる駐車場を目指すほうが確実だろう。
ただし気候のいい時期は、日没1時間前には行かないと、さすがに満車の可能性は高い。
いっぽうこちらは、入口に「父母ヶ浜専用駐車場」と書かれた赤のスペース。駐車台数は少ないが、こちらが話題になる前からあった場所なのだろう。
平日の日中なら、ここに停めて海岸まで歩いていくといい。堤防に「絶景フォトの撮り方」を教えてくれるパネルがある。
またトイレもあるので、海水浴のオフシーズンなら車中泊もできそうだった。とはいえ、ここで頑張らなくても近くに2つの道の駅がある。
最寄りの道の駅
筆者のお勧めは、約8キロのところにある「道の駅ことひき」だ。