この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「豊礼の湯」は、家族風呂と露天風呂の両方が揃い、地獄蒸しと無料の屋外・屋内休憩所がある、わいた温泉郷の人気車中泊スポット
「豊礼の湯」は、500円の大浴場でも1200円の家族風呂でも、温泉に入れば地獄蒸し(温泉の蒸気蒸し)の炉が自由に利用でき、そのうえ車中泊までさせてくれることから、熊本県民のみならず、九州内外から訪れる旅行者にも人気の高い温泉館だ。
「豊礼の湯」のロケーション
「豊礼の湯」は「黒川温泉」から近く、久住高原や阿蘇からもアクセスのよい「わいた温泉郷」の中にある。
一帯には温泉地が集中しており、有名な「黒川温泉」「杖立て温泉」らと合わせて「小国郷」とも呼ばれている。
「小国郷」には道の駅もあるが、家族風呂に浸かって、野菜や肉を温泉の蒸気で蒸し上げ、それを肴に一杯飲んで、そのまま気持ちよく車中泊ができるような施設は、九州広しと云えども「わいた温泉郷」にある2軒だけ(笑)。
車中泊のクルマ旅でこの地に来るなら、この贅沢を楽しまない手はない。
「豊礼の湯」の温泉
筆者が利用したのは、1200円の岩風呂タイプの家族風呂。
部屋の外にある給湯器にコインを入れると、勢いよくお湯が注がれ、適度なところで自動的に止まる。また退室時には湯船のお湯を抜いて出るのがルールだ。
家族風呂は毎回お湯が入れ替わるので筆者は好きだ。雰囲気は1500円の檜風呂のほうが良さそうだったが、残念ながら空いてなかった。
なお公式サイトを見ればわかるが、本来の「豊礼の湯」の濁り湯は、もう少し青みがかった色をしている。
また「豊礼の湯」で忘れてはならないのが、こちらの男女別の大露天風呂。これがあるおかげで、一人旅でも500円で地獄蒸しと車中泊が可能になる。
「豊礼の湯」の地獄蒸しと休憩施設
「豊礼の湯」の地獄蒸しは大露天風呂のすぐ下にあり、屋外休憩施設と隣接している。
屋根付きで広々した休憩兼食事施設。日中はここが気持ちいい。
地獄蒸しに必要なザルは、受付で無料で貸りられる。
こちらは実際に持ち込んだ食材。
野菜や卵は「豊礼の湯」でも販売しているが、シュウマイやおこわはスーパーでないと入手できないので、行くなら途中で仕入れておくほうがいい。
また今はスマホで代用できるが、100円で買えるキッチンタイマーは、こういう時にはすこぶる便利だ。
加えて「豊礼の湯」には、屋内の食事場所(無料休憩所)も用意されている。
これは「わいた温泉郷」の他の施設にはない「豊礼の湯」唯一の利点で、特に冬場はアドバンテージが高いと思う。
写真は2013年に利用した時のもので、実際に我々はここで蒸した料理を食べた。
ただ以前はもう少し長く居られた気がするのだが、2020年現在は18時までの利用になっていた。
「豊礼の湯」の車中泊環境
まず施設の入口近くに、「キャンピングカー専用駐車場」と路面に書かれた7台分の駐車スペースが用意されている。
ただし写真手前から奥にかけて、そこそこの傾斜がある。このキャンピングカーが停まっている場所が唯一ともいえるフラットな場所だ。
さて。普通車の場合は、どこで車中泊ができるのか?
残念ながら筆者はキャンピングカーなので、そこまでは確認していない(笑)。
ただここで車中泊経験がある他のブロガーのサイトを見る限り、このフラットでトイレに近い駐車場での車中泊も可能なようだ。
なお、「豊礼の湯」の家族風呂は24時間営業しているので、泊まるなら家族風呂から少し離れた場所のほうがいいだろう。
トイレは野外休憩所の隣にある。便座は様式だが「ウォシュレツト」までは用意されていなかった。
せめてこういう「ウォームレット」だけでも、つけてくれると嬉しいね。
「豊礼の湯」周辺の買い物施設
コンビニ・スーパーともに10キロほど離れた小国市街地まで行かないとない。お勧めは「道の駅小国」のすぐ近くにある「マルミヤストア小国店」。
「豊礼の湯」に行く前に立ち寄り、買い出ししていくといいだろう。なお「豊礼の湯」はゴミ持ち帰りなので、トレイや不要な袋はここで処分をしていこう。