静かで田園的な温泉地「湯布院」を再発見できる場所

狭霧台の朝霧大分県の観光地
「クルマ旅のプロ」がお届けする車中泊温泉旅行ガイド
「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。
失敗しないための、車中泊温泉旅行ガイド
クルマ旅のプロがまとめた、北海道から九州まで車中泊で出かけたい全国の温泉地ガイドの決定版。
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それはチャラ男・ギャル・インバウンドが「つまらない」「めんどくさい」と感じるところ

湯の坪街道

大人が湯布院で幻滅せずに済む一番の方法は、若者とインバウンドが闊歩する「湯の坪街道」を最後に訪ねることだと思う(笑)。

湯布院

また「金鱗湖界隈」も、日中よりは早朝に訪ねるほうがいい。

とどのつまり…

若者相手のガイドブックや食べログを参考にするほど、幻滅して帰ることになるだけで、我々のニーズは彼らのビジネスの蚊帳の外にある。そう割り切れる人のほうが、間違いなく湯布院を満喫して帰れるはずだ(笑)。


目次

最初に行くべきは、由布院駅横にある総合観光案内所

自慢のマイカーを生かして、高台から田園風景を望む

「湯の坪街道」ではなく、大分川沿いを歩く

秋冬に行くなら、金鱗湖は早朝がいい


最初に行くべきは、由布院駅横にある総合観光案内所

由布市ツーリストインフォメーションセンター

由布院駅の横に2018年4月にオープンした「由布市ツーリストインフォメーションセンター」・通称「YUFUiNFO(ゆふいんふぉ)」は、コンシェルジュが駐在する湯布院の総合観光案内所。

湯布院

2階はちょっとした図書館になっており、パンフレットが入手できるだけでなく、テーブルのあるラウンジで観光情報を入念に調べることも可能だ。

中高年になれば、1日に観光できる数はたかが知れてる(笑)。量より質を求めるなら、「下調べ」に時間を費やすほうがいい。

由布院駅駐車場

「YUFUiNFO(ゆふいんふぉ)」に専用の無料駐車場はない。だが、駅を挟んだところにある「由布院駅駐車場」は、20分まで無料、そのあとは平日なら1時間100円で利用できる。おまけにここは車中泊も可能だ。
湯布院の車中泊にお勧めのコインパーキング 由布院駅駐車場【クルマ旅のプロが解説】 2023年4月更新
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湯布院 陽だまり食堂

地元住民の生活の場でもある由布院駅界隈には、少し歩けばこんな店も見つかる。近頃頃流行りの「農家レストラン」は、田園が広がる湯布院にこそ相応しいのかもしれない。

宇奈岐日女神社

そんな湯布院の素顔が見られる場所が、由布院駅から1.6キロ、クルマなら5分もかからないところにある、この「宇奈岐日女神社(うなぎひめじんじゃ)」だ。

宇奈岐日女神社

由布院には弥生時代以降の遺跡が残るが、当時は沼地で、土地の開墾は水との戦いの連続であったという。

そのため人々は治水に頭を悩まし、「鰻(うなぎ)」を精霊として祀ったことが、この神社の由来となったと伝えられている。

広い境内には杉の木が自生しているが、台風で倒れてしまったご神木の切株が、こうして大切に祀ってあるのも珍しい。これぞまさしく「ニッポンの神社の原風景」だ。

自慢のマイカーを生かして、高台から田園風景を望む

狭霧台

由布院駅前でざっくり湯布院のイメージを掴んだら、メインの湯の坪街道と金鱗湖に行く前に、湯布院の町全体が見渡せる「狭霧台」へと足を運ぼう。これはクルマで旅する我々ならではの特権だ。

ここへ来れば、湯布院がどういう地形なのかがよく分かる。また秋冬は早朝に出向けば、朝霧に包まれた幻想的な風景に出会うこともできる。
狭霧台からの朝霧 撮影ガイド
クルマ旅のプロがまとめた、狭霧台から朝霧に煙る湯布院を撮影したい人に向けた情報です。

「湯の坪街道」ではなく、大分川沿いを歩く

大分川

湯布院のメイン・ストリートとされる「湯の坪街道」の裏手には、初夏にホタルが見られる「大分川」が流れていて、川沿いに歩くことができる。

そこでのお勧めコースが、上のマップに印したオレンジのラインで、できれば先にこちらを通って金鱗湖まで歩くほうがいい。

最初に現れるのが、天然酵母のパンで有名な「まきのや」。車中泊なら翌朝の朝食にもできるので、「せっかくここまで来たのだから、何か買って帰りたい!」という人にお勧めする。

ただし、焼ける数に限りがあるうえに人気があるので、午後2時には売れ切れ閉店になる可能性が高い。

ゆのつぼ温泉

「まきのや」の隣にある「ゆのつぼ温泉」は歴史のある共同浴場で、江戸時代の文献にもその名前が残っているという。

現在の建物は1995年に建てられているそうだが、見た目はもっと新しく感じた。湯布院には何件か共同浴場があるが、それなりに風情があって入りやすいのはここだろう。

湯船は内湯のみで、男女とも床と越壁に御影石、湯船の縁にヒノキを使用している。脱衣所にはコインロッカーも用意されているので、貴重品も保管できる。

【営業時間】10時~22時(時期により変動あり) 不定休
【利用料金】200円
【問い合わせ】0977-84-3111(湯布院町商工観光課)

さて。こちらは「湯布院御三家」と呼ばれる高級旅館のひとつ、「湯布院 玉の湯」。

「玉の湯」は湯布院が現在の人気を確立するにいたった立役者だが、「いつかはクラウン」のCMを見て育った我々中高年は、フロントに通じる前庭を見て、そんな想いを馳せてみるのも悪くない(笑)。

花野そば

こちらは「玉の湯」のすぐ近くにある「花野そば」。

人気店なので空いている保証はできないが、下を噛みそうになるカタカナの名前がついたランチを、並んで待って食べるよりは、こちらのほうがずっといい(笑)。なお、この店にはオリジナルの食べログを書いている。

亀の井別荘

「花野そば」から金鱗湖に向かって進むと、今度は「湯布院御三家」の「亀の井別荘」が見えてくる。

亀の井別荘

旅館「亀の井別荘」は、別府の観光開発に尽力した油屋熊八が、客人をもてなすために中谷巳次郎とともに大正10年に築いた別荘が前身であることから、今もその名を残しているのだが、まさに「別府の奥座敷」として発展を遂げた、湯布院のルーツとも呼べる存在だ。

1万坪とも云われる広大な敷地の中には、日帰り客が利用できるカフェもある。

秋冬に行くなら、金鱗湖は早朝がいい

金鱗湖

最後は金鱗湖だが、ここは早朝の人のいない時間帯がいい。理由は以下の記事を見ていただければよく分かると思う。
金鱗湖の朝霧 撮影ガイド
クルマ旅のプロがまとめた、朝霧に煙る金鱗湖の撮影ガイドです。

Ps

さて。最後にもう一度、冒頭のフレーズに戻りたい。

そこでは筆者は次のように書いている。

大人が湯布院で幻滅せずに済む一番の方法は、若者とインバウンドが闊歩する「湯の坪街道」を最後に訪ねることだと思う(笑)。

湯布院まで来てメイン・ストリートを歩かずに帰るのは、パリまで来てシャンゼリーゼを歩かないのと同じ(爆)。

ということで、番外編として「車中泊旅行者スペシャルの湯の坪街道ガイド」を最後に紹介させていただこう。
車中泊旅行者のための、湯布院「湯の坪街道」ガイド
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