「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。
狭霧台は「やまなみハイウェイ」の人気展望スポット
「狭霧台」は、別府から湯布院に向かう途中の「やまなみハイウェイ」の左手に位置する展望所で、湯布院の田園風景が一望できることから、季節を問わず多くの観光客が訪れる。
また方角は違うが、由布岳も間近に見ることができる。
展望所には駐車場が整備されており、売店、自動販売機、トイレもある。
「金鱗湖」と「狭霧台」の朝霧は、続けて撮れるの?
さて。ここからは、我々のように遠方から湯布院を訪ねる写真好きの旅人が、一番知りたいと思っている話を優先しよう。
というのは… 大半の旅人は、「金鱗湖」と「狭霧台」の朝霧を1回で撮り切りたいと思っている。
結論は、その2つだけなら楽勝だ。狭霧台は金鱗湖から約5キロ・クルマで10分足らずの距離にある。
これで「ほっ」とした方もおられると思うのだが、
我々は、誰に向けて書いているのか分からない当たり障りのない話や、地元に住む写真自慢の話が読みたいために、貴重な時間を費やし、検索しているわけじゃない。
ついでに云うなら、多くの情報発信者は「雲海」と「朝霧」を混同している。
「朝霧」は「朝靄(あさもや)」に近い状況で、いずれも半透明でグラデーションがかかったような景観を云う。
特に湯布院の場合は、うっすらと町が見えていてこそ美しい。つまり霧が濃すぎて、雲海に見えるような時間帯がベストだとは思わない。
さて。実は湯布院には、もうひとつ朝霧の風景が見られる場所がある。
ただし、この「蛇越(じゃこし)展望所」からの景観を狙うなら、ちょっと頑張って行動する必要がある。
最後に、「当たり障りのない」話をオマケで載せておこう(笑)。
湯布院は盆地という地形と相まって、町中から温泉の蒸気が出ていることから、霧が発生しやすいと云われており、確率が高いのは「昼と夜の気温差が大きく、風がないよく晴れた日」だ。
なお朝霧が見られるのは、例年10月下旬から3月中旬頃の早朝8時半頃まで。ただ湯布院の場合は、さきほど書いた通り、やや遅めの時間帯のほうが美しい。
ゆえに、筆者は先に金鱗湖に向かわれることをお勧めする。